画像引用:©2015 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation and MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【チャッピー】です。
2015年公開のアメリカのSFアクション映画。
2009年の【第9地区】で注目された
南アフリカ出身のニール・ブロムカンプが脚本と監督を担当。
世界最悪の犯罪都市ヨハネスブルクを舞台に、
人型ロボット警察官のチャッピーと、
人間との交流と戦いを描いた
独創的な世界観の物語です!
この映画はこんな人におススメ!!
●ロボットが兎に角好きな人
●AI技術の未来を考えたい人
●人間の根源的な資質について考えたい人
●人類の命題に向き合いたい人
| タイトル | チャッピー |
| 製作国 | アメリカ |
| 公開日 | 2015年5月23日(日本公開) |
| 上映時間 | 120分 |
| 監督 | ニール・ブロムカンプ |
| 出演 | シャールト・コプリー、デーヴ・パテール、 シガニー・ウィーバー、ヒュー・ジャックマン |
来るべき未来を予見する為の映画
ロボットは子供の頃は完全に空想の産物でした。
それが今や現実の世界に溢れる様になってしまっています。
余りにも技術の進歩が速すぎて、
フィクションがそれに追いつくのに苦労する様な時代。
嘗て、ポール・バーホーベンが作り上げた【ロボコップ】の
無機質で不気味なロボット警察官のあの恐ろしさ。
荒唐無稽な遠い未来の話だと思っていたものが、
AIの急速な開発によっていよいよ目の前に迫っているのです。
2009年公開の【第9地区】で鮮烈なデビューを飾った
ニール・ブロムカンプ監督が新たに見せる
SF的な物語とドキュメンタリーの様なリアリティを持った不思議な映画。
【チャッピー】は一見ギャングの抗争を扱った
クライムアクションの体を取って見せますが、
その実、監督の故郷である南アフリカ・ヨハネスブルクの
歴史や社会問題を彷彿とさせる側面を持っていたりします。
【第9地区】では冷遇される異星人の難民達を描き、
南アフリカに長く影を落としていた人種隔離政策「アパルトヘイト」の
負の歴史を痛烈に批判して見せましたが、
今作では人間よりも人間らしいロボットをコミカルに描いて、
人間本来の存在価値に迫っていきます。
ニール・ブロムカンプという作家は、
相変わらず油断のならない捻くれた表現者なのです。
SF映画というエンターテイメント性抜群のツールを使って、
社会問題に鋭く切り込み骨太の作家性を見せ付けてくれます。
SF映画は人類の命題に切り込む

画像引用:©2015 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation and MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.
物語の舞台は世界最悪の犯罪都市・ヨハネスブルク。
凶悪犯罪に立ち向かう為に警察当局は
最新技術を搭載したロボット警察隊を配備します。
その生みの親である開発エンジニアのディオン(デーブ・パテール)が、
とあるギャング一味に拉致される事から物語は動き出します。
あくまで人間の補助として存在していたロボットが、
禁断の果実である人工知能を搭載される事に依って、
「知」を得て神の領域へと足を踏み入れる。
果たしてAIとは人類にとって吉となるのか凶となるのか?
やがて赤子の様に無垢なる存在だったチャッピーが、
ギャンブに教育される事に依って犯罪に手を染めてしまいます。
人口知能の暴走は現実にも危惧すべき社会課題ですが、
今作ではロボットの成長を人類の進歩と重ね合わせる事に依って、
逆説的に人間の本来的な存在理由を問う様な作りになっているのです。
アダムとイブは自我を得るのと引き換えに永遠の命を奪われました。
チャッピーも知能は得ますがバッテリーの寿命による「死」を宣告されます。
創造主であるディオンが何故自分に有限の生命を与えたのかと、
チャッピーは深く憤るのです。
それはまるで人類の永遠の命題の様でもあります。
この映画はAIの形を借りて命とは何かという問いを投げ掛けてもいます。
エデンの園を追われたチャッピーは犯罪者の片棒を担いで
追われる立場に陥りますが、
彼は人間の様な利己的な暴力をふるうのでは無く、
あくまでも自分の大切な存在を守る為に戦うのです。
ここに荒唐無稽なSF映画を越えたテーマが表出してきます。
命をどう使うのが正しい事なのか。
日本のアニメから強い影響を受けたというニール・ブロムカンプ監督らしい、
実にエモーショナルで胸アツな展開です。
来るべき未来のおつまみ

今日のおつまみは【焼き白茄子】です。
近所のスーパーで並んでいた旬の白茄子。
魚焼きグリルでじっくり加熱し
皮をはいで鰹節と醤油で。
トロトロの果肉が堪らない一品です。
来るべき未来、
老いて咀嚼力が無くなったとしても、
美味しく食べられるメニューですね。
人は何故殺し合うのか

画像引用:©2015 Columbia Pictures Industries, Inc., LSC Film Corporation and MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.
犯罪や戦争は有史以来、
常に繰り返されてきた言わば人類の宿命とも言える所業でしょう。
人は争いの無い世界を作る事はこれまでも、
これからも決して出来ない。
一体それは何故なのか?
答えは一つでは無いでしょうが、
それが言わば人間にプログラミングされた
神から授かった「オーダー」だからなのかも知れません。
生物としての根源的な資質。
生きとし生ける者の多くは生存の為に殺し合いますが、
人間のそれは生命維持意外に於けるものが余りに多いと思います。
実に詰まらない理由で人を殺し、
また呆気なく理不尽に殺されていきます。
人は互いの違いを嫌い、富を独占しようとし、
憎しみを連鎖させ、果ての無い争いに命を費やしていきます。
人工知能であるチャッピーが人間の世界で学んだ事は、
創造主である人間の醜さであり、恐ろしさでした。
しかしそれと同時に「愛」を受けたからこそ、
チャッピーは自己の為では無く
守るべき者の為に戦ったのです。
それはまるで人間達の戦争に対する大義の様に。
物語の作り手達がこの映画を通して、
伝えたかったのはその人間の持つ業の深さと、
そこから如何に脱却していくかという
微かな可能性の示唆だったのかも知れません。
映画で悪役として登場する
大量破壊兵器の開発者ヴィンセント(ヒュー・ジャックマン)も、
力に対して更なる力を持つ事で、
争いの連鎖を終わらせることが本来の目的だった筈です。
それが核の抑止力であり、
軍備増強の世界的トレンドを準えると、
絵空事の筈のSF映画が何だか不気味な
未来予想図の様に思えて笑っていられなくなってきそうです。
来るべき未来を予見する為の映画。
こうしている今この瞬間にも、
人類は世界のどこかで人を殺しています。
それが街角のいざこざであっても、
大義名分の元による戦争であっても、
想像力の力でどうにか歯止めを掛けなくてはなりません。
それを次の世代へ負の遺産として継承しないよう、
真剣に向き合わなければならないと思います。



