画像引用:IMDb
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【アバウト・タイム~愛おしい時間について~】です。
タイムトラベルという古典的SF要素を巧く取り入れ、
恋愛や家族について丹念に描いた作品です。
限りある時間というものを改めて考えさせる、
奥深いテーマを内包した感動作になっています。
この映画はこんな人におススメ!!
●人生をやり直したい人
●運命を変えたい人
●素敵な映画音楽を聴きたい人
●前向きになりたい人
タイトル | アバウト・タイム~愛おしい時間について~ |
製作国 | イギリス、アメリカ |
公開日 | 2014年9月27日(日本公開) |
上映時間 | 124分 |
監督 | リチャード・カーティス |
出演 | ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス、 ビル・ナイ、トム・ホランダー、マーゴット・ロビー |
過去に戻ってやり直したくなった時に観る映画
誰しも人生をやり直す事が出来たならと考えた事があると思います。
「あの時ああしていれば」とか「あの時にこう言ってたら」とか。
人生には後悔が付き物です。
この映画の主人公はタイムトラベルによって過去に戻る事が出来ます。
回数無制限にいつでもどこででも。
こう聞くと何でも思いのままで最強だなと思うのですが、
主人公が失敗の軌道修正を繰り返す内に、気付く人生の真理が実に深いんです。
何度繰り返そうと全ての人が幸せになる方法は存在しない。
こっちが上手く行けば、あっちが駄目になり、それを同時には叶えられない。
結局は選択するしか無いのです。
やり直しの効く人生で得た彼の真理。
幸せとは限りある時間の中で、その一瞬の大切さをしっかりと感じる事。
そんな当たり前で、少々逆説的な着地点に到達するのです。
映画というタイムマシン
思えば我々が日頃楽しんでいる映画とはタイムマシンの様な物です。
自由自在に何度でも過去・未来に行けます。
自分の人生の過去には戻れませんが、
その映画を観ていた過去の自分と再会する事は出来ます。
そうやって時間の流れを感じたり、人生の意味を考えたり。
映画を観るという行為は娯楽の為だけでは無いのかも知れません。
この映画はタイムトラベルという飛び道具を使って、
ストーリーにオリジナリティと想像性を付与していますが、
よく観ればとても普遍的で当たり前の事を描いています。
とても丁寧に、人生の豊かさを伝えてくれています。
時間の流れは時に残酷で失う事も多いです。
それでも前に進む事で、過去の自分が今の自分を作っているという事、
今の自分が未来の自分を作るのだという、ごく当たり前の事に気付くのです。
主人公のティムは確かに何度も人生にチャレンジ出来る事で多くを得ました。
恋人も家族も幸せな日常も。
しかし何度繰り返そうが、
ティムが持つ優しさや誠実さがなければその幸せは掴めなかったでしょう。
どんな選択をし、どんな結果が出ようと、
その世界の美しさに気付く事が出来る人間でなければ世界は美しくありません。
彼の心が真っ直ぐで、些細な幸せを感じられるからこそ、
愛おしい時間は存在するのです。
ささやかな幸せ
今日のおつまみは【鱈の香草パン粉焼き】です。
自他共に認める肉食獣の我々ですが、
たまにお魚も食べたくなります。
付け合わせに野菜をたっぷりと取って、
ヘルシーで大満足の一皿。
ささやかながらも、贅沢な幸せプレート。
いい映画を観ているとお酒も進みます。
こんな日常がずっと続けばいいなと、ふと思ったりします。
ささやかだけれど、役にたつこと
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アメリカの作家、レイモンド・カーヴァーの短編小説に
「ささやかだけれど、役にたつこと」という作品があります。
ある夫婦とパン屋の主人が残酷な運命によって出会い、
悲しみと絶望を共有する事で改めて気付かされる、
ささやかな日常の本質を描いた傑作小説です。
この【アバウト・タイム~愛おしい時間について~】という映画でも、
ささやかで何気ない日常こそが、何より愛おしい時間であるという事を描いています。
何度も過去に戻って人生をやり直せる主人公は、
その大いなる能力を次第に使わなくなっていきます。
「今」というこの瞬間こそ、
掛け替えの無いものであるという事に気付いたからです。
些細な生活の機微を慈しむ。
何気ない事を喜ぶ。
自分の望みを叶えるだけが幸せなのでは無く、
人の事を自分よりも大切に思える事に幸せを感じる事。
人はその一生で何を得たかでは無く、
何を与えられたかで幸せだったのかどうかが決まるのでは無いでしょうか。
タイムトラベルの大先輩だった主人公の父親は、
自分が人生を繰り返して得たものを、生涯を掛けて息子に与えたのです。
それは富や名声では無く、ささやかな日常の美しさでした。
過去に戻ってやり直したくなった時に観る映画。
人生の失敗をやり直すなんて夢の様な話です。
でもよく足元を見てみれば、こんなにも幸せは傍にあったのだと
気付かせてくれる作品です。
選択は過去では無く未来の為に為すべきもの。
イギリスが誇る名脚本家でもあるリチャード・カーティス監督が、
引退作品として私達に伝えたかったメッセージが強い余韻を引きます。
映画終盤には涙腺が崩壊してしまうとは思いますが、
人生に前向きになりたい時に是非おススメの作品です。