画像引用:IMDb
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【2001年 宇宙の旅】です。
映画史上最も重要な作品と呼ばれる、
スタンリー・キューブリック監督の傑作SF映画。
とかく難解な作品という評価ですが、
驚愕の映像と想像力を臨界点まで刺激する、
空前絶後の映画体験が出来る作品です!
この映画はこんな人におススメ!!
●洗練されたデザインが観たい人
●生命の神秘を感じたい人
●宇宙の深淵を覗きたい人
●異次元の映像体験がしたい人
タイトル | 2001年 宇宙の旅 |
製作国 | イギリス、アメリカ |
公開日 | 1968年4月11日(日本公開) |
上映時間 | 142分 |
監督 | スタンリー・キューブリック |
出演 | キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、 ウィリアム・シルベスター、ダグラス・レイン |
生命の起源を考える時に観る映画
今回は映画の歴史を変えたと言われる伝説の作品のおススメです。
寡作の天才監督、スタンリー・キューブリックの代表作にして、
SF映画の金字塔。
後の作家に多大な影響を与え、今日まで人々を惹き付け続ける映画です。
1968年当時のアメリカはベトナム戦争真っ只中の混迷の時代。
あらゆる価値観が揺れ動き、新たな時代への過渡期にありました。
映画公開の1年後にはアポロ11号の月面着陸があり、
それに先駆ける形で、映画は遥かな宇宙の神秘と謎に迫る役割を担いました。
所謂SF映画とは一線を画した内証的な作風ですが、
その鋭い暗喩的表現と主題の深さは今日に至るまで映画ファンの語り草になっています。
著名なSF作家であるアーサー・C・クラークとの共同作業で作り上げた脚本は、
説明的な台詞やモノローグを極力排除し、映像と音楽で豊かな表現がされています。
洗練されたデザインと、完璧な画面構成。
キューブリック監督の完璧主義が貫かれたこだわりのカットの連続に、
息を吞む様な気持ちにさせられます。
人類の永遠の謎である宇宙の真理と生命の進化。
圧倒的な映像で深淵なる命題に観客を誘う、至極の映画体験です。
異次元で宇宙飛行士が見たもの
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/08/science-fiction-movies-2001-a-space-odyssey-wallpaper-preview.jpg)
画像引用:IMDb
物語は400万年前の地球から始まります。
人類の祖先にあたるヒトザル達の生存競争の中に、
突然黒い石碑の様なもの【モノリス】が現れます。
この【モノリス】に触れたヒトザルが動物の骨を武器として使う知恵を得て、
人類の進化が始まるという有名なシーン。
ヒトザルが空に投げた骨がワンカットの内に宇宙空間に浮かぶ衛星に変わる描写は、
映画史に残る見事な演出です。
この【モノリス】による人類の進化が、
遂には宇宙空間への探索にまで及んだという時間の膨大な流れを、
わずかワンカットで説明してしまっているというのが驚きです。
そして物語は更に、木星探査の命を受けたディスカバリー号の船内へと移っていきます。
最新鋭の人工知能HAL9000型が完璧に統制を取っていたはずのミッションに、
疑念の陰りがもたらされます。
この人類の叡智の究極である人工知能にバグが生じる辺りの展開が、
50年以上前の映画だとは信じられない様な先見性を感じさせます。
まるで現代の生成型AIの開発競争を予見していたかの様です。
そしてミッションのクライマックスに宇宙飛行士が木星付近の宇宙空間で遭遇する
未知の体験。
時間と言う概念を超越した多次元空間で、
生命の誕生と、宇宙の真理の輪廻性を見事に理屈では無く映像で体験させてくれるのです。
映画が観るものからアトラクションへと変化した瞬間。
観客が体験として映画を傍受出来る作品の誕生。
スタンリー・キューブリックという天才監督が成し得た最大の功績とも言える、
正に映画の概念そのものを変えてしまった作品なのです。
異次元のおつまみ
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/08/IMG20230812190015-1024x768.jpg)
今日のおつまみは【ポークソテープレート】です。
100記事を越えたえいがひとつまみですが、
毎回色んなおつまみを作ってくれる妻の貢献は異次元です。
なるべく同じメニューにならない様に頑張ってくれています。
今日はポークソテーのソースは粒マスタード仕立て。
付け合わせはオートミール生地のピザと、
ゴーヤと舞茸の炒めもの。
夏はやっぱりバーボンソーダが最高ですね。
終わらない映画
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/08/desktop-wallpaper-stanley-kubrick-s-2001-a-space-odyssey-to-be-shown-in.jpg)
画像引用:IMDb
この【2001年宇宙の旅】という映画には、
様々な解釈が許される懐の大きさがあります。
世界中の専門家に考察しつくされた研究対象でもあるので、
今更ながらころっぷ程度の映画ファンがしたり顔で語ってもたかが知れるでしょう。
しかしこの作品は円環系のクライマックスとも解釈出来る所があって、
つまり映画のラストがまたファーストシーンに続いていく様なエンドレス作品なのです。
この終わらない映画にそもそも答えというか正解は無くて、
その人が感じる事に意味があるのだと思うのです。
世に難解と呼ばれる作品の多くは、この答えを持たないという奴、
もしくはこれが正解だと提示してくれない奴ですよね。
与えられる事に慣れ過ぎて、
自分なりの解釈に自信が持てないのは仕方無いのかも知れません。
でも正解は無いのですから、思ったままでいいんだと思います。
これも映画鑑賞の一つの楽しみですよね。
生命の起源を考える時に観る映画。
SFという文学ジャンルはとかく宗教的な雰囲気を纏います。
あるいは哲学や史学の様に、人間の存在の根幹に挑んでいく所があります。
この【2001年宇宙の旅】という映画も、
視覚的なイメージの羅列で我々をとんでもない所まで運んで行ってくれます。
何度観ても新鮮な感動をくれる作品ですが、
未見の人には本当に騙されたと思って観て頂きたいですね。
勿論、深淵なる宇宙空間で鼾を掻く事になるかも知れませんが、
一つのイニシエーションと思って試してみるのもおススメです。