SF映画

映画【ガタカ】おつまみ【ズッキーニとトマトの生姜和え】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【ガタカ】です。

近未来をリアルに描写した、

スタイリッシュなSFサスペンスの傑作です。

この映画はこんな人におススメ!!

●洗練されたデザインに触れたい人

●ハンデに負けず夢を追う人

●内証的なSF映画を求めている人

●遺伝子工学に興味がある人

タイトルガタカ
製作国アメリカ
公開日1998年5月2日(日本公開)
上映時間106分
監督アンドリュー・ニコル
出演イーサン・ホーク、ユマ・サーマン
ジュード・ロウ、アラン・アーキン

自分のアイデンティティについて考える時に観る映画

この映画は時の洗礼を受ける事で、次第に評価が上がっていった稀有な作品です。

公開当時にはその斬新な内容に理解が追い付かなかったのかも知れません。

この様にしぶとく再燃する作品こそ、本当に力のある映画と呼べるかと思います。

映画は遺伝子操作によって予め生命の優劣を決定されてしまう近未来を描いています。

自然受精で生まれた子供には「不適正者」というレッテルが生涯付きまとい、

あらゆる選択と可能性が断たれてしまいます。

育った環境や家柄などで差別を受けるという事象を遥か越え、

生まれ持った遺伝子によって人生が決まってしまう恐ろしい管理社会なのです。

現実に我々が口にする作物には、遺伝子組み換えが施された物が一般化しています。

地球環境の変化に対応し、食料不足への対抗処置でもあるのかも知れませんが、

人体に同じ考えで優越を与えるという事の是非を、この映画はテーマとしています。

「不適正者」として生まれ育った主人公(イーサン・ホーク)の苦悩と、

それでも自分の人生を諦めない姿を通して、

「自分らしさ」「アイデンティティ」について考えさせられる作品になっています。

人生はデザイン出来ない

この映画にはもう一人の主人公が登場します。

遺伝子操作により「適正者」として生まれ、エリートとして育ちながら、

不慮の事故によって障害を負った青年(ジュード・ロウ)です。

彼もまた徹底的に合理化された管理社会においては、

後天的な「不適正者」としての生涯を決定されてしまった人間です。

全ての可能性を断たれた二人が身分詐称によって成り代わり、

奇妙な共闘関係の上に友情を築いていくのも作品の大きな見所になっています。

遺伝子操作によって「適正」として生まれた人間も、

人生そのものを操作する事は出来ないという、一種の皮肉が重く圧し掛かります。

全てが理路整然と美しくデザインされた近未来において、

少しでも規格から外れてしまったものは排除され、無視されてしまうという事。

多数の意見が少数を圧してしまうという図式は、現実の我々の世界にも多くあります。

科学や医療の進歩が神の領域を犯し、倫理的な臨界点を社会が越えた時、

「どう生きるべきなのか」という難しい問題を映画は我々に投げ掛けます。

映画の二人の青年は、互いの欠落部分を補い合いながら

自己のアイデンティティを必死に模索します。

それは違法行為ながらも、運命にあがなう人間の力強さを感じさせます。

遺伝子にデザインし得ない領域が、この人間性という部分なのかも知れません。

野菜のポテンシャル

今日のおつまみは【ズッキーニとトマトの生姜和え】です。

夏野菜のポテンシャルを激上げしたスタミナ料理。

生姜のみじん切りを醤油・砂糖・みりんで煮込んだものを、

お好みの野菜にまぶすだけ。

さっぱりとしていて、生姜のピリっとした風味が食欲をそそります。

野菜は大地と水と太陽の恵み。

遺伝子組み換えで合理的に生産する必要なんてない様な、

健全たる地球環境を保持する必要を痛感します。

SF映画の概念を変えた一作

画像引用:IMDb

SF映画の定義は意見が分かれる所ですが、

仮想未来を描き、それを現実社会に投影させるという特徴があるかと思います。

遺伝子操作を施された人間は現実に存在します。

2018年には中国で実際に「デザイナーベビー」と呼ばれる遺伝子操作による、

拡張能力を持った生命が誕生しています。

これが世界的な主流になれば、映画の様な生命の格差が現実の物になり得ます。

倫理的な議論は結局はどこで線引きするかという事だと思います。

時代の流れによってあらゆる価値観も変化していくので、

その線引きも絶えず変わっていくでしょう。

だからこそ今作の様な作品が必要なのです。

仮想未来で必死に運命にあがなう青年の姿を通し、

我々が本来の人生の価値に想いを寄せる事。

「その人らしく生きられる社会を作る事の重要性」が、

合理的に弱者を排除する社会に負けてはならないと。

この映画が不遇を囲う人々に勇気を与える事が出来るのは、

運命に立ち向かう人間の姿が、常に美しいと思い出させてくれるからなのです。

主人公の青年は「不適正者」として寿命30年の宣告と共に生まれました。

彼はDNAサンプルを他人とすり替え、偽りの人生を生きていきます。

しかし彼のキャリアの成功は遺伝子で勝ち取ったのではなく、

本人の努力と意思の強さで実現したものです。

その必死で生きる人間の美しさが切ないまでに胸に迫ってきます。

「何の為に生きるのか」という普遍的なテーマを、

鋭い視点で描いた異質のSFサスペンス映画。

未見の方には強くおススメします。