アクション映画

映画【用心棒】おつまみ【ハラミステーキ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【用心棒】です。

世界の黒澤明監督の代表作。

理屈抜きで楽しめる、娯楽時代劇の決定版です。

この映画はこんな人におススメ!!

●時代劇が好きな人

●難しい事抜きにチャンバラが観たい人

●男臭い映画を求めている人

●日本映画の歴史を知りたい人

タイトル用心棒
製作国日本
公開日1961年4月25日
上映時間110分
監督黒澤明
出演三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴、
司葉子、東野英治郎、志村喬
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世界に日本の映画を自慢したいと思った時に観る映画

今回は言わずと知れた日本時代劇の金字塔をおススメします。

20年程前、実は映画監督を夢見て自主制作映画を作ったりしていました。

映画がとにかく好きで毎日観てたんです。(今でもそれは変わらないのですが)

そんな若かりし頃に最も影響を受けたのが黒澤明監督でした。

スケールの大きな、何かとてつもないエネルギーを感じて夢中になっていました。

全30作の黒澤作品の中でも、不動のベスト3に入る映画がこの【用心棒】です。

(ちなみに他2本は【七人の侍】と【生きる】です。順番はその時で入れ替わりますが)

分かりやすい脚本。大胆な構図。迫力の殺陣。魅力的なキャラクター。

テンポが良くて、長尺に関わらずあっと言う間に終わってしまうんです。

本当にエンターテイメントの教科書の様な作品です。

かつての映画青年ころっぷが、今の世に改めて黒澤映画の魅力を訴えたいと思います。

黒澤映画は人間臭さで出来ている

黒澤映画に通底するのは人間臭いドラマです。

灰汁の強い登場人物達が、それこそひとつの鍋の中でごった煮にされている様な感じです。

個性と個性がぶつかり合って、尖った後味が強烈に舌に残るんです。

三船敏郎演じる主人公は素性の不確かな風来坊の侍。

太々しいまでに落ち着き払った雰囲気で、ヤクザ同士の抗争で荒れた村に興味を持ちます。

行き当たりばったりの旅の途中の、ちょっとした退屈しのぎという体です。

この主人公のキャラクターが実に面白い。腕も立つが頭も切れる。

でも正義の味方という柄でも無い、飄々としていて掴み所の無い人物なんです。

こういったキャラクターを演じさせると、まず右に出る者はいないという程に

三船敏郎はハマっています。底知れない深みを表現出来る役者なんですよね。

対する仲代達矢のエキセントリックなキャラクターも印象的です。

今で言うとサイコキラーなんでしょうが、薄気味悪さと何を仕出かすか分からない

危うい雰囲気が、物語に緊迫感を与えます。

一流の演出家に一流の役者が集まり、よく練られた脚本が揃えば結果は言うに及びません。

日本映画が世界に誇る傑作の誕生は、人間臭いドラマを徹底した所に勝因がありました。

肉を切らせて骨を断つ

今日のおつまみはスタミナ満点【ハラミステーキ】です。

これはもう赤ワインしか無いですよね。

何だかんだ言っても、我々夫婦はまだまだ肉食です。

映画は血で血を洗うヤクザの抗争を描いたチャンバラ劇。

腐敗しきった村を浄化させる為には、肉を切らせて骨を断つ位の荒療治が必要です。

現代の複雑な社会では、肉も骨もぶった切られてしまいそうですが、

胸を空く様な映画のカタルシスには、単純明快な図式が丁度良いのかも知れません。

肉もシンプルに焼くのが一番ですよね。

面白いは正義

画像引用:IMDb

黒澤映画の魅力を語り出したらちょっとこの記事では紙面が足りないのですが、

世界を驚かせ、また無数のフォロワーを生み出す源は、

単純に「面白い」を正義とした所なのかなと思ったりします。

とかく映画をアートとして語るとややこしくなるのですが、

すべては観客の満足度が物を言う商品開発なので、

映画はやっぱり「面白い」が正義なのです。

当然「面白い」の評価には個人差がありますが、

時には自己表現以上に、受け取る側の立場になる器量が必要なのかなと思います。

勿論、大衆迎合という意味では無く、プロフェッショナルとしての完璧主義が

そこにあるのかなと思ったりします。

この【用心棒】という作品は60年以上前の作品です。

それが今観ても古びれず、新鮮で、新たな観客を楽しませ続けているという事は驚きです。

徹底的に観る人の気持ちになって、脚本を書き演出する。

音楽も、衣装も、セットも小道具も観客の作品への没入の為に設計する。

当たり前の事かも知れませんが、黒澤映画のその熱量は異常な程であると思います。

この何にも代え難い感動を是非、若い世代にも味わって欲しい。

いつの間にか映画青年から映画おじさんになったころっぷの、

ささやかな希望です。