サスペンス映画

映画【ジョーカー】おつまみ【もつ煮込み】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【ジョーカー】です。

ホアキン・フェニックスがあの有名なキャラクターを

演じてオスカーに輝いた作品。

狂気のピエロが如何に誕生したのか。

DCコミック原作の範疇を飛び抜けた、

衝撃の作品です。

この映画はこんな人におススメ!!

●社会に物申したい人

●善悪の基準に疑問を感じる人

●自分の気持ちを押し殺してしまう人

●泣きながら笑う人

タイトルジョーカー
製作国アメリカ
公開日2019年10月4日
上映時間122分
監督トッド・フィリップス
出演ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、
サジー・ビーツ、フランセス・コンロイ
ジョーカー(Blu−ray Disc)

感情をコントロール出来なくなった時に観る映画

今回の作品は衝撃的です。

観客に強烈な問題提起をしておいて、

突然置き去りにしていく挑発的な映画です。

否が応でも自分自身の倫理観と向き合わされ、

どう受け止めて良いのか悶絶する様な体験を強いられます。

DCコミックのバットマンシリーズで、

一番有名なヴィラン(悪役)であるジョーカー。

そのジョーカーが如何にして誕生したのかという物語です。

舞台は架空の都市「ゴッサムシティ」ですが、

明らかにニューヨークがモデルでしょう。

貧富の差が大きな分断を形成している、

治安の乱れた大都市です。

所謂ヒーローアクション映画とは毛色の異なる作品で、

基本的にはリアリティが維持された世界観で物語は描かれていきます。

主人公のアーサーはコメディアンを夢見る青年で、

認知症を患う母親の介護をしながら、ピエロの仕事をしています。

アーサーは緊張状態になると笑いが止まらないという持病を抱えています。

悲しくても、苦しくても、怒りを覚えていても笑ってしまうのです。

この感情のコントロールが効かないという設定が、

ジョーカーというキャラクターに対しての新しい語り口になっています。

感情を押し殺して生きる事。

自分の感情に嘘を付いてしまう事は誰しも経験のある事だと思います。

些細な愛想笑いが、ジョーカーの様に顔面から離れなくなってしまうとすれば。

これは笑い事では済まない様な、恐怖を覚える物語でもあるのです。

泣きながら笑う人

映画の主人公アーサーは生活の為にピエロの仕事をしています。

街の広告塔になったり、病院を慰問する様な仕事です。

ピエロは基本的に差別的な笑いの対象でした。

失敗や滑稽な行動を人々から嘲弄される存在です。

馬鹿にされて本当は心では泣いているのに、

人々に取り入る為に表向きは笑っています。

そんな泣きながら笑う人を表現しているのが、あのピエロのメイクなのです。

アーサーはどんな感情下にあっても、持病により笑ってしまいます。

生まれながらにして嘲弄の的、ピエロそのものなのです。

感情をうまく表現出来ない戸惑いが、

彼の性格をどんどん難しくしていってしまいます。

不寛容で排他的な都会の人々は、容赦の無い批難を向けてきます。

そこに貧困や、社会的な承認欲求が満たされないフラストレーションが相まり、

アーサーは一線を越えてしまうのです。

激しい怒りに身を晒す恐怖が喉元を過ぎると、

アーサーは言い知れない恍惚感を覚えます。

やがて彼の人生に対する個人的復讐が、

弱者が強者を挫く象徴として、神格化されていきます。

心優しい不幸な青年が、嘲弄と暴力によって悪魔になってしまったのです。

名店の味

今日のおつまみは【もつ煮込み】です。

寒い季節にピッタリのメニューですね。

今回は群馬の名店「永井食堂」のもつ煮込みに、

厚揚げと絹豆腐をダブルでトッピングした一皿です。

甘じょっぱい汁を吸った豆腐がまた絶品。

内側から温まれるおつまみです。

食欲のコントロールは中々に難しいですが、

食べる喜びをしっかりと表現していきたいと思います。

ジョーカーとは何者か?

画像引用:IMDb

この作品で見事にアカデミー主演男優賞を獲得したホアキン・フェニックスですが、

この役を演じる為に20kg以上体重を落としたそうです。

壮絶な役作りの末に、ジョーカーが乗り移った様な演技でした。

この作品はホアキンの身体的なポテンシャルに寄る部分も大きかったと言えます。

主人公アーサーがジョーカーになっていく過程でのダンスシーンは、

特に豪快な印象を残します。

この映画は善悪の根幹を描いています。

正義無き社会にとって、

相反する所の悪も実はその定義が曖昧なのです。

法律というルールと、その時代の倫理感で善悪を決めるのならば、

それは一過性の雰囲気に過ぎないという事にもなり兼ねません。

片方から見れば戦争の英雄も、もう片方から見れば虐殺者でしょう。

如何に社会通念が脆く、我々の価値観が頼りないかと思い知らされます。

60年代~70年代に起こったアメリカンニューシネマにおける

かつてのアンチヒーロー達の様に、

今作のジョーカーは社会が作り、社会を写し出した人物であると言えます。

ジョーカーはあなたでもあり、私でもあるのです。

感情をコントロール出来なくなった時に観る映画。

余りに悲しい主人公ですが、

アーサーの様な境遇の人は現実に沢山います。

感情表現の多様性と自由を認め、

寛容を持って接し合う社会を作っていきたいものですね。

様々な思索を促す、骨太の映画です。

覚悟を持って鑑賞する事をおススメします。