画像引用:©2015 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【マネーボール】です。
2011年公開のアメリカのドラマ作品。
アメリカメジャーリーグの古豪オークランド・アスレチックス。
実在のGMビリー・ビーンをブラッド・ピットが演じ、
野球界の常識を打ち破る胸空くサクセスストーリーを描きます。
日本人選手の活躍がめざましい昨今、
改めてプロスポーツの世界の面白さを堪能出来る作品です!!
この映画はこんな人におススメ!!
●メジャーリーグベースボールが好きな人
●成功と挫折のドラマが大好物な人
●新しい視点を取り入れたい人
●人生を熱くするものを欲している人
| タイトル | マネーボール |
| 製作国 | アメリカ |
| 公開日 | 2011年11月11日(日本公開) |
| 上映時間 | 133分 |
| 監督 | ベネット・ミラー |
| 出演 | ブラッド・ピット、ジョナ・ヒル、 フィリップ・シーモア・ホフマン、 クリス・プラット、ロビン・ライト |
勝負にこだわりたい時に観る映画
日本人選手の活躍で益々注目されるアメリカメジャーリーグですが、
今作は選手達のサクセスストーリーでは無く、
球団のゼネラルマネージャーにスポットを当てた作品になっています。
日本ではあまり馴染みの無い役職かも知れませんが、
球団運営に絶体的な権限を持ち、選手の獲得や移籍の決定権、
チームに纏わるありとあらゆる分野の責任を担う要職です。
スポーツとは言えプロの世界は利益を目的としたビジネス。
その為に重要なのが言わずもがな試合に勝つ事なのです。
しかし各球団には歴然たる資金格差というものがあります。
いい選手を集めるには当然お金が必要。
今作の主人公ビリー・ビーンがGMを務めるアスレチックスというチームは、
リーグでも最低レベルの弱小球団でした。
しかし勝負への飽くなき挑戦に燃えるビリーは、
下位常連のチームを革新的な理論で立て直し、
誰もが驚く結果を遂げていくのです。
正にジャイアントキリングを地で行くサクセスストーリー。
これはメジャーリーグという最高峰の世界で起きた一つの奇跡の物語。
しかし彼等の挑戦は私達の日常生活にも通ずる指標でもあるのです。
状況を冷静に分析し、地道にデータを集め、必要な部分と不必要な部分を明確に取捨する。
古い価値観を捨て、新しい理論に果敢に挑戦し、自分を信じて最後まで貫き通す。
この映画は例え机上の空論と馬鹿にされようと、
失敗を怖れずに勝ちに拘わった勇者達のその生き様から、
明日への希望を感じられる様な胸アツのトゥルーストーリーなのです。
歴史を変えるのはいつだって大胆な破壊者

画像引用:©2015 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved.
本作の主人公ビリー・ビーンが伝説となったのは2002年シーズン。
20連勝という快挙を成し遂げたチームの躍進の源が、
「セイバーメトリクス」と呼ばれる統計学的な戦力分析手法でした。
野球とは「アウトを取られなければ試合が終わらない」という概念の元、
送りバントや盗塁を否定し出塁率を最も尊重した考え方。
バッターで言えば打率や打点、
ピッチャーであれば防御率が選手評価の最重要項目であった従来の形を変え、
年俸の低い選手達でも十分に戦えるという戦法を生み出す発想の転換でした。
当然、実績や精神論で凝り固まった業界からは嘲笑われ、
チームのフロントスタッフからも反感を受ける険しい道だったのですが、
ビリーは徹底的に選手達の評価基準を見直し、それに準じた体制を整え、
それまでのポリシーを改めて選手達と密にコミュニケーションを図るなど、
次々と周りを驚かす政策に踏み出すのです。
どんな分野に於いても、歴史を変えるのは大胆な破壊者だったりします。
織田信長やナポレオンの様な強烈なカリスマ性を持った指導者は、
それまでの常識を破壊し、全く新しい価値観の元に他を圧倒してきました。
昨今のIT企業の創始者達にも言える事ですが、
周りからは異質な奇人だと思われる様な人物が、
想像も付かない様な結果を出す例は枚挙に暇がありません。
そこには現状を打破する執念と、勝利への飽くなき拘りがあり、
ビリーの信念が周りの人間達を変え、そのエネルギーが増幅していく様は、
私達にも多くの生きるヒントを与えてくれるのでは無いでしょうか。
見ようによっては非情で冷徹な決断と受け取られてしまう様な仕事ですが、
結果に対する責任を一手に負ったビリーの覚悟を持った姿勢には、
観る者の胸を打つものがあります。
知られざる世界の知られざる人間の姿を知れる事も、
映画の持つ大きな醍醐味であると感じます。
メジャー級のおつまみ

今日のおつまみは【タコライス】です。
ヘルシーかつボリュームと満足感のある一品。
バランスの良さは正にメジャー級です。
今回はトルティーヤチップスの代わりに餃子の皮を揚げたもの。
タコスミートにはミニトマトとブラックオリーブを細かく混ぜました。
旨すぎてお酒のアテと言うよりも一気食いしてしまいました。
メジャーリーグのチーム編成の様な多国籍食材の共演。
どんな物でも合う懐の深さがこの料理の魅力ですね。
誰が為に戦うのか

画像引用:©2015 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved.
今作の主人公ビリー・ビーンは決して順風満帆な
エリートコースを歩んできた人間ではありませんでした。
将来有望の選手としてニューヨーク・メッツに
スカウトされメジャーリーガーとなりますが、
結果が出せずにプレーヤーとしては活躍する事が出来ませんでした。
その後スカウトに転身し頭角を表しますが、
弱小球団のGMまで昇り詰めた所で
巨額の資金を持つ球団との歴然とした格差に失望させられます。
雑草根性で成り上がったビリーの野望はジャイアントキリング。
彼は愚直なまでに弱者が強者を喰う大逆転劇を追い求めて喘ぎ続けるのです。
彼がアスレチックスを勝たせる為に自らを悪者にしてでも貫いた非情な決断は、
金や名誉の為では無く、己のプライドに対する熱い想いが原動となっているのです。
勝負の世界では結果が全て、勝てば官軍負ければ賊軍です。
彼にとっては20連勝した所で何の意味も無い。
チャンピオンになる事のみが「勝利」なのです。
誰かを喜ばせたり、誰かに寄り添う事も美しい事かも知れませんが、
誰に何を言われようが「勝ち」に拘る彼の姿勢に、
現代人が忘れ掛けていた「勝つ」事の本当の意味が描かれているのです。
それは逆説的に言えば、結果を怖れずに「勝負」に挑む姿勢。
そこから目を背けずに死力を尽くすモチベーション。
要は「覚悟」の問題なのです。
勝負にこだわりたい時に観る映画。
挫折を経験した人間だからこそ「勝ち」に拘る事に意味がある。
ボストンの名門チームから巨額のオファーを受けたビリーが、
それを蹴ってまでアスレチックスで強豪球団を負かせる事に執着した姿にこそ、
スポーツがただの娯楽では無いという事の証が詰まっていた様に感じます。
「成功」だけが人生の目的では無く、
愚直なまでに「勝負」に拘った一人の夢見る男の物語。
我々映画ファンはいつだって、
そんなおバカなドリーマーをスクリーンで観たいと熱望しているのです。



