アクション映画

映画【ロード・オブ・ザ・リング3部作】おつまみ【サーモンソテーのクリームソース掛け】

画像引用:IMDB

この映画はこんな人におススメ!!

●ファンタジー作品が好きな人

●緻密な設定が為された世界観を体感したい人

●迫力の戦闘シーンに興奮したい人

●人生の意味を考えたい人

タイトルロード・オブ・ザ・リング
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還
製作国ニュージーランド、アメリカ
公開日2002年3月2日(日本公開)
2003年2月22日(日本公開)
2004年2月14日(日本公開)
上映時間178分
179分
201分
監督ピーター・ジャクソン
出演イライジャ・ウッド、ヴィゴ・モーテンセン、
イアン・マッケラン、オーランド・ブルーム、
リブ・タイラー、ケイト・ブランシェット

圧倒的な世界観に浸りたい時に観る映画

今回は言わずと知れた超大作のおススメです。

映画史に燦然と輝くファンタジー映画の金字塔ですが、

緻密な世界観の構築と、深いテーマを持った実に骨太な作品でもあります。

3部作の総製作費は2億8000万ドル、総興行収入は29億1000万ドル。

アカデミー賞では30のノミネートを受けて17の受賞。

3作品目の【ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還】は見事に作品賞に輝きました。

今回はDVD版の「エクステンデッド・エディション」で3部作を再鑑賞したのですが、

10時間を超える大長編があっという間に感じる位に夢中にさせてくれました。

ファンタジー作品の肝はその世界観にハマる事が出来るかが重要になってきますが、

この【ロード・オブ・ザ・リング】シリーズの緻密で奥深い設定は、

他作品の追随を許さぬものがあります。

物語の舞台は人間やエルフやドワーフなどの異なる種族が混在する世界。

それぞれに独自の歴史、文化、価値観を持っていて微妙な関係性の元に生きています。

これらの設定や展開が荒唐無稽な絵空事に留まらず、

現実の我々の世界情勢を暗喩している様に描かれていく所も、

また作品の奥深さになっています。

人種間の対立や差別、利害関係による裏切りや争い。

善悪の表裏一体性などテーマは多岐に渡り実にリアリティを持って描かれていきます。

そこに登場するキャラクター達もまた実に多彩で、

一人一人に豊かな人格付けが為されているので、

観る者を惹き付けて止まない要素が満載なのです。

ハラハラドキドキのアクションシーン。

恐ろしい様な悪しき存在の描写。

美しい景色と迫力の音楽。

これぞエンターテイメントという見所で夢中にさせてくれるシリーズなのです。

種族を越えた友情

画像引用:IMDB

この作品の最大の魅力は何と言っても多彩なキャラクター造形にあると思います。

主人公のフロドや個性豊かなホビットと呼ばれる小人達に始まり、

魔法使いのガンダルフ、人間の戦士アラゴルン、エルフの王子レゴラス、

ドワーフのギムリ。

互いの思惑でぶつかり合う事もある種族の違うキャラクター達が、

壮大な冒険の旅の中で友情を育み、尊敬し合っていく姿が感動的です。

物語の縦軸は大きな力を持つ指輪を捨てに行くというものなのですが、

人種を越えた相互理解や、善悪の深いテーマを感じさせるサイドストーリーが、

この作品をただのブロックバスター映画で終わらせない要素になっています。

そこに身を切られる様な痛みを伴うリアリティを感じさせる所が、

この作品のエポックメイキングな部分であったと言えます。

そして更に特筆すべきはその映像の革新性であると思います。

20年以上前の作品ですが、今観ても驚く程のクオリティを感じさせるのは、

許される限りにおいて実物にこだわり、壮大なロケーションとセットによる

撮影に徹底した所にあります。

美術や衣装における一つ一つのリアリティがファンタジー作品の世界観の

肝なので、観客は心置きなく物語に没入する事が出来るのです。

当時最先端の映像技術と、手作りのリアリティが高い次元で融合した結果が、

壮大な物語への集中を実現してくれたのです。

間違いの無い組み合わせ

今日のおつまみは【サーモンソテーのクリームソース掛け】です。

これはもう間違いない奴ですね。

オリーブオイルで皮目をパリっと焼き上げたサーモンは身はふっくらで、

クリームソースとの相性はバッチリです。

付け合わせはキャベツのロースト、

人参、さつま芋、ジャガイモ、カリフラワーのソテーです。

野菜もたっぷり取れて大満足の一皿。

白ワインのおつまみにもピッタリです。

心の奥にある悪と対峙する

画像引用:IMDB

物語の主軸である「指輪」を捨てにいく旅。

それでは「指輪」とは一体何なのでしょうか?

この物語の舞台である「中つ国」と呼ばれる世界では、

悪の冥王サウロンの力が封じ込められ、絶対的な力を持った物とされています。

現代の我々の世界においてそれは「核兵器」であったり、

軍事的な力や絶対的な権力に置き換える事が出来るかと思います。

「力」は他者を屈服させますが、同時に世界を滅ぼす様な脅威にもなり得る。

そしてそれを持つ者の心を蝕み、力への執着は他者への疑念、攻撃に繋がります。

主人公のフロドは心優しく穏やかな性格の青年でしたが、

長い旅の中で「指輪」の魔力に心を奪われ、

次第に人が変わった様に疑り深くなっていきます。

「力」が人を狂わせていくという暗喩が、物語の大きなテーマの一つなのです。

誰の心にも「善」の部分と「悪」の部分があり、

それは「強さ」と「弱さ」でもあります。

勧善懲悪の単純な図式では無く、人間の複雑な心理を丁寧に描写した所が、

この作品の他とは一線を画する所でもあるのでしょう。

人間は自らの悪しき部分に気が付いていても、見て見ぬ振りをしがちな生き物です。

損得や、虚栄心が正しい心を覆いつくし隠してしまうのです。

主人公が長い旅路の中で、何度も「指輪」の魔力に憑りつかれそうになる姿は、

観客の目に強烈な教訓としてずっと心に残ります。

夢を見させるファンタジー映画。

ワクワクする冒険活劇。

そんな映画としての魅力の影に、この作品はとても大切なテーマを隠し持っているのです。

圧倒的な世界観に浸りたい時に観る映画。

この物語は第二次世界大戦中のイギリスで、

J・R・R・トールキンによって書かれた「指輪物語」を原作にしています。

戦時中の先行きの見えない不安な世界情勢が、

この物語にも色濃く影響を及ぼしている事は想像に難くありません。

豊かな文化と歴史を持った「中つ国」の様々な種族の人々が、

絶対的な力である「指輪」を捨てる為に戦うという物語は、

我々人類に対する強い問い掛けが含まれているように思います。

科学や技術の発達で「指輪」のような「力」を持つ物は次々に生み出されていきます。

それを私達がどう使い、どう次の世代に引き継ぐのか。

一人一人に課された命題であると思います。

誰の心にも「善」と「悪」があり、

それを超越した所に「世界」の進むべき道がある。

トールキンが遺した奥深い物語は今日も色褪せる事無く、

私達に静かに問い掛け続けているのです。