アニメーション映画

映画【王立宇宙軍 オネアミスの翼】おつまみ【豚肉の生姜焼き】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【王立宇宙軍 オネアミスの翼】です。

30年以上前、日本の若きアニメーター達が生み出した

傑作SFアニメーションです。

この映画はこんな人におススメ!!

●日本のアニメーションの歴史を体感したい人

●最近のアニメーションにちょっと飽きている人

●SFやメカが好きな人

●冒険心を取り戻したい人

タイトル王立宇宙軍 オネアミスの翼
製作国日本
公開日1987年3月14日
上映時間119分
監督山賀博之
出演森本レオ、弥生みつき、曽我部和恭

夢中になれるものを探している時に観る映画

今回の作品はアニメファンの間ではとても有名な作品らしいです。

らしいと言うのは私はアニメに詳しく無いので、この作品も知りませんでした。

という事で最初から言い訳の様ですが、あくまでアニメ素人の考察である事を

ご了承頂いて、先を是非読み進めていただければと思います。

(何をビビッているのか、良く分からないのですが)

この映画、本当に驚きました。35年前の作品という事です。

それこそCG技術もまだまだ未熟な時代に、こんな凄い映像を作り出していたとは。

人の手作業による途方も無い労力の結晶が、圧倒的なクオリティーに結実しています。

一枚一枚の絵に、魂が込められているというか、本当に手が抜かれていないんです。

それはもうガッチガッチに書き込まれています。キャラクターの動きも本当に細かい。

ワンシーンずつ、何度もリピートして観たい様な美しい作画の連続です。

当時20代のスタッフが中心になって製作されたという事らしいですが、

何か時代を変えてやるぞという様な気迫が、画面にみなぎっています。

心血注がれたクリエイター達の本気度が、観る者を夢中にさせる原動力になっています。

元祖・世界系

物語は一応SF作品の体を成しています。

架空の国を設定し、街や衣装に独自の世界観が設定されていて、

通貨や言語にもオリジナリティがあります。

作品の隅々にまで細かい設定がありつつも、その説明を過度に描写する事無く、

自然な展開の中で観客に馴染ませる脚本が良く出来ています。

一応SFと言ったのは、本質的にこの作品で描かれているものは恋愛や青春で、

SF要素はあくまで物語の下地の様な扱いに留まっています。

むしろ日常の機微や、登場人物の感情の流れに多くを割いた

ヒューマンドラマになっています。

そういった意味でも、所謂子供向けのアニメーションとは一線を画します。

主人公の青年は王立宇宙軍という組織に属しています。

しかし大志を抱いている訳では無く、何となく無為な日々を過ごしています。

その彼が気まぐれの様に宇宙飛行士に立候補した事で、

あたかも世界の中心になったかの様な展開を見せていく事になります。

この作品の変わった所はこの主人公のキャラクター設定にもあります。

何とも頼りない、何を考えているのかよく分からないような人物なのです。

気まぐれで、決して正義感とか使命感で事を成す様なタイプでは無いのです。

こういった所にも既存のアニメーションに対するアンチテーゼに似た、

若い作り手達の気概やこだわりを感じたりします。

後に「新世紀エヴァンゲリオン」を生み出す彼らだからでもありませんが、

これが所謂「世界系」の奔りだったのかも知れないですね。

当時の観客には実に新鮮な物語だったのではないでしょうか。

王道の極み

今日は【豚肉の生姜焼き】です。

お馴染みの王道メニューです。

いつ何時でもテンションの上がる、間違えの無い奴ですよね。

毎日毎日おつまみのメニューを考える妻は大変だろうと思います。

ご飯のおかずとはまたちょっと違いますからね。

お酒に合う料理で、かつ栄養も不足しない献立。

シンプルで飽きの来ないもの。

一皿で全てが完結する「世界系」のおつまみ。

最近は「下町のナポレオン」を炭酸で割って飲んだりしています。

おじさんまっしぐらですが、食欲は衰えません。

意味を必要としない夢

画像引用:IMDb

将来を賭して捧げるべき、一生の仕事を成したいという「夢」。

世の為・人の為、この映画の主人公の様に宇宙を目指す様な壮大な「夢」は、

一生の仕事として、大きな意味を感じるかも知れません。

しかしそもそも「夢」なんて身勝手なもので構わないはずです。

意味なんて無くても良いものです。

その人がただ夢中になっていれば、その「夢」には存在価値があります。

宇宙に行くから意味があるのでは無く、行きたいという気持ちがただあるから、

その「夢」には意味が生まれるのです。

若いアニメーター達がこの映画に託した「夢」も、

純粋に、身勝手に作りたいという意思が爆発しているからこそ、

混沌としながらも美しく、観客にとって意味のある作品になっているのだと思います。

クリエイターにとって大切なのは、意味や同義付けと無縁の、

作りたいというあがない様の無い欲求に他ならないのかも知れません。

この映画には35年前の青年達の「夢」が119分間にビッシリと詰まっています。

その情熱が日本のアニメーションを世界最高峰に押し上げたのは誰もが知る所です。

意味を必要としない夢の力は、何よりも意味深いものでした。