画像引用:©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【リアル・ペイン~心の旅~】です。
2024年公開のアメリカのドラマ作品。
2010年公開のデヴィッド・フィンチャー監督作品、
【ソーシャル・ネットワーク】で
フェイスブックの創始者ザッカーバーグを演じて
一躍注目を浴びたジェシー・アイゼンバーグが
製作・脚本・監督・主演を兼任しました。
ホロコーストという重い人類の負の歴史を扱いながら、
心温まる友情と旅を描いた爽やかな余韻が残る作品です!
この映画はこんな人におススメ!!
●旅に出たいと思っている人
●自分のルーツに関して考えたい人
●男同士の友情が見たい人
●他人の痛みを知りたいと思う人
| タイトル | リアル・ペイン~心の旅~ |
| 製作国 | アメリカ、ポーランド |
| 公開日 | 2025年1月31日(日本公開) |
| 上映時間 | 90分 |
| 監督 | ジェシー・アイゼンバーグ |
| 出演 | ジェシー・アイゼンバーグ、 キーラン・カルキン、ウィル・シャープ |
心の旅に出たいと思った時に観る映画
旅を扱う映画は古今東西様々ありますが、
所謂「ロード・ムービー」と呼ばれる人気ジャンルでもあります。
今作品は性格が全く正反対の従兄弟同士の男性二人組が、
自分達のルーツであるポーランドを旅するというストーリーです。
製作・脚本・監督・主演を務めるジェシー・アイゼンバーグ自身も
ユダヤ系アメリカ人であり、
ポーランドにルーツを持つ移民3世。
嘗て第二次世界大戦中にナチスドイツによって大迫害を受けた
ポーランドのユダヤ人達に降り掛かった大きな「痛み」を、
現代に生きる人間としてどう扱うべきなのかという深いテーマが、
一見軽妙な脚本の中に潜まれています。
そして歴史の中の大きな「痛み」に対して、
個人の中にある小さな「痛み」を同時に描いている点もまた見事なのです。
長年疎遠だった従兄弟同士の二人は、
それぞれに心に問題を抱え、
現代社会の中で生き辛さを感じている。
そういった個の「痛み」とどう向き合いどう関わっていくべきなのかを、
自然と観る者に考えさせる奥深い物語になっています。
誰に対しても本音で開けっ広げな物言いをし、
デリカシーに欠ける所はあるが同時に魅力的でもある
ベンジーというキャラクターを演じたキーラン・カルキンが、
第82回ゴールデングローブ賞と第97回アカデミー賞に於いて、
助演男優賞に輝きました。
見事な脚本と美しい撮影、
そして素晴らしい俳優のパフォーマンスの三拍子が揃った、
笑えて泣けて考えさせる珠玉の一作のおススメです!
旅とは相互理解への道

画像引用:©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
主人公のデヴィッドはニューヨークに住むユダヤ系アメリカ人。
最愛の祖母の遺言で、
長年疎遠だった従兄弟のベンジーと共に、
祖母の故郷であるポーランドに旅に出ます。
そこで二人はポーランド歴史探訪ツアーに参加し、
人類史上最悪の負の遺産であるホロコーストの記憶に触れるという物語。
神経質で心配性なデヴィッドは内向的な性格で、
他者とのコミュニケーションが苦手。
反対にベンジーは明るく楽天的に見え、
誰とでも直ぐに打ち解ける外交的な性格。
しかしこのベンジーの物怖じせずに何でも本音をぶちまけてしまう性質が、
至る所で他人に不快感を抱かせてもしまうのです。
この対照的な二人が言葉も通じない異国の地で繰り広げる珍道中が、
テンポ良く明るい雰囲気で描写される前編の楽し気な雰囲気と、
ホロコーストの残忍さを現代に伝える強制収容所の見学シーンなど、
重く圧し潰されそうな悲しみと憤りを
感じさせる映画後半との対比が実に印象的です。
ベンジーは悲惨な戦争の遺産を観光地化する事への矛盾を感じ、
言葉に出来ない苦しみを内に抱え苛立ちます。
他者を理解する事の難しさ、
自分の生き方を理解して貰う事の困難。
繊細であるが故に傷付いてしまう二人の姿を通して、
映画は同じ様に苦しむ人々にそっと寄り添ってくれます。
全てを共有出来る訳ではありませんが、
二人の人間が抱える「痛み」は、
旅の中でゆっくりと溶け合っていく。
そこに微かな希望を感じさせてくれるのです。
山盛りの旅

食べる事、飲む事が生き甲斐の我々夫婦。
この山盛りの唐揚げもあっという間に平らげました。
この食欲でどこまでいけるのか、
先の事は誰にも分かりませんが、
えいがひとつまみがある限り、
この楽しい日々は続くのだと思います。
このブログももうすぐ開始して四年が経ちます。
250本以上の映画を紹介してきたので、
おつまみもそれだけ頂いてきたという事。
感謝の日々です。
旅で得た物、人生で失った物

画像引用:©2024 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.
二人は旅を終えて何を得てどんな風に変わったのでしょうか?
映画は冒頭とラストがそれぞれ空港のシーンになっています。
言わば旅のビフォアとアフターが対比的に描かれ、
物語全体が円環構造の元に回収されていきます。
デヴィッドは自分とは違う感性で自由に生きている様に見える、
ベンジーの影響を受け自分自身と向き合うキッカケとしました。
満たされぬ想いを抱えたままかも知れませんが、
帰る場所があり愛する家族がいるという事に、
以前よりも前向きに希望を持てた様な表情を見せていました。
一方のベンジーは、
愛する祖母を失った喪失感の中で不安定な情緒で過ごした旅でしたが、
様々な場所を観て人々と接する事で、
心の隙間に僅かながら満たされるものもあったのだと思います。
しかし、デヴィッドと別れ一人空港のロビーに佇む彼の表情には、
どこか途方に暮れた様な所在の無さが見て取れます。
彼はどこにいても、
何をしていても満たされない自分の苛立ちや、
理解されないもどかしさ、
他人を寛容出来ない自分の性質、
そんな全てに心底絶望していて自殺未遂までしていました。
そんな彼が祖母のルーツを観て、
悲しい歴史の上に何も知らない人達の生活が築かれている街を観て、
一種の虚無感からの解脱を感じさせるような表情だったのではないかと、
個人的には感じました。
勿論それで全てが上手くいくとは限りませんが、
自分の凝り固まった考えに固執しても、
そこからは何も生まれないという事を悟った旅であったのでは無いでしょうか。
心の旅に出たいと思った時に観る映画。
旅は人を大きく変えるキッカケになったりします。
また久し振りに旅に出たいと心から思いました。



