ドキュメンタリー映画

映画【パヴァロッティ 太陽のテノール】おつまみ【牛肉と茸の洋風すき焼き】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【パヴァロッティ 太陽のテノール】です。

2007年に惜しまれつつこの世を去った世界的オペラ歌手パヴァロッティ。

奇跡の歌声を持つテノール歌手の愛に満ちた生涯を、

情感たっぷりに描いた珠玉のドキュメンタリー作品です。

この映画はこんな人におススメ!!

●オペラに興味がある人

●奇跡の歌声に触れてみたい人

●音楽の力を体感したい人

●人生を肯定したい人

タイトルパヴァロッティ 太陽のテノール
製作国イギリス、アメリカ
公開日2020年9月4日(日本公開)
上映時間115分
監督ロン・ハワード
出演ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、
ホセ・カレーラス、ズービン・メータ、ボノ

奇跡の歌声を体感したい時に観る映画

世界三大テノールと呼ばれ、

オペラ歌劇の頂点に長く君臨したルチアーノ・パヴァロッティ。

その明るく人懐こい性格で聴衆から愛され、

尊敬された偉大なるマエストロ。

この映画では膨大な未公開の映像と、

生前の彼を知る多くの人々の証言を元に、

唯一無二の歌声で世界を太陽の様に照らした、

パヴァロッティの人間性に迫ります。

聴く者の魂を震わせる強く美しい歌声。

人生の悲喜こもごもを伝える類稀な表現力。

オペラを知らずともその歌のワンフレーズを聞けば、

惹き付けられずにはおられない圧倒的な魅力があります。

何故パヴァロッティの歌には人を感動させる力があるのか。

名匠ロン・ハワード監督によって我々はパヴァロッティの

真実の姿を知る事になります。

それは人に感動を与えるマエストロの苦悩と夢の物語。

そして与える者の宿命と深い愛情の悲喜劇。

世界に与え続けるということ

画像引用:IMDb

パヴァロッティの歌声は正に天頂から降り注ぐ太陽の光の様です。

全てを包み込み、生の喜びを感じさせる歌声です。

それは彼自身の愛情深さ。

そして人間の生命力を歌で人に伝えたいという欲求でもありました。

オペラ歌手とは物語の語り部、ストーリーテラーです。

パヴァロッティが人を惹き付けるのはその表現力に、

天性の才能があったからだと思います。

人間がいかに儚く美しくそして愚かな生き物であるかを、

時に雄大に時にユーモラスに聴衆に伝えていきます。

常に向上心を持って前進する事。

パヴァロッティはプロフェッショナルとして完璧主義を貫きました。

全身全霊で持てる力の全てを聴衆に与え、

全ての人を信じ、分け隔てなく愛しました。

時にそういった偉人は世間からの嫉みと偏見でバッシングの対象になったりもします。

自由な生き方が批判される事もあります。

世界に与え続けてきたパヴァロッティが、その人生から奪われたもの。

それは想像を絶するプレッシャーと、

世間からの厳しい眼差しに晒され続けるストレスでもありました。

道を究め、大きな影響力を持った者にこそ降り掛かる困難。

有名になる事と引き換えに払わなければならない代償。

彼の生涯を考える時、我々には改めて人生の意味について、

深く考察する必要がある様な気がします。

本当の幸せや、真実の愛について。

人は何が出来るのか。何が出来ないのか。

パヴァロッティが生涯を費やして世界に与えた愛の意味を、

考えさせる映画になっています。

食卓のオペレッタ

今日のおつまみは【牛肉と茸の洋風すき焼き】です。

これぞ冷蔵庫の中身の即興オペラと言った一皿です。

滋養たっぷりの悲喜劇でお酒もドンドン進みます。

ベテラン主婦の妻レシピは、そのほとんどが再現不可能な即興調理。

その時その場の出会いが、食卓に感動を与えます。

歌の持つ力を信じた偉大なマエストロの様に、

食材のポテンシャルを信じた妻のおつまみは、

魂震わすテノールと共に人生に喜びを運んできてくれます。

ありのままに生きるということ

画像引用:IMDb

オペラ歌劇の頂点を極め、世界的大スターになったパヴァロッティ。

そんな彼の後半生は慈善活動に邁進する事になります。

ロックスターやポップミュージシャン達と積極的にコラボレーションをし、

そこで集めた資金で学校を設立したり、多額の寄付をしました。

不倫問題や親子程の年齢差があった再婚では世間からバッシングを受けましたが、

自由と芸術を愛したマエストロの偉業は今日に至るまで尊敬を集め続けています。

既成概念に捉われない表現手段とその生き方が、

パヴァロッティの歌声に他には無い説得力と切実さを植え付けているのだと思います。

時代の変化と共に、益々ありのままに生きる事が困難になっていますが、

人の持つ優しさや、強さや、弱さをありのままに歌にする事が出来た、

最後の時代の歌手だったのかも知れません。

この映画では彼の人生が決して華やかなだけではなく、

苦悩の連続であった事が見て取れます。

逆境や批判の中でも臆する事無く立ち向かった、

一人の人間の必死な姿が強く胸を打つのです。

奇跡の歌声を体感したい時に観る映画。

そこには愚直にも愛の力を信じ、その歌声で世界を変えようとする

心優しい大男の笑顔がいつまでも刻まれています。