画像引用:IMDb
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【ハート・ロッカー】です。
イラク戦争の爆弾処理兵を描いた戦争映画。
戦場の極限状態をリアルに描いた、
重量感のある作品です。
この映画はこんな人におススメ!!
●リアルな戦争映画が観たい人
●極限の精神状態を体感したい人
●命の重さを実感したい人
●辛辣な反戦映画が観たい人
タイトル | ハート・ロッカー |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2010年3月6日(日本公開) |
上映時間 | 131分 |
監督 | キャサリン・ビグロー |
出演 | ジェレミー・レナー、アンソニー・マッキー、 ブライアン・ジェラティ、ガイ・ピアース、 レイフ・ファインズ、デヴィッド・モース |
戦争が何をもたらすのか知りたい時に観る映画
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2022/10/images-1.jpg)
画像引用:IMDb
今回は戦争の極限状態が人に何をもたらすかを描いた作品です。
今作はアカデミー作品賞を受賞し、
監督のキャサリン・ビグローは女性初のオスカー監督になりました。
低予算ながら徹底したリアリティで
爆弾処理という戦争映画としては比較的地味なセクションを
臨場感たっぷりに描いています。
主演はタフで無骨なキャラクターがピッタリなジェレミー・レナー。
マーベル作品の【ホーク・アイ】役でお馴染みの俳優です。
彼は爆弾処理のスペシャリトなのですが、
余りに大胆で命知らずな単独プレイに走るキワモノキャラ。
どこか常軌を逸している様な言動に危さがあります。
戦争の極限状態に馴れ過ぎてしまった人間の一種の依存症とも言えるでしょう。
この映画は戦争そのものの悲劇性と共に、
人の心に深く入り込む恐怖について言及したドラマ作品になっています。
通り一遍の常識的なテーマに留まらない、
骨太の人間ドラマが痛烈に胸を打つ一作です。
圧倒的リアリティ
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2022/10/23184.jpg)
画像引用:IMDb
この作品の魅力は何と言っても圧倒的にリアルな映像です。
スーパー16ミリフィルムで収められた粒子の粗い画が、
手持ち撮影で臨場感たっぷりに映し出されています。
画面の揺らぎや、ぶつ切れのカット割りが
戦場の不安定な時間の流れを見事に表現しているのです。
脚本のマーク・ボールは今作でアカデミー脚本賞を受賞していますが、
実際にイラクで爆弾処理班と行動を共にし、
本物の戦場を描く事に成功しています。
そこで生きる兵士達の生活を含め、圧倒的なリアリズムで書かれた
物語はまるでドキュメンタリーの様です。
主人公の爆弾処理のエキスパートであるジェームズ軍曹。
冷静沈着な性格で実直なサンボーン軍曹。
戦場の恐怖に押しつぶされそうになりながらも、
ギリギリの所で任務に当たっている若きエルドリッジ技術兵。
この3人の掛け合いがまた見事で、戦場の人間模様を実に
立体的に描き出しています。
この本格的な脚本と、リアリティに徹した撮影技術、
そして女性監督ならではの視点を散りばめたキメ細かい演出が相まって、
未だかつてない戦争映画に仕上がっています。
栄養満点の爆弾
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今日のおつまみは【納豆キムチお稲荷さん】です。
このヒリヒリするような戦争映画には似付かわしく無い平和なネーミングですが、
実は危険はおつまみなんです。
一見こんがりと焼き上げられた油揚げは朴訥とした雰囲気ですが、
ひとたび齧り付けば、中からは香り高い納豆とキムチの強力タッグ。
破壊力満点の刺激が口内を満たします。
爆弾の表面をコーティングしたチーズの風味も加え、
お酒がグイグイ進む最高な一品になっています。
レシピは不要でしょう。
油揚げに具を詰めて焼け!です。
究極の反戦映画
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画像引用:IMDb
この映画は一見して反戦を謳っている様には見えません。
戦争の狂気を描き、そこで傷付いていく人々は描きますが、
分かりやすい反戦を声高に叫ぶ映画ではありません。
人が本当に戦争で傷付き、その人生を台無にされるのは、
何も戦場だけで起こっている事だけでは無いのです。
一つ象徴的なシーンがあります。
主人公のジェームズが任期を終えて国に帰ります。
家族でスーパーマーケットに買い物に訪れ、
妻からシリアルを買ってくれと頼まれます。
スーパーの一角を埋め尽くすシリアルの棚。
その圧倒的な光景に戦地の英雄は立ち尽くします。
たかがシリアルにこれだけの種類があり、その差異は理解出来ない。
遠い国では子供の体内に爆弾が埋め込まれている中、
アメリカの都市はシリアルだけで気が滅入る程に溢れ返っている。
この光景を前にしたジェームズは戦場で爆弾を前にした彼とは少し違います。
この至極当たり前の光景を異常な物と捉えてしまう自分に気付くのです。
彼は既に普通の生活が送れない人間になってしまっている。
戦場から離れる事が肉体的にも、精神的にも苦痛になりつつある事。
戦争の狂気と不条理が人に何をもたらすのかを、
象徴的に表した素晴らしいシーンです。
キャサリン・ビグロー監督の優れた感性が、
間接的に戦争の恐怖を伝えます。
戦場の死を描く事以上に究極の反戦映画と言えるのでは無いでしょうか。
戦争が何をもたらすのか知りたい時に観る映画。
人の心に消えない傷を植え付ける戦争の恐怖。
人がその死に向かって大義だとか、国防だとか言う時に、
忘れてはいけないのは自分らしさです。
本当に大切な人生を思うのであれば、
私達はスーパーマーケットで立ち尽くすべきでは無いのだと思います。