恋愛映画

映画【博士と彼女のセオリー】おつまみ【チキンロール】

画像引用:IMDb

こんにちは!こっろぷです!!

今日の映画は【博士と彼女のセオリー】です。

理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士の伝記映画。

人生の光と影を瑞々しい映像と美しい音楽で描いています。

不滅の愛と不屈の精神が絶大な余韻を生み出します。

この映画はこんな人におススメ!!

●不屈の精神を体感したい人

●不滅の愛を知りたい人

●人生の目的に悩んでいる人

●全身全霊の演技を見たい人

タイトル博士と彼女のセオリー
製作国イギリス
公開日2015年3月13日(日本公開)
上映時間124分
監督ジェームズ・マーシュ
出演エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、
エミリー・ワトソン、チャーリー・コックス、
サイモン・マクバーニー、デヴィッド・シューリス

愛の真理について考える時に観る映画

今回の映画は実在の人物の人生を描いた伝記映画なのですが、

そこに材を取った「愛」についての作品であると強く感じました。

理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士。

その理論や功績について映画では余り触れられません。

あくまでも博士と彼の最初の妻であるジェーンとのストーリー、

その互いの存在を深く理解し合う事の美しさについての物語が描かれています。

宇宙の始まりや、ブラックホールについての理論的研究で

世界的に有名なホーキング博士ですが、

若くしてALS(筋萎縮性側索硬化症)を発病し、余命2年の診断を医師から受けます。

その絶望に寄り添い、彼を支え研究への道を開いたのが妻のジェーンでした。

このジェーンという女性は、保守的なクリスチャンの家庭で育ち、

才色兼備ながらもどこか物憂い、若者としてのジレンマを抱えた様な人物でした。

その彼女がホーキングと出会い、彼の自由で歯に衣着せない物言いに

次第に惹かれていく描写が実に生き生きとしていて秀逸なのです。

ボーイ・ミーツ・ガールの定型としてベタな展開なのですが、

美しい映像と豊かな音楽がシーンを際立たせ、

この二人の出会いを特別な出来事として縁取っています。

人生における出会いの力。

無神論者の物理学者にとって、

最も対極に位置する様な「愛の心理」についての物語。

困難と絶望に心折れる瞬間も、

その痛みを分かち合う尊さを謳った、

心に深く浸透する物語であると思います。

考えを止めない事

ホーキング博士は身体の自由を失い、

言葉を発する事を断念せねばなりませんでした。

それは想像を絶する困難であると思います。

人生に何の希望が持てるでしょうか?

いつ死が襲ってきてもおかしくない、

宇宙の始まりどころか、明日の事すら分からないのです。

そんな博士が世界的に尊敬を集めるのは、

その考えを止めなかった事に起因する様な気がします。

宇宙と自分の人生に切実な相互関係を見出す人は少ないと思います。

ブラックホールの謎や、相対性理論は明日の暮らしの役には立ちません。

あらゆる研究者がそれこそジレンマとして抱えているのかも知れませんが、

役に立つという考えの「側」に既に立っていない人達なのかも知れません。

ただ考える事を止めない事、

理論を前に押し出す事のパワーは、

我々が生きていく上で、最も原始的なモチベーションなのかも知れないと、

ホーキング博士を見ていて思いました。

人は多かれ少なかれ、生活に困難と不満を抱えています。

それは世を恨み、人を妬み、自分を蔑む様な事にもなり兼ねません。

そんな負の力に引きずり込まれる様な時に、

自分の価値を信じ、肯定してくれる人が傍にいてくれる事。

ホーキング博士にとってジェーンは正にそんな存在だったのでないでしょうか。

彼が考えを止めずに宇宙の真理に思いを馳せる事が出来たのは、

ある意味対極的な「愛」という不確かな事象によって成されたという事が、

可笑しな皮肉の様でもあり、美しい奇跡の様でもあります。

おつまみ研究

今日のおつまみは【チキンロール】です。

人参とブロッコリーの茎を鶏肉でロールして焼き上げたものです。

味付けは照り焼き風。

甘じょっぱい味付けが食欲を大いに刺激します。

宇宙の始まりや、人類の起源は難しすぎて手に負えませんが、

おつまみとお酒の相性に付いては、

我々夫婦の研究も満更ではありません。

永遠の食いしん坊の飽くなき探求心は、

尽きる事が無いでしょう。

人生の無限の可能性

画像引用:IMDb

この作品でホーキング博士を演じたエディ・レッドメインは

アカデミー主演男優賞を受賞しました。

作品を観れば納得ですが、彼の演技の凄さは尋常ではありません。

映画後半では身体の自由が奪われているので、

僅かな顔の表情だけで感情表現をしています。

その絶妙な匙加減が如実に感情を伝えていて、

観る者に驚きと感動を与えてくれます。

人間は時に本当に信じられない様なパワーを発揮します。

常識や慣例に捉われない、人につい話したくなる様なアンビリバボーな話の類です。

一人の人間の思考によって宇宙の真理が解き明かされるなんて信じられない事です。

ホーキング博士の功績が何を意味するのかは人それぞれ意見が分かれるでしょうが、

その可能性が無限である事を実践した人物と言えるでしょう。

しかしこの映画はその博士を支え続けた妻のジェーンの物語でもあります。

献身的に博士を支え、自分の人生をその為に費やしてきた女性の苦悩。

当たり前のささやかな幸せを、欲する自身を律する様な姿が胸を打ちます。

学問への自信に妄信していた若きホーキング青年が、

ジェーンの真っすぐな想いに触れた時の

まるで神をみとめた様な驚きに満ちた表情をするシーンが印象的でした。

大事な事を伝える時には言葉を発せずに額を付けて交感する姿。

厳しい現実に晒され険しい表情で状況に挑むジェーンの強さに、

人間の底力を感じます。

人生にたらればを言えば切りがありませんが、

ホーキング博士がジェーンという女性と出会わなかったならば、

我々が宇宙の真理を知る機会はずっと先伸ばしになっていたかも知れません。

愛の真理について考える時に観る映画。

「愛」とは自己犠牲であるという言い方も間違いではないかも知れません。

しかし当の本人に犠牲心以上の喜びがあったことも忘れてはならないと思います。

あらゆる可能性の中で、人は最善の道を常に歩める訳ではありません。

ですが今歩んでいる道の可能性を否定する事も出来ません。

ホーキング博士曰く

「幸運にも愛を見つけることができたら、その存在を忘れず、投げ出さないこと」

この映画には本当に大切な事が描かれています。