アクション映画

映画【マッドマックス 怒りのデス・ロード】おつまみ【イカのカレー炒め】

画像引用:(c)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

この映画はこんな人におススメ!!

●かつてのシリーズのファンの人

●見た事の無いアクションを目撃したい人

●ド派手なカーチェイスが大好物な人

●ストレスをぶっ飛ばしたい人

タイトルマッドマックス 怒りのデス・ロード
製作国オーストラリア、アメリカ
公開日2015年6月20日(日本公開)
上映時間120分
監督ジョージ・ミラー
出演トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、
ニコラス・ホルト、ヒュー・キース・バーン

狂気の色に染まりたいと思った時に観る映画

今回は理屈抜きの超ド派手なアクション映画のおススメです。

日本の漫画「北斗の拳」にも多大な影響を与えた伝説の映画【マッドマックス】シリーズ。

1985年公開の【マッドマックス サンダードーム】から30年の時を経て、

まさかの続編公開で往年のファン達は狂喜乱舞しました。

核戦争後の荒廃した世界。

狂気に憑りつかれた人間達の果て無き攻防。

問答無用のバイオレンス描写。

そして過激なカーチェイスアクション。

映画の娯楽性を限界フルスロットルで突き詰めたアドレナリン全開の作品です。

当時無名の演劇生だったメル・ギブソンを世界的な大スターに押し上げ、

あらゆるアクション映画に多大な影響を与えた時代を代表するシリーズ。

今回は30年の間に急速に進化した映像技術を駆使して、

新たな時代のアンチヒーロー像を示してくれています。

見た事の無い様なド派手なシーンの連続で観客の度肝を抜き、

その独特の世界観は過去シリーズを知らない若い世代にも熱狂的な支持を得ました。

まさに映画の歴史に燦然と輝く伝説。

開いた口が塞がらない120分間の興奮は、

嘗て無い程のカタルシスを我々にもたらしてくれる事でしょう。

目的は生き残る事のみ

画像引用:(c)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

物語は核戦争後の荒廃した世界が舞台。

文明社会は失われ、暴力と混沌が支配する狂気の世界です。

主人公のマックスは家族を失い砂漠を彷徨っている所を、

イモータン・ジョーという狂信的な宗教集団の一味に拉致されてしまいます。

壊滅的な環境破壊と核兵器の影響で資源は枯渇し、一面砂漠の世界。

イモータン・ジョーはそこで地下水を牛耳る事で人々に独裁政治を強いていました。

この一見荒唐無稽とも取れる世界設定が、

初期シリーズ公開からの30年の間に絵空事では済まなくなってきているのが、

何だか恐ろしい気もします。

脱炭素が叫ばれて久しい昨今、中々芳しくない現状を鑑みると、

このマッドな世界の到来も多いにあり得るのでは無いでしょうか。

抜本的な解決の方向では無く、僅かな資源を奪い合う愚かな行動は、

これまでの歴史でも散々繰り返されてきた人間のカルマです。

希望の無い人々の唯一の目的はただその一日を生き延びる事。

最低のシナリオによるディストピア。

ただ派手なだけのアクション映画だと高を括っていると、

案外人類の行く末に辛辣な警句を発しているとも取れる作品なのです。

(しかしまぁ、そんな事を本気で考えてこの作品を観る人もいないとは思いますが)

この夢も希望も無い近い未来の世界において、

全てを制するのが「暴力」であるのは余りにも当たり前の事の様です。

全てを失い幻覚や幻聴に悩まされるマックスも、

ただ生き残る為だけに戦います。

しかしやがてその戦いにも他の理由が出来始めるのです。

それがこの映画のもう一人の主人公、フィリオサに関係してくるのです。

華麗な一皿

今日のおつまみは【イカのカレー炒め】です。

暑い日が続く中、我が家はカレー尽いています。

今回はイカと椎茸をカレーパウダーで炒めて葱を散らしました。

あ酒のお供にも、ご飯のおかずにもなる一品です。

暑さと湿気で食欲も落ちてしまいがちな季節。

そんな時はスパイスの力で何とか乗り切りましょう。

狂気的に辛いものはちょっと遠慮したい所ですが。

約束の地を目指して

画像引用:(c)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

イモータン・ジョーのカルト集団においてカリスマとして崇められる大隊長フィリオサ。

そんな彼女もかつては故郷から無理やり連れて来られた奴隷の立場でした。

ただ生き残る為に自らの手を血で染め戦いに明け暮れた日々。

しかし彼女は虎視眈々とイモータン・ジョーを裏切る機会を窺っていたのです。

それは彼女自身の為では無く、イモータン・ジョーの狂気の元に

生きる意味を無くしていた女達を自由にする目的でした。

そこに偶然関わる流れ者のマックス。

この2人の全く異なるキャラクターの交錯がこの作品の最も優れた部分なのです。

正義や大義の為では無く、ただ「生きる」為に戦うアウトローのカッコ良さ。

「死」を恐れない狂信的な集団を相手に、

「生」にしがみ付いた人間の強さが凌駕していく爽快さ。

度を越えた「暴力」が様式美にまで高められたアクションの多様性。

そのアイディアの秀逸さ。

老若男女、理屈抜きで興奮してしまう圧倒的な描写力と映像の迫力。

映画でしか無しえない興奮の高め方、その教科書の様な作品なのです。

かつて黒澤明監督の名作【用心棒】で三船敏郎が演じた流れ者の侍。

あの飄々として良き者なのか悪の者なのか分からない様な所。

このマックスというアンチヒーローにはそんな際どいカッコ良さがプンプンするのです。

狂気の色に染まりたいと思った時に観る映画。

映画とは本当に多様的な表現媒体です。

その一極をなす様なこの【マッドマックス 怒りのデス・ロード】という作品。

世界中の映画ファンが熱狂したというのにはやっぱり確かな理由があったのです。

それはやはり自分の眼で確かめるしか術はありません。

映画レビュー記事を書いていて何とまあ無責任な物言いですが、

結局はそれに付きますし、絶対後悔させない作品である事は保証します。