画像引用:(C)「街の上で」フィルムパートナーズ
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【街の上で】です。
この映画は東京下北沢を舞台に何気ない日常を
丹念に綴った青春ストーリーです。
この映画はこんな人におススメ!
●彼氏・彼女にフラれた理由が分からない人
●映画や音楽が好きな人
●地方から上京したことがある人
●下北沢が好きな人
タイトル | 街の上で |
製作国 | 日本 |
公開日 | 2021年4月9日 |
上映時間 | 130分 |
監督 | 今泉力哉 |
出演 | 若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、萩原みのり、 中田青渚、成田凌(友情出演) |
昔住んでた街が懐かしくなった時に観る映画
この映画はかなりリアルな質感というか、間とか空気とかが臨場感の塊です。
もう気が付くと同じ部屋にいるっていう感覚になる。
この辺りが今泉監督の真骨頂だと思うのですが、
余りにも自然な空気感なので映画という事を良い意味で忘れさせてくれるんですよね。
主人公の青年は無口で不器用な目立たないタイプなんだけども、
これがまたいかにも下北っぽい人種。
何を隠そう、我々夫婦も20代の若かりし頃、下北沢に住んでいました。
映画の専門学校に通っていて出会ったのですが、学校を卒業後、
何を血迷ったかこの下北沢で同棲を始めてしまったのです。
あの頃の貧乏
映画「街の上で」は変わりゆく下北沢の風景の「今」を丹念に切り取っています。
言うまでもなく「今」は常に過去に押し流されますが、我々夫婦にとっての下北沢も
遥か彼方の「過去」です。
しかしその「過去」を匂い立つ程に鮮明に思い起こさせてくれたのが、この映画でした。
若く、貧乏だった二人の思い出の味「肉野菜炒め」をつまみに、
ウィスキーハイボールをグビグビとやると、あの頃の根拠の無い無敵感が蘇ります。
今とは確実に時間の過ぎ方が違っていた。無限の可能性が待っている様な気がしていた。
何だったんでしょうかね?そういうのって後から考えると不思議なもんですね。
当時アルバイトの安月給で家賃のバカ高い下北沢に住んでいたので、
貧乏飯が当たり前でした。
「肉野菜炒め」というには肉どこ?みたいなヘルシーなおかずで
空腹を満たしていたもんです。
変わった事と変わらない事
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2022/04/7966bae78213db11914ad7af893f8431.jpg)
今日の酒の肴は「肉野菜炒め」。
20数年前の下北沢のワンルームの食卓に並んでいた「肉野菜炒め」よりは
肉が多い様です。食べる量は少なく済む様になった。
あの頃と同じ相手と同じようにお酒を飲みながら、
かつて住んでいた街を眺めながら他愛の無い話に花が咲きます。
「あれ、あそこの店の前じゃない?」「この辺はかなり変わっちゃったねー」
「いたいた、こんな奴、ウロウロしてたよね」「あいつ元気かねー?」
映画は大衆文化であると同時に宿命的に個人に刺さるものだと思ってます。
下北沢という街に住んだ事がある我々だから刺さる部分ってあると思うんです。
そういう個人的な琴線に触れる映画との出会いって貴重だったりします。
この街の上で
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2022/05/20210513-machinouede-01-1024x683.jpeg)
画像引用:(C)「街の上で」フィルムパートナーズ
この映画を観てつくづく感じたのが、いい映画って終わらないなぁという事です。
上映時間が長くって中々終わらないっていう意味じゃないです。
ラストカットで暗転して、エンドロールが流れても、
ずっと頭に残っている映画という事です。
スクリーンなり画面なりに色んな感情がへばり付いたまま、
中々離してくれないんですよね。
それって良い映画だったという事なんじゃないかなと思ってます。
沢山映画を観ていても、そういう事って稀にしかありません。
残念ながら。
この「街の上で」という作品はあくまでも個人的に
「肉野菜炒め」の味と共に忘れられないものになりました。