画像引用:(C) 1998 Miramax Film corp. and Universal Studios. All Rights Reserved.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【恋におちたシェイクスピア】です。
1998年公開の歴史恋愛ドラマ。
第71回アカデミー賞に於いて、
作品賞・脚本賞・主演女優賞など7部門に輝いた作品です。
16世紀のロンドンを舞台に、
劇作家ウィリアム・シェイクスピアと身分違いの上流階級令嬢との恋愛を中心に、
史実と虚実を絶妙に織り交ぜた見事な脚本で、
演劇の世界で生きる人々の生活をイキイキと描き出しています。
この映画はこんな人におススメ!!
●シェイクスピアの作品が好きな人
●身分違いの恋愛ドラマに目が無い人
●16世紀のロンドンの雰囲気を味わいたい人
●現実離れした世界観を体感したい人
タイトル | 恋におちたシェイクスピア |
製作国 | アメリカ、イギリス |
公開日 | 1999年5月1日(日本公開) |
上映時間 | 137分 |
監督 | ジョン・マッデン |
出演 | グウィネス・パルトロー、 ジョセフ・ファインズ、ジュディ・デンチ、 ジェフリー・ラッシュ、ベン・アフレック、 コリン・ファース |
恋におちた時に観る映画
今作は正に映画の魔法に身も心も委ねる事の出来るドリーミンな作品です。
16世紀のロンドンの生活感がイキイキと描写され、
そこで巻き起こる主人公達を中心としたドラマ展開はまるで少女漫画の世界の様。
恋の高揚と夢に生きる情熱とが、
流れる様な展開の中で色鮮やかに描かれています。
監督は長くテレビドラマで手腕を発揮していたジョン・マッデン。
軽妙洒脱な脚本を手掛けたのはマーク・ノーマンと劇作家のトム・ストッパード。
主演のグウィネス・パルトローは当時26歳という若さで、
見事にアカデミー主演女優賞を受賞しました。
「ロミオとジュリエット」の物語を下敷きに、
16世紀のイギリスの社会風刺を取り入れたストーリーは、
イギリス映画特有の格式とユーモアで実に煌びやかに彩られていて、
観る者を夢心地にしてくれます。
絢爛豪華な衣装や大規模なセット撮影、
流麗なカメラワークなど映画としての完成度も非常に高く、
万人受けする映画である事は間違いありません。
身分違いの恋

画像引用:(C) 1998 Miramax Film corp. and Universal Studios. All Rights Reserved.
恋愛映画の定石に身分違いの恋という物がありますが、
その最たる例が言わずもがなシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」でしょう。
敵対する家柄に生まれたロミオとジュリエットが恋に落ち、
互いに愛を誓うも残酷な運命の元に非業の死を遂げてしまうという悲劇。
今回の映画【恋におちたシェイクスピア】では、
貧しい劇作家のシェイクスピア自身と資産家の令嬢であるヴァイオラとの、
身分違いの恋が描かれています。
貴族との政略的な結婚が決まっているヴァイオラは、
それでも詩や演劇への情熱を抑える事が出来ず、
天才的な劇作家であるシェイクスピアに惹かれていきます。
一方のシェイクスピアもスランプであった創作意欲を刺激し、
自由奔放に生きるヴァイオラに魅了されていきます。
この身分違いの恋がエリザベス女王まで巻き込んでの大騒動になっていく展開は、
荒唐無稽なコメディとしても秀逸で観ていて飽きさせない見事な脚本です。
当時の演劇舞台には日本の歌舞伎の様な女人禁制が敷かれていて、
ヴァイオラは男装して舞台に立つのですが、
その辺りのジェンダーをテーマにに置いた所も当時としては新しかったと思います。
自分の置かれた状況を懸命に打破し、
命懸けで恋に身を委ねる二人の姿は、
格調高きシェイクスピア演劇というイメージとはまた違った、
感情移入のし易い現代的な物語に仕上がっていると思います。
身分違いのおつまみ

今日のおつまみは【納豆揚げ春巻き】です。
本来は挽肉と野菜の中華餡が包まれる所、
日本が誇る腐った豆、納豆様が身分違いのランデブーを果たしています。
カリッとした皮の中から香ばしい納豆臭。
これは堪りません。
意外な組み合わせがハマった時は名物料理の誕生ですね。
リピート確実の定番メニューになりそうです。
時を越えた普遍性

画像引用:(C) 1998 Miramax Film corp. and Universal Studios. All Rights Reserved.
この映画のテーマは主人公のヴァイオラが如何に自分らしく生きるかという事です。
資産家の令嬢として親が決めた結婚が決まり、
飾り物として自分の未来が見えてしまった時、
彼女は本当の自分を表現する為に偽りの虚構の世界に飛び込むのです。
逆説的な言い方ですが映画という作り物の世界が、
現実の世界を写し取る鏡になる事もまた然り。
役を演じる中で最大限にその人自身であろうとするのが、
本来の役者なのかも知れません。
ヴァイオラは現実の自分の行く末を受け止めながら、
もう一つの真実の愛にも全身全霊で突き進みます。
その溢れる様なエネルギーが彼女を輝かせ、
同時にこの映画を特別な物にしています。
この作品で見事にオスカーを手にしたグウィネス・パルトロー。
確かにこの時の彼女の輝きは本物でした。
その後キャリアの低迷の末に怪しげな健康商法を提唱し、
莫大な富を手にした彼女に対する意見も様々でしょうが、
この映画が観る者を魅了し続ける事は間違い無いでしょう。
恋におちた時に観る映画。
映画とは当たり前ですが作る側にとっても見る側にとっても、
特別な体験をもたらしてくれる魔法の様な一面があります。
それで人生が変わってしまう様な力も持っています。
その時代の輝きを真空パックし、半永久的に輝き続ける宝箱。
そんな稀有な魅力が詰まったこの作品を是非おススメ致します。