画像引用:ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【シビル・ウォー アメリカ最後の日】です。
2024年公開の戦争アクション映画。
分断がエスカレートした近未来のアメリカを舞台に、
激しい内戦を取材するジャーナリスト達の葛藤を描いています。
余りにリアルで臨場感のある戦場の描写が恐ろしい反面、
大義やイデオロギーを忘れ殺戮に明け暮れる人間の、
狂暴性を炙り出す衝撃の社会派映画です!
この映画はこんな人におススメ!!
●リアルな戦争映画が観たい人
●戦争報道について考えたい人
●分断が何をもたらすか体感したい人
●自分の使命について考えたい人
タイトル | シビル・ウォー アメリカ最後の日 |
製作国 | アメリカ、イギリス |
公開日 | 2024年10月4日(日本公開) |
上映時間 | 109分 |
監督 | アレックス・ガーランド |
出演 | キルスティン・ダンスト、ケイリー・スピーニー、ヴァグネル・モウア、スティーヴン・ヘンダーソン |
来たる未来を危惧する時に観る映画
2024年のアメリカ大統領選挙の最中に公開され、
その過激な内容から賛否両論の嵐を巻き起こした正に衝撃作。
何せアメリカ合衆国の19の州が政府に反旗を掲げ、
内戦の末に政権転覆間近という舞台設定。
強烈なアメリカン・ファーストを打ち出すドナルド・トランプと、
映画で描かれる極右派の大統領にはどこか重なる部分もあったりして、
これが来たるべき未来を予見した作品であると話題にもなりました。
現実のアメリカの諸問題は取り敢えず置いておく事にしても、
今作の設定には絵空事だと高を括るには少し空恐ろしいリアリティもあったりして、
過剰な「分断」による敵対心は今日の世界情勢を大いに発起させるものがあります。
監督・脚本を担当したアレックス・ガーランドはイギリス出身の脚本家で、
2002年公開のダニー・ボイル監督作品【28日後…】で評価を集め、
2015年公開のSFスリラー【エクス・マキナ】で監督デビューを果たし、
いきなり第88回アカデミー脚本賞のノミネートを受けました。
そもそもスリラー作品に定評のある人物なので、
今作でもスリラー的な要素や演出が散見され、
骨太な社会派映画というよりはややエンタメ寄りの作品だなという印象があります。
作品の公開タイミングも含め非常に話題作りに長けた所もあり、
この手の作品にしては異例のヒットを飛ばしたのも納得の作りになっています。
制作は数々の話題作を世に放つA24。
こういったイデオロギーに関わる映画が賛否別れるのは当然ですが、
右か左か、保守かリベラルかはともかく、
現在の民主主義の根幹が揺らぐ世界情勢に於いては、
来たる未来を危惧する上でも意義ある作品なのではないかと思います。
ジャーナリストの目を通した世界

