コメディ

映画【ショーン・オブ・ザ・デッド】おつまみ【海老コーン餃子】

画像引用:©2004 WT Venture LLC. All Rights Reserved.

この映画はこんな人にオススメ!!

●ゾンビが三度の飯より好きな人

●ホラー映画をおちょくってみたい人

●下らない内輪ネタにニヤリとしたい人

●何の為に生きているのかと、ふと考えてしまう人

タイトルショーン・オブ・ザ・デッド
製作国イギリス、フランス、アメリカ
公開日2019年3月19日(日本公開)
上映時間99分
監督エドガー・ライト
出演サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、
ケイト・アシュフィールド、ビル・ナイ

究極の価値転換を疑似体験したい時に観る映画

いつの世も一定の需要があるのがゾンビ映画。

何が人をそれ程までに惹きつけるのでしょうか。

生ける屍、リビングデッド。

彼等の特徴は一応にして動きが遅い。

知能が低い。

食欲は旺盛。

特に目的も無く徒党を組んでウロウロしている。

これはまるで私達そのものでは無いか。

つまりは皆ゾンビに自分達を重ねて見ているのでは無いか。

或いは、自分もあっち側にいったら楽になれるのにと考える人もいはしないか。

戦ったり、逃げたりするのに疲れ、

全てが億劫に感じてふと私も噛まれてあちら側にいきたいなと。

何かとストレスフルな現代社会に疲れた時なんか、

ゾンビとしての集団意識に取り込まれて何も考えずに生きてみたい。

思考停止状態になって自由を手にしたい。

これは少し穿った考え方かも知れませんが、

映画の主人公達の生還を願うというよりも、

ゾンビの生活に憧れてしまう麻薬的な心理が、

私達をゾンビ映画に向かわせるのでは無いでしょうか。

正に現実逃避の究極形として、

世界が混乱に陥って全てがひっくり返ってしまう様な事を、

心の底で少し期待してしまう心理が

きっと誰しもあるのだと思います。

人生をシンプルにしたのはゾンビだった

画像引用:©2004 WT Venture LLC. All Rights Reserved.

物語の主人公ショーン(サイモン・ペッグ)は、

家電ショップで働く冴えない独身男。

無気力なニートのエドとゲーム三昧の共同生活を送り、

恋人のリズには愛想を付かされてしまう。

今作の優れた所は、

主人公の生活がゾンビ騒動によって活性化し、

結果人生に前向きになっていくという点にあります。

何をやっても中途半端で煮え切らなかったショーンが、

サバイバルに於いてはリーダーシップを発揮し、

兎に角正解とは言えなくても仲間を導いていく姿には、

急場に思わぬ成長を見せる人間特有のテンションがあったりします。

そもそもが物事を深く考える能力が無い人間なので、

対応がシンプルで迷いが無い。

例えそれが子供じみた発想だったとしても、

頭より手足が先に動く人間の方が、

こういった異常事態では役に立ったりするのかも知れません。

街中がゾンビだらけになろうと、

そもそもデフォルトが落伍者なのでショーンの思考には

余計な物がありません。

寧ろ人生の目的がシンプルになって

生き生きとしている様に見えるのが何とも皮肉で可笑しいのです。

おつまみの価値転換

今日のおつまみは【海老コーン餃子】です。

細かく刻んだ海老とコーン、

それにこれも細かく刻んだ人参に下味を付けてタネにし、

オープンスタイルで餃子の皮で包んでフライパンで焼くだけ。

酢胡椒やポン酢なんかと相性が良いです。

簡単手軽で満足感もあるおつまみ。

凝った料理だけが正義では無い、

おつまみの価値転換を実現した一皿です!

馬鹿による馬鹿の為のサバイバル

画像引用:©2004 WT Venture LLC. All Rights Reserved.

ゾンビ映画のパロディは実は高打率の人気ジャンルになっています。

2009年公開の【ゾンビランド】は

シリーズ化され大ヒットしています。

日本でも花沢健吾の漫画【アイアムアヒーロー】など、

ゾンビをモチーフにリアルなドラマ展開をする作品が流行りました。

1932年の【恐怖城】というアメリカのホラー映画が

ゾンビ映画の起源と言われていますが、

そもそもブードゥー教の死者を奴隷として蘇らせる施術が

ゾンビの元になっているそうです。

ゾンビ映画でもゾンビになってしまった元人間達は、

彼等が元々行っていた仕事や仕草を踏襲して

その動きを永遠に繰り返すという習性があります。

悲しい事に人は死んでも自らの社会的使命から逃れられないのです。

それに生きている人間ですらそもそもが同じ事を日々繰り返している訳で、

言い様に依っては全ての人間が既に生ける屍状態であるのかも知れません。

そんな社会に対する皮肉がゾンビ映画を他のホラージャンルから

一線を画する要因なのでしょう。

日々フェイクニュースに踊らされ、

陰謀説に恐怖し、

ヘイトスピーチに影響されいがみ合う様な私達は、

既にゾンビ生活の方が案外生き易かったりするのかも知れませんね。

究極の価値転換を疑似体験したい時に観る映画。

私達の暮らすこの世界をひっくり返してしまう様な、

強烈なインパクトを持った状況の暗喩としてのゾンビ。

ゾンビは本能のままに喰らい、

欲望のままに仲間を増殖し続けます。

それはどこまでも人間そのものの姿ではありませんか。

もしも自分の生き方に迷っていて立ち行かないなんて人がいたら、

案外ゾンビ映画を参考にして物事をシンプルに捉えてみたらいいのかも知れません。

ここには難しい理屈も利害関係もコンプライアンスもありません。

ただ生きる為にはゾンビの頭を吹っ飛ばし、

噛まれたらあっち側に回るだけ。

これは恐怖などでは無く、

不安にどう対処するかという価値転換の物語なのです。