画像引用:© 2018 WH Films Ltd
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【ホイットニー~オールウェイズ・ラブ・ユー~】です。
2011年に48歳という若さで亡くなった
ホイットニー・ヒューストンのドキュメンタリー映画。
史上最高の女性シンガーの名を手にした彼女の輝かしい栄光の日々と、
悲しい晩年に至る人生に関係者達のインタビューで迫ります。
唯一無二の歌声を持つ歌姫の、
余りに鮮烈な人生に言葉を失う衝撃作です。
この映画はこんな人におススメ!!
●ホイットニー・ヒューストンが好きな人
●スター歌手の光と影を目撃したい人
●家族の絆の功罪について考えたい人
●唯一無二の歌声に触れたい人
タイトル | ホイットニー~オールウェイズ・ラブ・ユー~ |
製作国 | アメリカ、イギリス |
公開日 | 2019年1月4日(日本公開) |
上映時間 | 122分 |
監督 | ケヴィン・マクドナルド |
出演 | ホイットニー・ヒューストン、ボビー・ブラウン、シシー・ヒューストン |
人生の光と影を目撃したい時に観る映画
アメリカのポピュラーミュージックの歴史上、
最も成功した女性シンガーと言えるホイットニー・ヒューストン。
80年代後半にはビルボードチャート7曲連続ナンバーワンの記録を打ち出し、
人気実力共に他の追随を許さない存在でした。
私達映画ファンにとっては、
何と言っても1992年公開の【ボディガード】が余りにも有名です。
ケビン・コスナーからの熱烈なオファーを受けてヒロイン役で出演した彼女は、
主題歌の「 I Will Always Love You」の大ヒットもあり、
世界的なスターとしての地位を不動のものにしました。
そんな彼女の生い立ちからキャリアのサクセスストーリー、
そしてドラッグ中毒に苦しんだ晩年とその悲しい死に至るまでの、
人生の光と影に迫った衝撃の作品になっています。
エンターテイメント業界の成功者達が、
様々な理由から実生活で身を崩し、
悲しい結末に至る話は本当に枚挙に暇がありません。
ホイットニー・ヒューストンの煌びやかな人生の裏側にあった苦悩もまた、
想像を絶する様な暗く悲痛なものがあった様です。
富と名声と引き換えに、
人はどうしても細やかな幸せを失わなければならないのでしょうか?
ファンにとっては目を覆いたくなる様な、
余りに悲しい天才シンガーの零落した姿。
彼女が何を求め、何を怖れ、何に押しつぶされてしまったのか。
この映画にはその謎に幾ばくかの答えを与えてくれるような、
真摯に描かれた歌姫の物語が映し取られています。
天賦の才と大いなる野望

画像引用:© 2018 WH Films Ltd
ホイットニー・ヒューストンは芸能一家の出でした。
母親はエルヴィス・プレスリーやアレサ・フランクリンのバックコーラスとして
活躍していた事もあるシシー・ヒューストン。
従姉にはグラミーシンガーのディオンヌ・ワーウィックがいて、
13歳の時プロのシンガーになる事を志すと、
母親からの厳しい英才教育を受けたそうです。
彼女の生涯に於いて最も強い影響を受けたのが母親のシシーでしたが、
家族親族の手厚いサポートを受けながら徐々に歌手として成功していくにつれ、
彼女にとって最も心を砕かなくてはならなかったのもまたこの家族親族達の存在でした。
特にトップシンガーとなった娘のマネージメントを一手に掌握した、
父親のジョン・ヒューストンの傍若無人振りは凄まじく、
ホイットニーにとっては正に愛憎まみれた断ち切れない鎖だったのでは無いでしょうか。
一人の才能に寄って集っておんぶにだっこという図式は、
どこの世界にも古今東西ありますが、
元来内気で心優しかったホイットニーにとっては、
家族の絆が支えでもあったというのがその言動から滲み出てくる様で、
観ているこちらの方が苦しくなってしまう様な苦悩があったのだと感じます。
天賦の才があり、野心に燃えていた彼女にとっては、
成功を共に分かち合える仲間として彼等取り巻きが心強い面もあったのでしょうが、
世間の常識から乖離した内輪だけの世界で、
巨額のお金を生み出すファミリービジネスの車輪が暴走し始め、
気付くと色んな所に歪や軋轢が取り返しの付かない程のヒビ割れを起こしている。
そんな成功者の光と影のパターンにまんまとハマっていってしまう展開に胸が痛みます。
彼女の堂々とした力強い歌声の裏に、
孤独に怯え不安に震える一人の女性の姿があった事に、
私達は改めて驚かされると共に同情せざるを得ません。
エスニック風な海老チリ

今日のおつまみは【スイート海老チリ】です。
これは中華の海老チリよりも少しエスニック風な、
簡単時短レシピによる一皿になっています。
衣を付けて油で揚げた海老と、
素揚げした茄子とピーマンを、
市販のスイートチリソースで炒め合わせただけ。
海老のプリプリの食感と甘辛いソースが絶妙で、
ついついお酒が進んでしまう一品なのです。
歌声は永遠に

画像引用:© 2018 WH Films Ltd
数々の名曲をこの世に遺し、
48歳という若さで旅立ってしまったホイットニー・ヒューストン。
この映画ではこれまで公開されてこなかった、
極めて個人的なプライベートビデオの映像や写真などの資料から、
稀代の歌姫の素顔を浮き彫りにしています。
彼女の生み出す莫大な利益の元に身内同士の諍いがあったり、
家族間の確執、
幼少時代に受けた性的虐待の衝撃の事実、
ドラッグ漬けのDV亭主、
老いと体調不良から失ってしまった嘗ての輝き。
波乱万丈の彼女の生涯はキャリアピークの余りにも眩い輝きと、
晩年の様々な物に心を蝕まれた余りの豹変振りとのギャップ。
あの圧倒的な歌声は永遠に私達の記憶の中に残りますが、
彼女のたった一度の人生には常に暗い影が付き纏ってしまいました。
ショービジネスの世界は私達の世界とはかけ離れたものですから、
そのプレッシャーは想像も付きませんが、
どうしてあれ程迄に悲しい結末になってしまったのか、
特別熱烈なファンという訳でも無いですが本当に胸が苦しくなってしまいます。
こういったドキュメンタリーフィルムの効用は、
まず対象の真実の姿を描く事に大きな意味があります。
虚栄やイメージを払拭したありのままの事実を描写する事。
しかしそこには必ず製作者の意図やメッセージが含まれているものです。
作品はあくまでも作り物ですので、
ホイットニー・ヒューストンという類稀なタレントを描く事によって、
ショービジネス界の功罪、世間の好奇の目、社会の腐食、時代の歪、
生きとし生ける全ての者に普遍的に存在する問題を炙り出す事を、
作為の本懐としているのです。
人生の光と影を目撃したい時に観る映画。
人生には上手くいく時も悪い時も必ずあります。
成功に向け上昇しているその時に、
慢心を諫め地に足を付ける事の重要性を説く様な存在。
失敗を続け下降しているその時に、
自分を責めない様に諭し再び立ち上がれる様に勇気付けてくれる存在。
そんな人がたった一人でも彼女の傍にいてくれたなら、
或いはその結果はまた違っていたのかも知れないと考えずにはおれません。
重圧から解き放たれた彼女のあの笑顔を想像しながら、
素晴らしい歌声に耳を傾けそっと冥福をお祈りしたいと思います。