画像引用:©朝日新聞社/テレビ朝日/KADOKAWA/アスミック・エース
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【銀河鉄道の夜】です。
1985年公開の日本のアニメーション作品。
宮沢賢治晩年の未定稿を原作に、
日本アニメーション界の巨匠・杉井ギサブローが監督。
劇作家の別役実が脚本を担当し、
細野晴臣が音楽を書き下ろしています。
不朽の名作を大胆な演出で描く、
アニメーション史に燦然と輝く
名作のおススメです!
この映画はこんな人におススメ!!
●宮沢賢治の作品が好きな人
●懐かしい時代を思い出したい人
●一風変わったアニメーションに興味がある人
●永遠の友情を目撃したい人
| タイトル | 銀河鉄道の夜 |
| 製作国 | 日本 |
| 公開日 | 1985年7月13日 |
| 上映時間 | 107分 |
| 監督 | 杉井ギサブロー |
| 出演 | 田中真弓、坂本千夏、納谷悟朗、 金田龍之介、常田富士男 |
日本人の原風景を味わいたい時に観る映画
1985年公開の今作品、
当時の少年・少女達にとっては
決して忘れる事の出来ない原風景となって
その後の人生に大きな影響を与え続けた映画なのです。
かく言うわたくしころっぷも80年代生まれの人間として、
その通過儀礼を受けずっと記憶の中に風景として残っている作品です。
言わずと知れた宮沢賢治の代表作。
未完の原作童話は大人になってから読みましたが、
とても悲しい雰囲気の作品だったと記憶しています。
死者を黄泉の国へ運ぶ銀河鉄道。
見た事の無い場所なのにどこか懐かしさを感じる街並み。
人気の無い光と影のコントラストが強い景色は、
ジョルジュ・デ・キリコの絵画を思わせるシュールさです。
そこへ細野晴臣の電子音楽がまるで天上から降り注ぐ様に響き渡り、
どこか悲しい予感に満ちた物語が淡々と進んで行きます。
監督はテレビアニメの巨匠・杉井ギサブロー。
ますむらひろしによる猫を擬人化したキャラクター達に、
繊細な感情表現を植え付け、
見事にミステリアスな物語に惹き込んでいきます。
日本アニメーション界の巨匠達が挙って作り上げた、
歴史的傑作。
令和の現代アニメーションとは余りに異質ですが、
一味違ったアニメーションの可能性を感じてみてはいかがでしょうか。
全ての少年少女に捧げられた物語

画像引用:©朝日新聞社/テレビ朝日/KADOKAWA/アスミック・エース
物語は宮沢賢治の原作に対して、
忠実な部分と大胆に脚色した部分との取捨選択で切り取られています。
主人公のジョバンニのキャラクター設定や、
周りのコミニティとの関係性、
そして銀河鉄道で旅を供にするカンパネルラへの友情などは、
原作の世界観を見事に再現しています。
まるでサン=テグジュペリの「星の王子さま」の様に、
不思議な旅の途中で様々な人達と出会い、
色んな思索に想いを巡らせる。
それは実に哲学的であり、
時に寓話的でもあり、
教訓があって、
想像力を多いに刺激する普遍性をも併せ持っています。
出稼ぎから帰らない父親と、
病気がちな母親を抱え、
孤独な少年ジョバンニは学校では孤立し、
活版所で働き日銭を稼ぎ、
周りの子供達の様な遊びに興じる事も出来ず、
夜空を見上げては遠い未来に想いを馳せているのです。
舞台となる町のどこか古き日本の原風景の様な牧歌的な雰囲気。
田舎の閉塞感と古い価値観の中で、
恵まれない境遇にあっても腐らず真っ直ぐ生きる少年の姿に、
私達日本人はどこか嘗ての自分達を自然と重ねていた訳です。
この作品では「孤独」というものとどう向き合うか、
そして同時に「世界」とどう関わっていくかという、
少年期の大命題に対して寓話という形で迫る作品でもあるのです。
そこに宮沢賢治の文学の奥深さがあり、
このアニメーション映画の存在価値もあるのではないでしょうか。
おつまみの原風景

今日のおつまみは【オードブル盛り】です。
これぞ正におつまみの原風景。
ワインを飲むのであれば間違いのない一皿ですよね。
人参ラペ、ブラックオリーブの酢漬け、胡瓜のピクルス、
生ハム、クリームチーズバケット。
もうこれだけでボトルは空いてしまいます。
星空を眺めながら屋外で乾杯と行きたい所ですね。
物語の永遠性

画像引用:©朝日新聞社/テレビ朝日/KADOKAWA/アスミック・エース
まるで異次元空間を旅する様な、
銀河鉄道の夜を共に過ごすクラスメイトのカンパネルラ。
聡明で周りからの信頼も厚い優等生に対する、
ジョバンニの憧れともつかない激しい友愛の精神は、
映画を観ている私達に少なからず童心に帰る様な想いを促します。
たった一夜の短い時間であっても、
少年の日の記憶には膨大な思索が秘められているもの。
その絶妙なセンチメンタリズムを刺激する「何か」が、
この物語には満ちていて長い時を経ても読者を夢中にさせてしまうのでしょう。
それはもう既に失われてしまった「何か」。
もう二度と出会えない者、手に入れられない物。
過ぎ去った時間の蓄積。
最愛の妹を病で亡くした賢治の大きな喪失感が、
この未完の大作にも色濃く影響しています。
私達が「死」というものに対するイメージ、
何もかもが「無」に帰す恐怖や不安というものを、
宮沢賢治という人は「何か」他の言葉に
変換してくれた作家なのではないでしょうか。
それは「物語」というものだけが持つ永遠性。
決して失われないものがこの世に存在するという淡い期待。
夢から現実に、或いは生から死に旅する私達の、
心の拠り所となり得る寓話性。
それが私達を惹きつけ続ける宮沢文学の魅力なのかも知れません。
日本人の原風景を味わいたい時に観る映画。
手塚治虫先生の時代から綿々と受け継がれてきた日本のアニメーションの歴史。
ここにも確かな技術を持った職人たちと、
鮮やかな才能を持ったアーティスト達の
想像力の結集が光を放っています。
子供達はこの不思議な物語に大きな心の引っ掛かりを得て、
それを大人になって見返した時に自分なりの「何か」を発見するのではないでしょうか。
そんな力を持った作品は非常に稀です。
是非、日本の宝とも言える物語の永遠性を味わってみて下さい!



