ヒューマンドラマ映画

映画【カッコーの巣の上で】おつまみ【チヂミ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【カッコーの巣の上で】です。

人間の自由と尊厳を描いた、

アメリカン・ニュー・シネマの代表的な作品です。

この映画はこんな人におススメ!!

●管理社会にうんざりな人

●差別や偏見にうんざりな人

●自由とは何かを知りたい人

●何かを変える強い人間になりたい人

タイトルカッコーの巣の上で
製作国アメリカ
公開日1976年4月3日(日本公開)
上映時間133分
監督ミロシュ・フォアマン
出演ジャク・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー、
ウィル・サンプソン、ブラッド・ドゥーリフ、ダニー・デヴィート

本当に強い人間になりたいと思った時に観る映画

今回はガツンと響く、一度観たら中々忘れられない強烈な一作をおススメ致します。

60年代後半から70年代に掛けて一世風靡したアメリカン・ニュー・シネマですが、

それらの作品群で最重要人物と言えば、今作主演のジャック・ニコルソンだと思います。

【イージー・ライダー】【ファイブ・イージー・ピーセス】【さらば冬のかもめ】など、

アメリカン・ニュー・シネマにおける反戦・反体制の象徴の様な人物です。

当時のアメリカの若者達は、ベトナム戦争による政府への嫌悪と不信が強く、

自由ではみ出たキャラクターを多く好演していたジャック・ニコルソンに対して、

強い憧れと共感を持っていたのだと思います。

確かに当時のジャック・ニコルソンには一種のカリスマ性を感じます。

社会規範から逸脱したアウトローで、非常にタフで、粗野ではあるけれど非常にナイーブ。

人間らしい真っすぐな所が魅力的な、そんなキャラクターが実にハマっていました。

何にも縛られたくない。強くありたい。自分の信念で生きたい。

抑圧された時代だからこそ、反骨的な映画と俳優が強く求められたのだと思います。

カッコーの巣の上のユートピア

映画の舞台は精神病棟です。

主人公のマクマーフィーは刑務所での強制労働から逃れる為に、

精神疾患を装ってやってきます。

そこは白一色の壁に囲まれ、社会から隔離され、抑圧とルールに縛られた世界でした。

様々な症状に苛まれた患者達。彼らが共同生活をするその病棟では混沌が常態化し、

それが不思議な均衡を保ち、管理される事に慣れ切ったディストピアの様。

当時のアメリカ社会の分断と混乱の縮図でもあると言えます。

そこへ注ぎ込まれたマクマーフィーという一粒の水滴が、

やがて病棟全体に大きな波紋を広げていきます。

マクマーフィーが求めたものは、人間として当たり前の【楽しみ】や【権利】でした。

冗談を飛ばし、ゲームや賭け事に興じ、生活に【楽しみ】を取り入れる事。

あってしかるべき【権利】を断固求める事。そこに異常までの信念を燃やし折れない事。

マクマーフィーの型破りな行動は、やがて他の患者達の心も変えていきます。

彼等の暗く塞いだ表情が生き生きとしていく様は、まるで奇跡の様です。

社会から逸脱したアウトローのマクマーフィーが、アメリカ社会を彷彿とさせる

ディストピアをユートピアに変えていく過程は、映画史上最上の名シーンと言えます。

そこに人間の尊厳・生きる事の意義を重ねて論じたとしても、

決して言い過ぎでは無いと思います。

小麦の奴隷

今日のおつまみは【チヂミ】です。

私はお好み焼きやらチヂミやらの小麦粉系が好物です。

しかしグルテンには多量の糖質が含まれており大敵です。

そんなワガママボディのおじさんに、レンコンとニラで嵩増ししたメニューを

作っていただきました。ありがたい。

体の事を気遣うのはとても大切ですが、

食べたいと思う気持ちを抑制し続けるのも、精神衛生上良くない。

楽しく、豊かに過ごす工夫とアイディアは日常生活に必要不可欠です。

要はバランスが大事なんですよね。

ユートピアにもディストピアにも振り切らない、

中庸の世界こそ、バランスの取れた暮らしなんだと思います。

世界を変える反逆者たち

画像引用:IMDb

映画の結末は終わりではありません。

幕は閉じられても、その先にこそ開かれた道が続いています。

バッドエンドや悲劇は敗北ではなく、未来に紡がれたタスキなんだと思います。

監督のミロシュ・フォアマンが今作に込めた想い。

両親を大戦中にナチスの強制収容所で亡くした監督の、

当時のアメリカ社会に投げ掛けたメッセージは強烈です。

きな臭い時代に暗く沈んでいた若者達は、映画のアンチヒーローに

自由な人間の力強さと美しさを感じました。

理不尽な抑圧に抵抗する勇気と意義を学びました。

人間らしく喜び、怒り、他者を尊ぶ心を知りました。

このジャック・ニコルソンの姿はフィルムの中で永遠の反骨精神として生き続けます。

きっと一度観たら忘れられない作品になるはずです。

主人公のマクマーフィーはいつの時代にも待望されるヒーローですから。