画像引用:ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.
物語の主人公は戦場の惨劇を伝えるジャーナリスト達です。
戦場カメラマンとして数々の修羅場を潜ってきたリー(キルスティン・ダンスト)と、
戦場カメラマンに憧れる新人のジェシーが偶然出会い、
危険を冒して大統領の独占インタビューを取る為に首都ワシントンまでの長旅を
共にするというストーリーです。
その道中に変わり果てた合衆国の惨劇が描写され、
「分断」と「暴力」が浸透した社会での人間の狂気が描かれていきます。
ジャーナリストの使命は現実を伝える事。
そしてそれによって戦争抑止の礎になる事。
ベテランカメラマンのリーもかつてはその使命に燃え、
理想の為に戦った日々があったのですが、
絶える事の無い惨劇の繰り返しの中で次第に無力感に苛まれてしまいます。
愚かな人類が戦争という手段を捨てる事はない。
自分達は世界を変える事は出来ないという諦観です。
そんな彼女が嘗ての若かりし頃の自分を見るかのようなジェシーとの出会いによって、
戦場のマスターとして弟子に教えを下していくのです。
今作に於ける内戦に至るディティールは敢えて曖昧にされていて、
何が正義で何が悪であるかと言う様なジャッジも示唆されていません。
最早内戦に於ける大義なども合ってない様なもので、
時代の変革にエネルギーの暴発はあれど、
未来へのポジティブな要素を垣間見る事は出来ないのです。
人々の抑圧されたエネルギーは破壊へと注がれ、
建設的なイデオロギーに至る工程は大抵あらかたの悲劇が為された後。
爆弾で焼け野原になった地にしか花木は育たないと言わんが如く、
不毛な歴史は斯くも繰り返され全てを淘汰していく。
今作には目を覆いたくなる様な人間の残虐性を表すシーンが散見出来ますが、
非常時の価値観は平常時には計れないもので、
これが起こり得ない絵空事だと笑い飛ばす事こそ暴論なのでは無いでしょうか。
新米カメラマンのジェシーが目の当たりする現実の惨劇。
これは実際に戦時下のウクライナやパレスチナでは日常であり、
人の命の重さが等しく無いという事は現実なのです。
映画の中盤のシーンで狙撃兵が言う台詞が実に象徴的でした。
彼は敵が何者であるかを知らず、
自分達を殺そうとするから殺すんだと言います。
暴力とは終わりの無い恐怖の因果応報。
私達はこの事をよくよく考えなければならないのでは無いでしょうか。
背徳の〆麺

今日のおつまみは【TKM】です。
これは某埼北タウンの人気店のメニューを再現した袋麺でございます。
我々は年甲斐も無く晩酌の後にしばしば〆麺を食らうのですが、
今日はスーパーでお値引きしていた【TKM】たまごかけめんを試してみました。
これがまた中々味わい深い一品で、
シンプルながら満足感のある味。
いつか店舗に行って本物も食してみたいと感じました。
きっと新たな麺体験が出来るのではと期待しています。
未来に繋げるもの

画像引用:ⓒ2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.
戦争によって傷付けられた国家は復興こそすれ元には戻りません。
戦争によって傷付けられた人々も何かを決定的に失います。
私達が未来に繋げるものとは一体何なのでしょうか?
今現在という時間軸にあがなう事の出来ない様な負の力が注がれているのならば、
それをしっかりと「見る事」「知る事」「考える事」が最低限必要だと思います。
一人のジャーナリストの力は微々たるものかも知れません。
しかし彼・彼女が写した一枚のフィルムが百人・千人の人間を動かすかも知れません。
利権とは究極自分だけ助かる権利とも言えます。
それが国家単位になるとナショナリズムと呼ばれたり果てにはナチズムになったりします。
自分達だけという考え方は自分達をも滅ぼしかねない、
分けて考えるという事はその時点で対立を生む。
考え出すと答えが無くて難し過ぎる問題なのですが、
この映画で唯一救いと思えるのは、
リーが身を挺してジェシーを救う事で世界が救われる事では無く、
それによってリー自身が救われたのだと思える事にあるのでは無いでしょうか。
彼女は戦場カメラマンとして幾多の惨劇を目にして完全に精神をすり減らしています。
あっちが勝とうがこっちが負けようが、
正義も悪もそこには無いという事を痛い程感じるのです。
そんな彼女が若いジェシーに託したものは一体何だったのか。
ジャーナリストとして戦場のリアルを世界に伝える事も重要ですが、
命を掛けて次の世代を守ったという事それ自体が、
最早カメラを構えぬ戦場カメラマンの出した答えだったのです。
それで世界を変える事は出来ないでしょうが、
ナショナリズムよりも強固な意志を形に残した。
それがアメリカ最後の日の微かな希望だったのでは無いでしょうか。
来たる未来を危惧する時に観る映画。
戦後80年の節目の年。
太平洋戦争という惨劇を私達は語り継がなければなりません。
数々の反戦映画でも、
或いは今作の様なエンターテイメント作品からも、
私達は改めて反戦の心を強くしなければならないと思います。
あらゆる立場からあらゆる考えがある事はよく分かります。
しかしその最終手段が「戦争」であっては決してならないのです。
そのことを恐怖や違和感からでもいいので考えて欲しいと思うのです。