ヒューマンドラマ映画

映画【おらおらでひとりいぐも】おつまみ【明太マヨ厚揚げ】

画像引用:映画「おらおらでひとりいぐも」公式サイト

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【おらおらでひとりいぐも】です。

夫に先立たれた一人暮らしの女性を主人公に、

ユーモラスな演出で人生の意味を静かに問う。

田中裕子の渾身の演技がインパクト抜群の日本映画です。

この映画はこんな人におススメ!!

●自分の老後に不安を感じる人

●親の一人暮らしが心配な人

●自分にしか見えない友達がいる人

●本当の自由を手にしたい人

タイトルおらおらでひとりいぐも
製作国日本
公開日2020年11月6日
上映時間137分
監督沖田修一
出演田中裕子、蒼井優、東出昌大、
濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎

老後の生活を考える時に観る映画

今回は誰にも訪れる「老い」をテーマにしたとてもユーモラスな作品です。

芥川賞を受賞した若竹千佐子の原作小説を大胆に映像化したのは、

「モリのいる場所」で高い評価を受けた沖田修一監督。

原作には無いキャラクターを創造し、テーマを視覚的に掘り下げた試みが、

見事に功を奏しています。

主人公の桃子さんは夫に先立たれ、一人暮らしをしている75歳の女性。

突然人生の伴侶を失い、寂しく鬱々とした生活の中にいるかと思いきや、

心の寂しさや、空しい朝の虚無感が人の形を取った奇妙なキャラクター達と、

何やら賑やかな暮らしを送っています。

これは夢なのか、痴呆の症状なのか。

観る者にとってもこの唐突な演出を前に、

リアリティと捉えるかファンタジーと解釈するか、

戸惑ってしまう様な描写になっています。

その何とも人を食った様な飄々とした雰囲気が、

作品のテーマを重く感じさせ過ぎない緩衝材になっています。

「寂しさ」と名付けられた桃子さんの分身たる三人のオジサン。

この三人と桃子さんとのやり取りが、独特の間と空気感で描かれていて、

この映画の大きな魅力の一つになっています。

他人から見れば夫に先立たれた孤独の中で、失意の生活をする老女となるのですが、

この映画の主人公の桃子さんは、そんな通り一遍の人間ではありません。

人は何をもってして「老いる」のか。

人生の集大成の際における、その人生の意味を肯定する物語。

名優・田中裕子の全身全霊の演技が胸を打つ、

観れば一生物の、特別な作品になる事間違い無しです。

老いは平等では無い

この映画が問いかけるのは「老いとは何か」というテーマです。

それは身体の機能低下なのか、記憶の欠如なのか。

あるいは取り巻くコミニティーにおいての貢献度、価値が決めるのでしょうか。

人は皆平等に年を取りますが、「老い」は平等ではありません。

90歳でも溌剌と働く人もいれば、40歳で屍と化している人もいます。

つまり「老い」はその人の生き方の結果、主体的な事象なのです。

映画の主人公・桃子さんも目的の無い生活の中で日に日に老いていきます。

日がなテレビを眺め、同じ様なメニューの食事を取り、持病の為に病院へ通う。

刺激の無い繰り返しの日々は「老い」の大好物です。

しかし桃子さんには前出の「寂しさ」と名付けられた三人のオジサンがいます。

彼等と記憶を辿る旅に出る事で、桃子さんは自分自身の人生の意味を改めて考えるのです。

「自分の人生は何であったのか」

「本当はどんな人間になりたかったのか」

これは誰しも、ふとした瞬間に頭を過る事でしょう。

自分の辿ってきた道を肯定したい気持ちはありますが、後悔が無かった訳では無い。

ささやかながら幸せだったけれど、それが望んでいた人生だったのか。

この普遍的な自問自答に、人は一人になった時に立ち返るのかも知れません。

不平等な「老い」に対する、自分なりの答えを探す為。

桃子さんは、「寂しさ」を抱えたまま歩き出します。

おつまみでアンチエイジング

今日のおつまみは【明太マヨ厚揚げ】です。

妻の創作シリーズの新作。これまたお酒に合う一品です。

明太子をほぐしてマヨネーズであえたソースをたっぷりと厚揚げに乗せ、

ネギとチーズを散らしてオーブンでこんがりと焼き上げます。

糖質の高いパンでは無く、厚揚げにすることでヘルシーになります。

美味しく、健康的な食生活が、「老い」にも効果的。

食べる事が何よりも好きな我々にとっては、

一番のアンチエイジングです。

ひとりいぐ

画像引用:(C)2020「おらおらでひとりいぐも」製作委員会

大多数の人は「孤独」や「寂しさ」にネガティブなイメージを持っています。

一人であるという事からは、兎角目を逸らしたいと考えるのは当然でしょう。

まして長年連れ添った伴侶を失い、子供達とも疎遠に感じる桃子さんにとって、

残りの人生を一人で生きる事に、何の希望や目標があるでしょうか。

中々、前向きになる事は難しいと思います。

長い人生を振り返り、色んな場面で自分が何を考え、選択してきたのか。

その中で、桃子さんは気付きます。

一人で生きるという事の「自由」さに。

そこには「寂しさ」と寄り添い、「虚無」と向き合い、

「後悔」に親しむ「自由」がありました。

誰かの為に、何かの為に必死で生きて来た桃子さんにとっては、

それは一人になって初めて知る自分の為の「痛み」でした。

体中をその「痛み」が這いずり回りますが、

自分らしくそのままである事の「自由」が人生の最後にある事。

その時間を慈しむ姿には、どこか清々しさすら感じさせます。

「ひとりいぐ」という事は「我がまま」でも「孤独」でも無いのです。

人生の中で得て、そして失ったものと「自由」に繋がる事が出来る。

それが「ひとりいぐ」という事なのかも知れません。

老後の生活を考える時に観る映画。

この映画は何度も見返したくなる作品です。

見る度に違った思いを抱く事になるかも知れません。

人生の節々の機会に、是非おススメの作品です。