画像引用:© 2024 Conclave Distribution, LLC.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【教皇選挙】です。
2024年公開のアメリカとイギリスのサスペンス映画。
世界中に14億人もの信者を持つ
世界最大の宗教であるカトリック教会。
そのトップに君臨するローマ教皇の選出選挙の裏側に迫った物語です。
くしくも今作が上映していた期間に
実際のローマ教皇フランシスコが逝去し、
映画に対する注目が一気に高まるという現象でも話題になりました。
この映画はこんな人におススメ!!
●カトリック教会に興味のある人
●権力闘争が好物な人
●激渋な俳優達の演技合戦が観たい人
●宗教の本質について考えたい人
| タイトル | 教皇選挙 |
| 製作国 | アメリカ、イギリス |
| 公開日 | 2025年3月20日(日本公開) |
| 上映時間 | 120分 |
| 監督 | エドワード・ベルガー |
| 出演 | レイフ・ファインズ、スタンリー・トゥッチ、ジョン・リスゴー、イザベラ・ロッセリーニ |
知られざる世界の裏側を覗きたい時に観る映画
キリスト教の最大教派であるカトリック教会。
その最高指導者であるローマ教皇の選出選挙の
知られざる裏側に迫ったサスペンス映画です。
映画公開時の2025年4月に実際のローマ教皇フランシスコが逝去し、
映画同様バチカンで教皇選挙(コンクラーベ)が行われた事で、
多くの注目を集めました。
監督のエドワード・ベルガーはドイツ出身で、
2022年公開の【西部前線異常なし】で高い評価を受けた人物です。
第97回アカデミ―賞に於いては作品賞など8部門のノミネートを受け、
脚色賞を受賞しています。
ローマ教皇の選出選挙という余り馴染みの無いモチーフでありながら、
そして殆どのシーンが密室での地味なやり取りに終始しながらも、
人間の真理に深く迫り緊迫感満点の演出で極上のサスペンス作品に演出した、
エドワード・ベルガー監督の手腕は見事でした。
教皇選挙の進行役の主人公・ローレンス枢機卿を演じたレイフ・ファインズ。
リベラル派の有力候補・ベリーニ枢機卿を演じたスタンリー・トゥッチ。
保守派の有力候補・トランブレ枢機卿を演じるジョン・リスゴーなど、
実に渋く演技派の俳優を取り揃えた重厚感が見物でもあります。
全てが秘密裏に密室で行われる教皇選挙の、
驚きの内側を覗き見る事の出来る興味深い作品になっています。
聖職者とて人間

画像引用:© 2024 Conclave Distribution, LLC.
今作の最も面白い所は、
教皇選挙という実に重厚で高尚なイベントでありながら、
その内側は権力闘争のドロドロとした人間ドラマに
終始する点にあるのでは無いでしょうか。
互いの足を引っ張り合い、
疑心暗鬼の化かし合い。
スキャンダルにまみれ、保身や野心が入り乱れ、
壮絶な泥試合がかの荘厳なシスティーナ礼拝堂で密かに行われるのです。
カトリック教会の総本山と言えど、
その小競り合いは実に滑稽で醜い争い。
まるで子供の喧嘩の様な罵り合い、
本心を隠した騙し合い。
神に仕える身の高僧達の陰湿な鍔迫り合いは、
その滑稽さに笑っていられる内は未だしも、
次第に薄ら恐ろしいホラーを観ている様な気にさえなってきます。
教皇の崩御に伴い、粛々と取り進められる新しい教皇を決める為の様々な儀式。
その一つ一つを丹念に描く事で、
私達の知らなかったカトリック教会の世界がリアルに浮かび上がってきます。
その何百年と続いてきた歴史の重み、
旧態依然とした積み重ねの恐ろしいまでの取り決め。
世界中であらゆる立場の違いから起こる紛争や戦争の事を考えると、
この古きカトリックの価値観がもたらした影響の大きさも実感できます。
宗教というものの意味、その存在意義。
そんな事を改めて考えさせる内容にもなっているのです。
おつまみの根比べ

今日のおつまみは【挽肉とカボチャのグラタン】です。
身を切る寒さが続く年末年始でしたが、
身体の中から温めるのならやっぱり熱々のグラタンが一番です。
今回は挽肉とカボチャを具材に、
牛乳とコンソメで簡易的なグラタンにしました。
カリッと焼いたバゲットと白ワインがよく合います!
悩める主人公の出した答え

画像引用:© 2024 Conclave Distribution, LLC.
この物語の最大の秀逸だった点は間違いなく主人公のキャラクターでしょう。
教皇選挙の主催として全てを取り仕切るローレンス枢機卿は、
実はその信仰に迷いを持っていてバチカンから去ろうと考えていた人物。
権力闘争には興味が無く、
ただその厳格なまでにルールを重視する性格を前教皇に買われていた様。
その前教皇の思惑通り、
次々に発覚する有力候補達のスキャンダルに対して
見て見ぬ振りが出来ないローレンスによって選挙の行方は益々混迷していきます。
この辺りの悩める中間管理職的な悲哀は、
観ていて同情すら感じさせるのですが、
同時に滑稽でもあり観客の感情移入を見事に誘うのです。
ルールに厳格で曲がった事が大嫌いなローレンスは、
次第に自らが教皇になる決心を固めていきます。
マシな候補がいないならもう仕方が無いと言った体なのですが、
ここでまさかの伏兵が群衆の心を掴む演説をぶつ事になるのです。
これも前教皇が密かに選挙に紛れ込ませた
誰も認知していなかったアフガニスタン教区の枢機卿。
その私利私欲の無い本音を晒した物言いに誰もが圧倒され、
主人公のローレンスもルールに厳格な事を良しとする己の意志を曲げ、
この伏兵のベニテス枢機卿を推す事になるのです。
それは歴史や伝統からの脱却であり、
新しい価値観と多様性に踏み出す一歩。
荘厳なシスティーナ礼拝堂に吹いた爽やかな一陣の風でした。
悩める主人公が出した答えにこそ、
これからの世界の向かうべき多様性がある様な気がします。
知られざる世界の裏側の覗きたい時に観る映画。
法律も宗教も所詮は人間が作ったシステムです。
ルールを尊守する事は大事な事かも知れませんが、
それ以上に重要な事もあるのだと今作は問題提起しています。
ローレンス枢機卿は自らの「直感」を信じて、
答えを出す事が出来ました。
システィーナ礼拝堂の煙突に上がった白い煙が、
本当の意味でこの混沌とした世界に
光を与えてくれることを切に願います。



