ドキュメンタリー映画

映画【アントニオ猪木をさがして】おつまみ【ネギ塩鶏ホルモン焼き】

画像引用:©2023「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

この映画はこんな人におススメ!!

●闘魂継承したい人

●プロレス中毒のそこのあなた

●夢を追う人を目撃したい人

●昭和の偉人が遺した物を確認したい人

タイトルアントニオ猪木をさがして
製作国日本
公開日2023年10月6日
上映時間107分
監督和田圭介、三原光尋
出演アントニオ猪木、有田哲平、
棚橋弘至、オカダ・カズチカ、
神田伯山、安田顕、ナレーション・福山雅治

闘魂を注入したい時に観る映画

熱狂的なファンの多い伝説のプロレスラー、アントニオ猪木。

この作品でも各界の著名人が熱く猪木伝説に言及していますが、

今回は敢えてプロレスにもアントニオ猪木にも特に思い入れの無いころっぷが、

このドキュメンタリー作品で如何なる変化が起こるのかという

実験記事に挑戦したいと思います。

正直ちゃんと見た事も無いので本当に勝手なイメージですが、

プロレスというものの所謂ショー的な演出に若干の苦手意識があって、

忖度の部分とリアルファイトとをどう切り分けて受け止めていいのか戸惑う所もあります。

ボクシングや柔道とそこが少し違う所なのかなと思うのですが、

ファンの方たちは試合自体と共にそこに至る物語を楽しんでいるのであろうと。

だから迂闊に近づけない敷居の高さというか、

一見(いちげん)では踏み込めない聖域の様なイメージもあるのです。

そんなこんなでアントニオ猪木という人に対してもやや懐疑的な目で見ていたと思います。

実際かなりエキセントリックなキャラクターの人だったと思うので、

この映画で語られる数々の逸話も実に風変りで型破りなものばかり。

一体この男は何者なのか?

謎が更に深まる中、

それでも次第に興味を持ってしまっている自分にも気が付いたりしました。

今作では私の様な猪木初心者が持つパブリックイメージと、

実際の彼の人間的な部分とのギャップによって構成されている様な気がします。

知れば知る程、訳の分からないスケールを持った人物。

他に類の無い規格外の怪人。

プロレスという摩訶不思議な世界観を全うしたその生涯。

観ている内に気が付くと拳を握って体内の何か熱い部分と対峙している自分に気付く。

そして誰の心にもいるはずの燃える闘魂と出会うのです。

真っすぐな信念の男

画像引用:©2023「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

ヒーローの御多分に漏れずこのアントニオ猪木という男、不器用な様です。

実直で、飾らず、懸命に戦い、敵を増やす。

が、それ以上に熱狂的なフォロワーを獲得しているのがまたカリスマたる所以。

映画では彼の生い立ちから、レスラーとしての立身出世。

そして常人には理解出来ないモチベーションで、

プロレスの普及に邁進する姿が描かれています。

何よりもプレーヤーとして規格外であった事が、

現役時代を知らない我々世代にとっては新鮮に映りました。

感覚としてはよくテレビで場違いな空気を作る奇人というイメージがあったので、

若かりし頃のアントニオ猪木の凛々しい姿や鍛え抜かれた肉体を見ると、

驚きと共に素直にカッコ良いと感じます。

映画を観ているとアントニオ猪木という人の多面的な部分が浮かび上がってきます。

選手としてプレイを魅せる事に長けていて、プロデューサーとしても実に優秀。

新日本プロレスという団体は数々のスター選手を育て上げ、

空前のプロレスブームを牽引する。

正に成功者な訳ですが、破天荒なアントニオ猪木という男は一所に留まらず、

ビジネスで多大な借金をしたり政治家として常識外の行動に出たり、

全く予想不可能な人生を歩んでいます。

それでも後世の人間達に徹底的に愛されたアントニオ猪木。

映画ではドキュメンタリーパートとは別に、

昭和のプロレスファンの少年が青年となり、

やがて人生に敗れた大人になる一連のドラマ作品として描かれている部分があります。

ここではアントニオ猪木という一人のプロレスラーが、

市井の人々の人生にどんな影響を与えてきたかという事を、

虚構の姿で表現しています。

しかしこれはただの虚構では無く、

ある意味日本の子供達にとっての真実でもあるのです。

映画でインタビューを受ける有田哲平や、神田伯山、

安田顕や数々の後輩のレスラー達の人生に与えた光は、

この虚を実にするというエンターテイメントの神髄を生きたアントニオ猪木という存在を、

如実に現している様な気がします。

元気の源

今日のおつまみは【ネギ塩鶏ホルモン焼き】です。

これはもう間違いない奴です。

鶏軟骨とボンジリと砂肝をネギ塩ダレで炒めたメニュー。

スーパーで既に味付けされたセットですが、

これが抜群の旨さでした。

これはビールが最高に合う一皿ですよね。

元気があれば何でもできる。

お酒と映画とおつまみは三位一体の元気の源です。

永遠のショーマン

画像引用:©2023「アントニオ猪木をさがして」製作委員会

ここまでアントニオ猪木の数々の伝説を見聞して思う事は、

兎に角センスの良いショーマンでもあったという事。

見せ方、特にその話題の集め方に天性の嗅覚を持ち合わせており、

どうすれば観衆の興味を引く事が出来るのかを熟知していたのではないかと思います。

プロレスという興行が勝敗を決めるスポーツであるという事の反面、

如何に観客を楽しませるショーであるかというのが重要であるという事。

それを確立して尚真実の感動を与え得たのが、

アントニオ猪木という稀有な存在だったのだと思います。

そこには常識外れの驚きがあり、

規格外の発想がある。

巌流島での無制限ノールールの決戦など一体誰が考え付くだろうか。

後進のレスラー達が生活を立てられる様に、

プロレスという文化を確立する為に矢面に立った猪木。

その決意、覚悟は想像を絶するものがあったのでは無いでしょうか。

夢を熱く語る彼の姿をドリーマーだと馬鹿にしていた人達全てを、

結果として本当の馬鹿者にしてしまったのだと思います。

「戦う君の歌を、戦わない奴等が笑うだろう」という歌詞が、

中島みゆきの名曲「ファイト!」の中にありますが、

正にアントニオ猪木という人は恐れずに信念に生きた人であったのだと思います。

現代人が既に忘れてしまった泥臭さ、ダサくても必死になる事の大切さ、

アントニオ猪木という不器用な男はその事を私達に教えてくれている様な気がします。

闘魂を注入したい時に観る映画。

映画のエンドロール中にナレーションをしている

福山雅治とアントニオ猪木のエピソードが紹介されます。

福山が上京してきて初めて遭遇した著名人が、

アルバイト先のイベントに招待されたアントニオ猪木だったそうです。

実はころっぷも生まれて初めて見た著名人がアントニオ猪木なのです。

中学生の時友人と東京に泊りがけで遊びに来て、

池袋のデパートの中を特に目的も無くウロウロしていると、

エスカレーターの傍に設置してあったマッサージチェアに腰を下ろしていたのが、

アントニオ猪木だったのです。

周りの人の視線を気にせずに、

マッサージチェアにご満悦で笑っておられたのを覚えています。

何だか遠いそんな記憶を思い出して、

懐かしい思いに駆られました。