ヒューマンドラマ映画

映画【歩いても歩いても】おつまみ【鰹のタタキ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【歩いても歩いても】です。

ある家族の一日を丹念に描いた、

是枝裕和監督渾身のホームドラマです。

この映画はこんな人におススメ!!

●ふと実家が懐かしくなった人

●ふと家族の事を思い出した人

●人生のリスタートを切りたい人

●今は亡き名優の演技に触れたい人

タイトル歩いても歩いても
製作国日本
公開日2008年6月28日
上映時間114分
監督是枝裕和
出演阿部寛、夏川結衣、YOU,
高橋和也、樹木希林、原田芳雄
created by Rinker
¥3,399 (2024/05/26 17:07:23時点 楽天市場調べ-詳細)

あらためて家族って何だろうと思った時に観る映画

今や世界的な映画監督として高い評価を受ける是枝裕和監督。

デビュー作品の【幻の光】から近作の【真実】まで全ての作品を観ていますが、

(最新作の【ベイビー・ブローカー】は未見です)

私が一番好きな作品がこの【歩いても歩いても】です。

是枝作品の中でも比較的地味な映画なので忘れられがちかも知れませんが、

個人的にとても思い入れがあります。

是枝作品の最重要人物である樹木希林さんの演技がとにかく素晴らしく、

役者陣の作り出す空気感がとても自然で心地良いのです。

作品のテーマは「家族」という事になるかと思うのですが、

特に父と息子、母と息子の関係に主題がある様に感じます。

「家族」という物が、時の流れの中で様々な形に変わっていくという普遍性と、

「家族」だからこそ変わる事の出来ない部分とを、

とある一日を丹念に描写する事で、見事に語られています。

ドキュメンタリー出身の是枝監督らしい被写体との距離感。

我々はこのどこにでもいる様な「家族」の、

何て事の無い「一日」を最前列で目撃させられます。

そこに居合わせているかの様な臨場感。

「日常」に圧倒的な存在感があるので、映画である事すら忘れてしまいそうです

あの日の景色

家族ってどこまでいっても平行線の部分があったりすると思うんです。

他人で無いからこそ分かり合えない、あるいは認め合えないという面があったり。

会社や学校の様なコミニュティと違い、

無理をしてまで折り合う必要性が無いとも言えます。

家族にわだかまりを持った経験がある人には、この作品の親子関係は

よく分かるんじゃないかと思います。

同じ場所で同じ空気を吸って生きてきた人間同士特有の煩わしさ。

素直になれない関係性。

きっとこの映画のエンドロールが流れる頃には、

皆それぞれの「あの日の景色」を思い出したりするんじゃないでしょうか。

「何であんな事言ったんだろう」とか「本当は何を言いたかったんだろう」とか。

近い存在だからこそ理解出来ない部分。

それは大人になる位の時間が経ったとしても変わらないのかも知れません。

変わらないままに、言えなかった言葉とか出来なかった事だけが残される。

そう言うと何だか切ない様ですが、それも「家族」のリアルな姿なんだなと、

この映画を観ていると強く感じたりします。

自分を成長させる物って、

案外頑張って達成した事ばかりでは無く、

出来なかった事だったりもするのかも知れません。

薬味の美学

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG20220707184622-768x1024.jpg

今日のおつまみは【鰹のタタキ】です。

刺身良いですよね。

特に鰹の時には薬味をたっぷり乗せたいです。

今日は小葱とカイワレ大根に、にんにくとミョウガ。

スタミナ満点、夏バテ対策にピッタリの一皿です。

普段脇役の薬味達ですが、

「主役」の鰹のポテンシャルを最大限に引き出しています。

一歩引いた所から料理をまとめ上げる。

薬味の美学を感じてしまいます。

語られない部分が語り出す

画像引用:IMDb

この作品の最も優れている点は「会話」です。

観客に何を知って欲しいのか、多くの映画では「モノローグ」によって説明します。

それは便利で合理的な方法ですが、

あくまで与えられた情報なので実感を伴いません。

しかしこの作品の殆どの情報源は「会話」の中にあります。

注意していないと聞き逃してしまう様な誰かの独り言や呟き、

ため息なんかが、如実に語っているのです。

気が付くと我々は彼らと同じ食卓で、その会話を全身で受け止めています。

あちらやこちらで交わされている「会話」に自分から近づいていくので、

語られていない部分まで想像で補って話に付いていくのです。

この観客を当事者にしてしまえる演出が出来る映画監督は、

世界広しといえど中々お目に掛かれません。

勿論役者の演技力も大いに貢献していますが、

脚本にしっかりと「行間」がある事を、実際の映像で実感出来る作品は本当に稀です。

語られない部分こそが登場人物の人間性を大きく広げて、存在感を獲得する。

それを観客に自主的にさせてしまうのだから、本当恐ろしい演出家です。