SF映画

映画【インセプション】おつまみ【牡蠣フライ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【インセプション】です。

天才クリストファー・ノーラン監督の評価を決定付けた傑作SF作品。

驚愕の映像体験は唯一無二。

「夢」の中の世界と、人間の存在の不確かさをテーマにした、

何度観ても理解が追い付かない超難解な映画です。

この映画はこんな人におススメ!!

●人の夢を覗いてみたい人

●難解な映画に挑戦したい人

●見た事の無い映像に驚きたい人

●何度でも観られる映画を探している人

タイトルインセプション
製作国アメリカ、イギリス
公開日2010年7月13日(日本公開)
上映時間148分
監督クリストファー・ノーラン
出演レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、エリオット・ペイジ、
ジョセフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール、
トム・ハーディ、キリアン・マーフィー、マイケル・ケイン

来るべき未来を生き抜くための映画

今回の映画は言わずと知れた超難解映画です。

現代最高の天才監督クリストファー・ノーランの最高傑作。

複雑なプロットは何度観ても理解するのが困難。

張り巡らされた伏線や隠喩的表現、交錯する時間軸に混乱をきたし、

様々な考察を促す奥深さと普遍的なテーマを併せ持ちます。

正にエンターテインメントの最高峰と呼ばずには居られない作品です。

この作品が何故これ程まで多くの人を惹き付けて、且つ頭を悩ませるのかを考えると、

理解する事と同時にその人なりの価値観で意味を作り上げていく映画だからだと思います。

通常、与えられた情報を受け取って理解しさえすれば、

それで殆どの映画は評価出来るものですが、

この作品は観る者の想像力を駆使して、

その人なりの物語を作り上げる事でしか完成しない作品なのです。

そこにクリストファー・ノーラン監督の壮大な挑戦と、

芸術的野心を感じる事が出来ます。

かつてない映画体験は表面的な映像のインパクトだけに留まりません。

観る者一人一人の感性に直にアクセスし、当事者として体験させてしまう力を持った、

究極の参加型映画と言えるのかも知れません。

境界線を失ったリアルとフィクション

この作品は他人の「夢」に侵入して情報を盗んだり、

逆に植え付けたりする事を生業とする人物達の物語です。

それはこの映画の観客である私達にとっても、

映画が与える情報をどのように受け取って現実と向き合っていくかという、

劇場を出た一歩先にある問題にコミットしたテーマであると言えます。

現実の世界と虚構の世界の境目がどんどん曖昧になっていく現代社会にとって、

自分が確かに自分自身であって、リアルを生きているという事の証明が、

非常に困難で複雑なプロセスを必要としているという事でもあります。

メタバースが進化して仮想世界と現実世界の二重生活が当たり前になるであろう

近未来においては、決して絵空事ではありません。

今目の前にある世界が「夢」なのか「現」なのか。

「仮想空間」なのか「現実世界」なのか。

そんな時代を生きていく為に必要な物とは何なのかという映画なのです。

映画では「トーテム」と呼ばれるその人にしか分からない微妙な感触を持った物体で、

「夢」なのか「現実」なのかを判断するという設定が出てきます。

主人公のレオナルド・ディカプリオ演じるコブが使用するのは金属の小さなコマです。

「夢」であればコマは永遠に回り続け、

「現実」であれば自然の法則通りにいずれ遠心力を失い倒れてしまう。

この「トーテム」という単純な装置こそ、

我々が自分自身である事を判断するアイデンティティの象徴であると言えます。

それは如何にも些細で、心許ない物ですが、

同時に実にハッキリと、確実に境目を示す事象でもあります。

私達が自分らしく生きていく為に必要な物も、

ささやかでありながら、

「トーテム」の様にその人にしか分からない物体なのかも知れません。

冬の定番メニュー

今日のおつまみは【牡蠣フライ】です。

この季節、妙に食べたくなる一品です。

サクッとした衣の下には牡蠣の芳醇な磯の香り。

ソースとマヨネーズを絡めて、

熱々の揚げたてをビールで流し込む。

夢にまで出て来そうな間違いの無い一品ですね。

夢から覚めて

画像引用:IMDb

皆さんは夢の中で夢を見た事がありますでしょうか?

これは考えてみるとパラドックスの深淵を覗く様で、

ちょっとゾッとしてしまいますね。

夢の世界に堕ちて行ってしまうと、

現実の世界に帰ってくる意思が潰えてしまうかも知れません。

夢から覚めたと思った場所が、まだ夢の中だったら。

仮想現実やフィクションの世界にどっぷりと浸かった、

現代社会の我々に対するクリストファー・ノーラン監督の警句とも取れる様な、

現実を如何に生きるべきかという命題を突き付けられているかの様です。

耐えられない悲しみや、理不尽な運命を前にして、

現実逃避して夢や仮想の世界に逃げ込んでしまいたくなる気持ちは理解出来ます。

しかし逃げ続ける事は不可能で、向き合わなければならない生活が目の前にある。

どこを向いて生きるべきなのかいう事を、この映画の主人公は体現している様です。

これが「夢」なのか「現実」なのかという事よりも、

もっと大事な物の方を向いて生きていく事。

そんな普遍的なテーマを感じさせるラストになっていると思います。

来るべき未来を生き抜くための映画。

技術や科学が発達し、夢の世界が現実になろうとも、

限られた生命にこそ宿る力強さというものがある。

夢から覚めたあの虚脱感から、

ぼんやりとした意識を引き摺って踏み出すその一歩こそ、

「現実」を動かす事が可能なのだという事を教えられた作品です。