画像引用:© 2024「ルックバック」製作委員会
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【ルックバック】です。
2024年公開の日本のアニメーション作品。
人気漫画家・藤本タツキの原作漫画のアニメ化です。
漫画家を目指す女子二人の友情と、
好きな物に夢中になる事の素晴らしさと不安を描いた、
リアルな感情が胸に突き刺さる感動の作品です!
この映画はこんな人におススメ!!
●漫画が好きな人
●忘れられない友人がいる人
●今、夢を追っている人
●人生の意味を考えたい人
| タイトル | ルックバック |
| 製作国 | 日本 |
| 公開日 | 2024年6月28日 |
| 上映時間 | 58分 |
| 監督 | 押山清高 |
| 出演 | 河合優実、吉田美月喜 |
夢中になる事に不安を感じた時に観る映画
単行本で言えば一巻。
映画でも僅か58分。
しかしその中にこれ程までに感情が渦巻く作品というのは
ちょっと例が無いのでは無いでしょうか。
日本が世界に誇る漫画文化の多様性の中で、
これ程までにドラマチックでメッセージ性の強い作品が、
正当に評価されアニメや実写映画など様々な媒体に広がっていく事象は、
表現する事に対する本質的な希望になっているとも感じます。
山形の片田舎の小学生女児が、
日がな一日机に向かい背を丸め漫画を描いているカット。
その膨大な時間の中にある感情の一つ一つの機微を、
その背中で語る所に本当にグッときます。
漫画を描くという行為一つが、
何の為に生きるのかという大きな命題に自然と繋がっていく。
大仰にそう主張するのではなく、
あくまでもドラマの展開の中で誰しもが経験している
普遍的なテーマにそっとさり気無く言及する。
この作品にはそういった表面的な部分以上に
熱い人間肯定が描かれているのだと思います。
好きな事に夢中になる一方で、
人からの評価に一喜一憂する不安。
周りからの疎外感や焦りに嫉み。
そして情報過多の現代に於いて、
如何に自分を貫く事が困難であるか。
今作には人生の残酷さと険しさがこれでもかと描かれていますが、
それでも立ち向かってきた全ての日々を肯定する、
優しい力強さが宿っています。
人生は与え、人生は奪っていく

画像引用:© 2024「ルックバック」製作委員会
物語は自分が描く漫画に絶対的な自信を持っていた
鼻持ちならない主人公が、
もっと絵の巧い存在に出会い自身の存在価値が揺らぐ所から動き出します。
所詮は井の中の蛙だったという事なのかも知れませんが、
まだ幼い主人公の藤野にとっては正に天変地異クラスの衝撃。
世界が足元から崩れ落ちる程のショックな訳です。
しかしひょんなキッカケで当の絵の巧い不登校児の京本と出会うと、
自分の描いた漫画を絶賛されファンだと告げられる。
絵の稚拙さに自信を失っていた藤野は、
実際は絵と話の両輪が必要な「漫画」の才能があったという事に、
自分でも気が付いていなかったという事なのです。
人は好きな事と得意な事が必ずしも一致するとは限りません。
勿論好きだから続けられるという所はありますが、
人から評価されるのは自分が思っていた部分と違っていたりもします。
それが他者と向き合うという事の重要さを物語っているのかも知れません。
互いに足りないものを補う様に、
二人で漫画を描き見事に結果を出していく件には、
人間関係が幸せな形で作用している高揚感と、
人生への肯定感で溢れています。
しかしこの作品はその人生に於ける
実に理不尽で徹底的に残酷な部分も描いていくです。
時に人生とは呆気なさすぎる程に転落したりするし、
その事に理由や答えは用意されていません。
そんな時人は道を見失い、
何の為に努力してきたのか、何の為に生きて来たのかと、
俯き項垂れてしまいます。
不幸はいつでも無作為に私達に襲い掛かってくるのです。
しかしこの作品はそんな辛辣で目を背けたくなる様な「人生」という
果てしない時間の蓄積に対して毅然としていて明瞭な「答え」を与えてくれるのです。
それが全てを「肯定」するという最終兵器なのです。
食欲に夢中

今日のおつまみは【ドカ弁】です。
もう完全におつまみでは無いですが。
仕事が休みで家にいたので、
仕事に行く妻が自分の分のついでに
お弁当を作ってくれました。
完全に高校生が食べる様なドカ弁です。
唐揚げと厚焼き玉子に昆布とササミの煮物。
切り干し大根のナポリタン風、ほうれん草ソテー。
ご飯は二段の海苔弁。
物凄い満腹になりましたが、有難かったです。
【ルックバック】を観ながらつい青春時代を思い出してしまいました。
Don’t look back in anger

画像引用:© 2024「ルックバック」製作委員会
今作で象徴的に何度も描かれる「背中」を映したカット。
好きな事に夢中になっている人物の「背中」。
憧れを持って追い続ける前を行く人の「背中」。
そしてこの作品のタイトルは「ルックバック」。
ここには背中を見るという意味と、
過去を振り返るという二つの意味が込められています。
互いに自分には無い物を持っていると認め合った
主人公の少女二人が、
それぞれの背中を追って歩み続ける日々。
そして無常な時の流れが二人の運命を分かちた時、
残された者が後悔の念と共に振り返る「過去」。
あの時こうしていればという後悔は、
誰しもに付き纏うものですよね。
この作品では「もし」という仮定の上に存在していたかも知れない、
パラレルワールドに言及したシーンがあります。
もし二人が出会っていなければ、
悲劇は起こらなかったかも知れない。
しかし同時にあの素晴らしい日々も無かった事になってしまう。
二人で同じ夢を追った掛け替えのない日々。
居なくなってしまった友からの、
パラレルワールドを介して伝えられたメッセージが、
「背中を見て」だったのは、
「悲しみや怒りの中で過去を振り返るな、
そう君が言っているのが聞こえた」と歌った、
イギリスの人気ロックバンド「オアシス」の名曲の歌詞の様に響いてきます。
人生に「正解」は無いですが、
「答え」はあるのかも知れません。
それは起こった事全てを受け入れた先にある、
人生を「肯定」するという勇気の必要な行為の中に。
それが今作の主人公にとっては漫画を描き続けるという事なのでは無いでしょうか。
夢中になる事に不安を感じた時に観る映画。
自分の好きな事、夢中になれる事があるという事は本当に素晴らしい事です。
誰にも評価されずとも、時には否定されようとも、
それは間違いなく人生を「肯定」してくれる宝物です。
この作品の少女二人の出会いが美しいのは、
人が何かに夢中になる為に欠けていた片割れのピースと出会えたからなのです。
その経験があれば怒りの中で過去を振り返る必要はありません。
追うべき「背中」は常に目の前にあるのですから。



