恋愛映画

映画【きみに読む物語】おつまみ【ペンネ・ゴルゴンゾーラ】

画像引用:©2004 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

この映画はこんな人におススメ!!

●永遠の愛を感じたい人

●2人の異性の間で迷った経験がある人

●クラシカルな衣装や美術を楽しみたい人

●老いについて考えたい人

タイトルきみに読む物語
製作国アメリカ
公開日2005年2月5日(日本公開)
上映時間123分
監督ニック・カサヴェテス
出演ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、
ジェームズ・ガーナー、ジーナ・ローランズ、
サム・シェパード、ジョアン・アレン

永遠の愛を感じたい時に観る映画

今回の作品は2000年代の恋愛映画の人気投票で、

必ずと言っていい程に上位に食い込んでくる人気の映画です。

その後、数々の作品で高い評価と人気を獲得する

ライアン・ゴズリングの出世作でもあります。

激しく恋に落ちる若い2人。

しかし運命に引き裂かれそれぞれの人生を歩み出す。

しかしまたもや宿命の再会を果たした2人は永遠の愛に生きる。

正に王道のラブストーリーなのですが、

今作の物語のミソは年老いた2人の回想の形にした事と、

片方が認知症によって全てを忘れてしまっているという点にあります。

主人公のノアは一目惚れで見染めた恋人アリーに、

ノートブックに書かれた物語として自分達の過去を語って聞かせるのです。

それは自分達の素晴らしい人生を思い出してもらう為に、

儚い一縷の望みを掛けての行動でした。

若かかった時代を思い、人生を静かに振り返る。

誰の心にも少なからずある淡い思い出を刺激する、

切ない物語が感動を呼び起こす作品になっています。

運命の恋

画像引用:©2004 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

主人公のノアは田舎町に暮らす労働者。

家は貧乏で父親と2人暮らし。

向こう見ずで直情的な彼は一目惚れしたアリーに強引に迫っていきます。

片やアリーは名家の一人娘。

母親の厳しい躾と監視に縛られる世間知らずの女の子です。

生まれも育ちも違う2人ですが、自分の知らない世界を互いに感じ、

強く惹かれ合っていきます。

ここまでは正にシンプルで恋愛映画の定石。

若い2人の瑞々しい日々は、世界の色調までも変えてしまう様な輝きでした。

数ある恋愛映画のパターン通り、出会いからその最高潮までの高揚感は、

その後の辛辣な運命との劇的な落差の為にも煌びやかに描かれます。

そして古い価値観と、戦争という社会の変動、

若さ故の暴走が世間に否定され、2人は引き裂かれてしまうのです。

このロミオとジュリエットばりの悲恋物語が、

現代の老いた2人、介護施設で認知症の治療を受けるアリーに

読み聞かせる物語として語られるという設定が非常に切なく胸に迫ります。

記憶が失われたアリーにとって、自分達の過去は心動かされる作り話。

続きの気になる本の中の物語なのです。

それを知りつつ、健気に物語を読み聞かせ続ける老いたノア。

一縷の望みに懸けた懸命な愛の行為。

果たして運命の恋に奇跡は起きるのでしょうか?

運命の一皿

今日のおつまみは【ペンネ・ゴルゴンゾーラ】です。

大好物のゴルゴンゾーラチーズ。

やっぱりペンネと合わせるこのメニューが定番ですよね。

今回は我が家風に海老もプラスしてパン粉を乗せてオーブンで焼く、

焼きパスタの様なレシピ。

カリッと表面が香ばしく、ゴルゴンゾーラチーズの独特の香りと塩味が、

ペンネに絡まり合って絶品です。

死が分かつまで

画像引用:©2004 NEW LINE PRODUCTIONS,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

自分達の素晴らしかった日々を物語として聞かせるのを日課にしている老齢のノア。

彼は妻の入所している施設に自ら住み込み、

曖昧な記憶の世界に住む愛する妻の傍に寄り添い続けます。

長い物語が佳境になると、妻はおもむろに記憶を取り戻します。

ずっと傍らで語ってくれていたその人が愛する夫である事に気付く。

それは喜びと絶望を幾度となく繰り返す残酷な行為でもあります。

しかし僅かな時間であっても、妻に自分の事を思い出して貰いたいと、

ノアは健気に物語を語り続けるのです。

これぞ、究極の無償の愛と言えるのではないでしょうか?

死が2人を分かつまでと言いますが、

記憶を失うのはその死に最も近い状態とも言えます。

それに全力であがない、必死に抵抗するノアの愛は、

人間の絆の強さ、人生の意味を考えさせます。

もし自分だったらとちょっと考えてしまいますよね?

どちらの立場になっても辛いと思いますが、

素晴らしい日々は無くならないし、寄り添い続ける事の美しさは

この映画の風景の美しさと共に忘れ難い余韻を持たせ続けてくれます。

永遠の愛を感じたい時に観る映画。

今作の監督を務めたニック・カサヴェテス監督は、

かつてのインディペンデント映画の父を言われたジョン・カサヴェテス監督の息子。

そしてこの【きみに読む物語】で老いて認知症を患うアリーを演じたのは、

母親の名優ジーナ・ローランズです。

何か映画の歴史においても、

意義深く考えさせられる取り合わせの作品です。

夫婦の絆、恋人との将来、人生の意味なんかについて悩んでいる様な人には、

ちょっと違った視点の考えた方を与えてくれる映画なのでは無いでしょうか?

是非、ハンカチを用意してご鑑賞してみて下さい。