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こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【明日に向かって撃て!】です。
アメリカン・ニュー・シネマを代表する作品。
愛すべきアウトロー達の散り際の美学を描いた、
ロマンチックでユーモアに富んだ傑作西部劇です!!
この映画はこんな人におススメ!!
●アウトローに憧れる人
●歴史的名作が観たい人
●西部劇が好きな人
●古き良きアメリカを体感したい人
タイトル | 明日に向かって撃て! |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 1970年2月21日(日本公開) |
上映時間 | 110分 |
監督 | ジョージ・ロイ・ヒル |
出演 | ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、 キャサリン・ロス、 |
アウトローに感情移入したいと思った時に観る映画
今回は映画史に残る名作のおススメです。
1960年代後半、泥沼化したベトナム戦争に対する
若者達の鬱屈とした反体制思想を表現したアメリカン・ニュー・シネマ。
その代表的作品として常に名前が上がるのが、この【明日に向かって撃て!】です。
この映画は実在の無法者である、
ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの逃避行を描いた作品です。
二人は銀行強盗や列車襲撃などの罪でお尋ね者なのですが、
体制の抑圧を物ともしない自由の象徴の様なキャラクターです。
時代の変化と共に、アウトロー達も追い詰められていきますが、
その散り際の美学が正にアンチ・ヒーローそのもののカッコ良さなのです。
アメリカ映画界を代表する大スター、ポール・ニューマンと、
当時駆け出しだったロバート・レッドフォードの共演も見所の一つ。
それぞれのキャラクターの個性的な魅力を引き出した脚本も見事です。
古き良きアメリカのノスタルジー
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ベトナム戦争がアメリカにもたらした閉塞感は、
様々なエンターテイメント作品にも大きな影響を与えました。
反体制・反戦を声高に主張する作品も多くありましたが、
この【明日に向かって撃て!】は1890年代を舞台にした西部劇。
無法者の主人公2人の友情や恋愛をノスタルジックに描き、
犯罪を扱いながらもユーモラスな描写を多用し、
堅苦しく無く楽しめる作品になっています。
またアメリカを代表する作曲家のバート・バカラックの音楽が、
作品全体を軽妙なトーンで彩り、登場人物への感情移入を助長してくれます。
余りに有名な楽曲「雨にぬれても」をバックに、
ポール・ニューマン演じるブッチとキャサリン・ロス演じるエッタが、
自転車に乗って戯れる場面は映画史に残る名シーンです。
映画は無法者達とそれを追う体制側との血生臭い戦いも描かれますが、
全体の作りはお洒落でウィットに富んだジョークが飛び交う、軽さも魅力の映画です。
軽妙洒脱なおつまみ
今日のおつまみは【揚げ海老ワンタン】です。
妻の大好物の海老を細かく刻んで、ワンタンの皮に包んで揚げた一品。
味付けは醤油・酒・塩・胡椒に生姜。
揚げたて熱々をちょっと贅沢なビールで流し込めば、正に至極の一時です。
ちょっと手間が掛かりますが、お店でこの手の料理を頼む事を考えると、
物凄くコスパが良いです。
美味しいおつまみへの飽くなき欲望を共有する妻に感謝。
アメリカン・ニュー・シネマのアンチヒーロー
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アメリカ人が好きなものの一つがヒーローです。
困難に立ち向かい、悪を挫き弱きを助ける。
清廉潔白の正義の味方。
スーパーマンやキャプテン・アメリカの様なキャラクター。
しかしこの時代のアメリカン・ニュー・シネマの主人公達は、
往々にしてアンチヒーローが多かった様です。
今作のブッチとサンダンスも強盗団ですし、
【俺たちに明日はない】のボニーとクライドのカップルも銀行強盗です。
【イージー・ライダー】の主人公達も無軌道なバイク乗りでしたし、
【真夜中のカウボーイ】も社会の底辺で生きる若者達が主役でした。
当時の観客がスクリーンに求めていたのは、ヒーローでは無くアンチヒーローでした。
法や規範に捉われず自由に生きる事に、
何よりも憧れと共感を持っていたのでは無いでしょうか。
ベトナム戦争や人種差別によって政府や大人達に諦めに近い嫌悪感を持っていた
当時の若者達は、自由のままに生きるこれらの作品のアンチヒーロー達が、
次々に体制に押しつぶされ、無惨に散っていく姿に強く感情移入していきました。
抑圧されて生きていく位なら、死を選ぶ様な過激なキャラクター達が、
現実の社会に蔓延る閉塞感から一時でも解放してくれていたのです。
社会情勢を反映した、映画表現の先鋭的な在り方が如実に表れた時代でした。
これらの作品のアンチヒーローが実に魅力的なのは、
時代の必要性に真摯に向き合った結果と言えるのでは無いでしょうか。
アウトローに感情移入したいと思った時に観る映画。
映画は時代を写す鏡です。
当時の若者達に熱狂的に受け入れられ、更に時代を超え自由の代名詞ともなった作品。
窮屈な世相を嘲笑うかの様に、己の望むままに生きたアウトロー達の姿を、
ノスタルジーに浸りながら回顧する映画体験。
情報過多な現代の若者にこそ、今作の様な映画が必要な気がします。