ドキュメンタリー映画

映画【ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ】おつまみ【メキシカンサラダ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ】です。

世界的なギターリスト、ライ・クーダーが

キューバで出会った伝説のミュージシャン達。

彼等との極上のセッションに密着したドキュメンタリー作品です。

この映画はこんな人におススメ!!

●キューバに興味がある人

●ライ・クーダーのファンの人

●最高の音楽に触れたい人

●ラテンアメリカの人生観に興味がある人

タイトルブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
製作国ドイツ、アメリカ、フランス、キューバ
公開日2000年1月15日(日本公開)
上映時間105分
監督ヴィム・ヴェンダース
出演ライ・クーダー、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

キューバの青い空を感じたい時に観る映画

今回は【ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ】です。

1997年にグラミー賞に輝いた一枚のアルバムを発端とし、

世界的に大ブームとなったキューバの伝説的ミュージシャン達の音楽。

この映画は彼等が語る生い立ちから、

ニューヨークのカーネギーホールでのコンサートまで、

ドイツの巨匠、ヴィム・ヴェンダース監督が流麗なカメラワークで仔細に記録した

音楽ドキュメンタリー映画です。

2000年の日本公開当時、私も渋谷のシネマライズで観たのを覚えています。

今回改めてこの作品を観て、今は亡き偉大なミュージシャン達の演奏に、

人生の真理を感じました。

彼等が楽器を奏でたり、歌う事の根源には、

相手の事を知りたいという欲求が含まれているのです。

一緒に奏でる人、一緒に歌う人が何を考え何を感じているのか。

人との関係性の中にこそ存在する音楽を、

彼等は生涯を通して突き詰めていったのかと思います。

キューバという特殊な国に生まれ育ったという事も、

もしかしたら関係しているのかも知れません。

しかし、純粋に音楽に身を委ねる素晴らしさを体現する彼等に、

政治的な緊張や排他的な思想を感じたりはしません。

そこには長い年月を掛けて自分達の音楽を作り上げてきたミュージシャンの、

輝かしい人生が旋律となって爽やかに響き渡っていました。

音楽の喜び

この映画のそもそものきっかけはライ・クーダーという一人のギターリストにあります。

アメリカ生まれの彼は、60年代から様々なバンドやユニットで活躍、

その後世界中のルーツ・ミュージックを発掘し、

それを広める活動を通して高い評価を受けたミュージシャンです。

彼は旅行で訪れたキューバで地元のミュージシャン達とセッションをし、

その哀愁ある独特の音楽に共鳴し、

その素晴らしさを世界に知らせる為に作品を作りました。

そのアルバム【ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ】が、

1998年のグラミー賞の最優秀トロピカル・ラテン・ポップ・パフォーマンスを受賞。

映画では再度キューバを訪れたライ・クーダーがミュージシャン達と再会し、

カーネギーホールでコンサートを行うまでの行程をドキュメントしています。

監督はドイツ出身のヴィム・ヴェンダース。

有名な【パリ・テキサス】という作品ではライ・クーダーが音楽を担当しています。

ヴィム・ヴェンダースの映像には劇映画では無くとも、

鋭い演出を感じさせるシーンが随所に見られます。

写真家としても有名な監督が切り取るキューバの風景は、

見事な構図の中に人々の生活の息遣いがしっかりと記録されています。

本当に何気ないショットの中に、キューバの悲哀と、

被写体の人生の重みの様なものを感じさせる事が出来るのです。

独裁政権下から革命を経て、

社会主義国家として西側世界から距離を置いたキューバの歴史。

彼等の人生にどんな苦悩があったのかは計り知る事が出来ないですが、

音楽の上では全く変わらない人間であるという、

当たり前の事実に心から感動出来る作品です。

音楽の喜びは本当に普遍だと感じます。

ラテンアメリカの味

今日のおつまみは【メキシカンサラダ】です。

映画はキューバですが、隣近所のメキシコを意識したメニューです。

チリコンカルネ風の挽肉と大豆のトマト煮を中央に、

アボカドと黒オリーブの酢漬けを散らして、

トルティーヤの代わりのドン・タコス。

マヨネーズとケチャップを混ぜたものにパプリカで香りを加えたドレッシング。

ゆで卵の甘味とプチトマトの酸味がアクセントになって、

食べ応えのあるサラダになっています。

これはコロナビールが欲しくなる一品ですね。

国境を越えた音楽

画像引用:IMDb

映画のラストシーン。

ニューヨークのカーネギーホールでのコンサート。

彼等の多くが近くて遠い国・アメリカ合衆国に初めて訪れます。

大都会の摩天楼に驚愕し、見るもの全てに新鮮なリアクションを見せる

彼等は実に生き生きとしています。

長い演奏家としてのキャリアに待ち受けていたまさかの大舞台。

このコンサートでの彼等の表情が実に感動的なのです。

客席から受け渡されたキューバ国旗を誇らしげに広げて、

満面の笑みを浮かべる伝説のミュージシャン達。

その軽やかで哀愁漂う演奏の深い人生讃歌。

音楽に国境は無いと言いますが、

アメリカとキューバの国境には深い溝が横たわっていました。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブがカーネギーホールでコンサートを

成功させた事の意味する所は、私達の想像を遥かに超える意義があるのかも知れません。

キューバの青い空を感じたい時に観る映画。

その空の青さはヴィム・ヴェンダースの見事な構図と共に、

記憶に深く刻まれる事でしょう。

その時に脳裏を過るのはブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの

軽やかな演奏と歌声。

人生の悲しさと美しさを歌った、

例えようもない味わいを持った音楽の力を是非体感して下さい。