画像引用:©Pine District, LLC.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【フランシス・ハ】です。
2012年公開のアメリカのドラマ作品。
プロダンサーを夢見るニューヨーク暮らしのフランシスと、
彼女の身の回りに起こる取るに足らない日常。
直情的で不安定ながら憎めない主人公の、
ちょっと風変わりな愛おしい日々を綴った作品です!
この映画はこんな人におススメ!!
●夢を追い掛けている人
●恋人よりも友達が大切だという人
●都会生活に不安を感じている人
●人生の過渡期にある人
| タイトル | フランシス・ハ |
| 製作国 | アメリカ |
| 公開日 | 2014年9月14日(日本公開) |
| 上映時間 | 86分 |
| 監督 | ノア・バームバック |
| 出演 | グレタ・ガーウィグ、ミッキー・サムナー、 アダム・ドライバー、 |
夢と現実の狭間で揺れた時に観る映画
大きな夢を持って都会に出てきて、
やがて現実を知り焦燥感の中で新たな人生に舵を切る。
そんな誰にも少なからず心当たりのある様な普遍的な物語が、
正に等身大の主人公で描かれているのが
この【フランシス・ハ】という作品なのです。
その不思議なタイトルの秘密は映画のラストで明かされるので、
見てみてのお楽しみなのですが、
主演のグレタ・ガーウィグの自伝的とも言える脚本が
本当にリアルでさり気無くて、
観る者の感情移入を促す作りになっています。
監督は2005年公開の【イカとクジラ】で高い評価を受けた
ノア・バームバック。
主演のグレタ・ガーウィグとは公私共にパートナーで、
今作では共同で脚本を書きました。
彼女自身のエピソードも多いに活かされたという主人公フランシスの
どこかイタい若干空気を読めない感じの女性像が、
多くの女性の共感を集めました。
恋愛よりも友情。
夢よりも気楽な生活。
どこか不真面目でダラけた27歳という微妙な年齢の日々の描写が、
笑えて泣けて何故か生きる勇気まで与えてくれる。
そんな作品なのです。
人生の過渡期に踊る

画像引用:©Pine District, LLC.
主人公のフランシスはプロダンサーを夢見る27歳の独身女性。
親友のソフィーと世界一家賃の高いニューヨークでルームシェアをしています。
周りの人間が就職したり結婚したりと、
マイペースで個性的な性格の彼女も流石に焦りを感じるそんな最中。
唐突に親友のソフィーが引っ越してしまったり、
彼氏と別れてしまったり、
ダンス公演のメンバーから外されてしまったりと、
踏んだり蹴ったりの出来事が次々と襲い掛かってくるのです。
しかしそんな人生の過渡期にもフランシスは、
落ち込んだり物思いに耽ったりするのでは無く、
飲んで、食べて、笑って、踊って、
走って、転んで、また起き上がって走り出すのです。
つまりこの主人公の少し歪なポジティブさと、
底抜けに健康で元気な身体性とが、
物語の陰鬱を吹き飛ばして余りあるエネルギーを爆発させる所に、
この作品の魅力がある訳なのです。
自分に才能や魅力が足りない事も薄々気付いてはいる。
周りの人間達とも微妙に波長が合わないと感じている。
しかしフランシスは俯かず、後ろを振り返らずに、
愚直なまでに己のままに突き進んでいくのです。
そんな彼女の失敗だらけの日常に
共感と愛着を感じないでいる事は難しいのではと思います。
何故ならそれは私達自身の姿でもあり、
今何かに躓いている人にとっては
少なからず勇気付けられる筈だからです。
自分の経験をネタに物語を書く事は一見誰にとっても容易である様に見え、
実際はとても難しい行為なのです。
自分の人生を虚構化するという事は、
ある意味では自分に嘘を吐いて美化したり卑下したり、
客観性を保ちながら全体のバランスを図る事が
非情に困難であるからです。
しかしそれをノア・バームバック監督の他者的視点で描く事で、
被写体とに一定の距離感が生まれ、
観客が様々な思索を挟み込む余白を作る事に成功しているのです。
正にパートナーによる共同製作が功を奏しています。
ミニマムなおつまみ

今日のおつまみは【大豆とソーセージのガーリック炒め】です。
これ我が家の定番簡単おつまみなのです。
サラダ用の茹で大豆とカットしたソーセージ、
そして黒オリーブをガーリックパウダー多めに振り掛けて炒めるだけ。
たったこれだけで驚きの旨さのおつまみになるのです。
調理時間3分。
本当に重宝するレシピです。
自分自身を表現する新たな旗手達

画像引用:©Pine District, LLC.
今作の主演・共同脚本のグレタ・ガーウィグは、
ゼロ年代にニューヨークでブームになった「マンブルコア」と呼ばれる
新たな自主映画ムーブメントを象徴する人物。
ハリウッド映画の確立されたドラマ制作論に異を唱え、
自分達の生活をより密接に描き、
低予算ながらリアルで影響力のある作品が多く作られた時代でした。
映画の芸術性、兎角自己表現としての価値を強調し、
大仰な飾りつけや技術力では無く、
素材を活かしたオーガニックな描写でより親密な関係性を観客と結ぶ。
そんな制作論がこの作品にも大いに活かされている所があると思います。
特に何か大きな出来事が起こる訳でも無いこの物語に、
説得力を持たせているのは偏に作為性を排したこの自然体にあるのです。
普段我々が映画を観ていて無意識に期待している定石から離れ、
意外な方向に話が行ってもまるで違和感が無い。
それはフランシスというキャラクターが
圧倒的に説得力を備えているからに違いありません。
人は皆自分が選ばれた特別な人間では無い事にある時気が付きます。
自分は主人公では無かったのだと。
それが大多数の普通の人間なのです。
しかし彼等彼女等の日常にも驚く程変化に富んだ「何か」がある。
そこにフォーカスした今作の魅力は、
主人公の痛みも喜びもよりダイレクトに伝わってくるという所に
尽きるのでは無いでしょうか。
夢と現実の狭間で揺れた時に観る映画。
人間とは実に不確かで不思議な生き物です。
そしてそれを表現するのは中々難しい所です。
どんなに見事に描かれた「絵画」でも、
緻密に積み上げられた「脚本」でも、
実生活から立ち昇る「匂い」に勝るものは無い。
果敢にもそこに挑戦した映画人達の奮闘に、
私達映画ファンは掛け替えの無い「体験」を与えて貰っているのです。
フランシスは私達の生活の中にも生きている。
そんな風に感じさせてくれる見事な作品でした。



