コメディ映画

映画【シェフ 三ツ星フードトラック始めました】おつまみ【ベーコンエッグサンドウィッチ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【シェフ 三ツ星フードトラック始めました】です。

【アイアンマン】の監督ジョン・ファヴローが製作・監督・脚本・主演。

食と家族をテーマにしたヒューマン・コメディ映画です。

失業した元カリスマシェフが、フードトラックで再帰一転する物語。

笑えて、泣ける一級のエンターテイメント作品です!

この映画はこんな人におススメ!!

●食べる事が好きな人

●食べさせる事も好きな人

●ロードムービーが好きな人

●逆境を跳ね返したい人

タイトルシェフ 三ツ星フードトラック始めました
製作国アメリカ
公開日2015年2月28日(日本公開)
上映時間115分
監督ジョン・ファヴロー
出演ジョン・ファヴロー、ソフィア・ベルガラ、
ジョン・レグイザモ、エムジェイ・アンソニー、
スカーレット・ヨハンソン、オリヴァー・プラット、
ダスティン・ホフマン、ロバート・ダウニー・Jr

原点回帰したい時に観る映画

今回は食欲を刺激する危険な作品のおススメです。

シェフとして成功し、周りの人間からの尊敬を集めていた主人公のカール。

そのストイックなまでの仕事振りと飽くなき探求心は、

時に暴走し歯止めが効かず、レストランのオーナーや

有名料理評論家とぶつかってしまいます。

自分の仕事への自信と誇りが、周りを見えなくさせてしまう事ってありますよね。

長くその道に携わっていると、期待と責任という重荷だけが

どんどんと肩に積み重なってきて本来の目的を見失ってしまう事も。

これはどんな人にも少なからず当てはまる様な人生の命題について

描いた映画でもあると言えるのです。

ただそれが好きで始めた事なのに、

何時しか余計な要素が本来の目的を見え難くしてしまう。

全てを失ってどん底に落ちた一人の男が、

這いつくばって原点回帰する様をユーモラスに描いたこの作品は、

あらゆる人に生きる勇気と希望を与える類稀な力を持っています。

彼の生き様はきっと私達の人生の明るいヒントになり得る物だと思います。

心機一転の旅路

画像引用:IMDb

一流は時と場所を選ばないという言葉があります。

セレブが集まる老舗の一流レストランで腕を振るう、

人気シェフのカールも、ただ美味しい物を人に振舞いたいという

その欲求だけで生きている様な人物でした。

店の格式や伝統を守る事、

己の名誉や自己欲求を満たす為に包丁を握る様な人間では無かったのです。

しかし長くその道を極めていくと、自分の原点という物が

見えなくなっていくものなのかも知れません。

人生が上手くいかなくなった時に、ただ周りを呪い腐っていく人間が多い中、

心機一転の一手を打てる人はまた稀です。

この映画の主人公カールは、

元妻のイネズや、店のアシスタントのマーティンなど、

彼を慕いよく理解してくれる本当の意味での「友人」に恵まれていました。

どんな人間でも失敗をし、自信を失う事は避けて通れませんが、

そこから這い上がる為の力を与えてくれる「友人」を持っている人は

本当の幸せ者と呼べるのでは無いでしょうか?

この映画が観る者に爽やかで真っ直ぐな読後感を与えてくれるのは、

この人間関係の爽やかさが説教臭くなく感じらえる、

絶妙な匙加減で料理されているからなのだと思います。

この辺りが多くの人間に共感を得る脚本と演出の実績がある、

ジョン・ファヴローの真骨頂であり、ちょっと真似出来ない性質なのかも

知れません。

食欲を刺激された顛末

今日のおつまみは【ベーコンエッグサンドウィッチ】です。

映画では主人公のカールが旅先でであった【キューバサンド】に感動して、

フードトラックを始めるという描写があります。

アメリカのタンパの伝統料理として有名ですが、

キューバ移民の労働者のソウルフードとして長く愛されてきた料理です。

映画で余りにも美味しそうなキューバサンドを見て、

食いしん坊の我々は堪らず映画を一時停止し、おつまみの追加となりました。

スイスチーズもローストポークもありませんが、

ありあわせの食材で急ごしらえしたサンドウィッチ。

ベーコン入りのスクランブルエッグと、

マッシュポテトを挟んだクロワッサン。

食欲を激しく刺激された顛末は、

思いも寄らぬおつまみとの出逢いになりました。

生きる事は食べる事

画像引用:IMDb

忙しかったり、気分が落ち込んだり、

人は悩み事に苛まれると食欲が落ちて健康を害したりしてしまいます。

ダイエットや美容も大事かもしれませんが、

元気の源は「食」。

生きる事は食べる事に他なりません。

どんなに追い込まれ、人生のどん底にあろうとも、

この映画の主人公に悲壮感が無いのは「食」に対する貪欲さが

衰えないからだと思います。

食べる事と食べさせる事の喜びが、

自分への確固たるアイデンティティになっていて、

それが彼をへこたれないタフな人間にしているのです。

多感な年頃の一人息子とのコミニケーションにおいても、

「食」は大いに役立っています。

自分の父親がどんな人間なのか。

息子の視線の先にある「父親」は、

生きる喜びに真剣に向かって行く「戦う父親」でした。

彼等の関係性が食べる事と食べさせる事で繋がり、

豊かに育っていく様が本当に感動的で爽やかなのです。

それはどんな理念や教育よりもリアルで、

身に染みる実体験のコミニケーションだったのです。

社会的地位や富や名声では無く、

ただ純粋に人を喜ばせる事に真剣だったシェフの姿に、

幼い息子は心酔していくのです。

原点回帰したい時に観る映画。

人はとかく本来の目的を見失ってしまう生き物です。

社会は複雑で、現代のコンプライアンスは身動きの取れないシガラミでもあります。

我々は経験で色んな事を学びますが、

知恵をつけて世を渡る事が、

何時しか手段では目的にすり替わってしまう事もあります。

そんな時に必要なのが「原点回帰」、

本来の自分に戻る事なのでは無いでしょうか?

泥臭く、熱く苦しく、恰好悪くても。

自分の為では無く、誰かの為に、

そして自分の大切な人が喜ぶ顔の為に働く事。

これはそんな大事な事を思い出させてくれる作品であると思います。