画像引用:IMDb
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【Ryuichi sakamoto:CODA】です。
2023年3月28日に亡くなった坂本龍一のドキュメンタリー作品。
2012年から5年間にも渡る密着取材から見える人間・坂本龍一の生の姿。
世界中からリスペクトされる偉大なアーティーストの最後のメッセージ。
魂を震わせる旋律と共に見応えのある映画です!
この映画はこんな人におススメ!!
●世界のサカモトをもっと知りたい人
●人生の最後について考えたい人
●音楽の新たな魅力を知りたい人
●好きな事に全力でのめり込みたい人
タイトル | Ryuichi sakamoto:CODA |
製作国 | アメリカ、日本 |
公開日 | 2017年11月4日(日本公開) |
上映時間 | 102分 |
監督 | スティーブン・ノムラ・シブル |
出演 | 坂本龍一 |
飽くなき追及心を学びたい時に観る映画
今回は音楽をテーマにしたドキュメンタリー映画のおススメです。
70年代からYMOの活動で有名になり、
大島渚監督の【戦場のメリー・クリスマス】や
ベルナルド・ベルトルッチ監督の【ラスト・エンペラー】などの映画音楽で、
世界的な評価を集めた坂本龍一。
2012年から5年間にも渡る膨大な取材映像から浮かび上がってくる、
一人の音楽家の世界との融解。
自然の中のあらゆる音と混じり合っていくようなその作曲風景には、
既に大作曲家としての名声を得た人物とは思えない、
フィジカル的で根源的なものを感じます。
まるで少年の様に一つ一つの音を慈しむ表情には、
老いて尚好奇心の衰えないアーティストとしての芯の強さがあります。
環境問題や、震災からの原発問題。憲法改正に対する考え。
あらゆる社会問題に積極的にコミットし発信を続けてきた、
今は亡き坂本龍一の飾らない生の部分に触れる事の出来る、
優れたドキュメンタリー作品になっています。
天才の景色
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/04/RyuichiSakamotoCODA-Photo3-RyuichiSakamoto-1024x576.jpg)
画像引用:IMDb
これは音楽家にとっての演奏シーンが表の顔であるとするのなら、
その裏の顔に迫っている作品と言えます。
映し出されるのは主に作曲風景。
それも楽曲が形を成す随分前の段階の原初の風景です。
フィールドレコーディングによって集められた様々な自然の音と、
楽器の音色との不協和音的な融合の中に新しい音楽の可能性を求める。
数々の栄光に輝く音楽人生を歩んできた天才音楽家が、
その人生の最末期に憑りつかれたのは、まるで音への原点回帰。
人間が作り上げる旋律の中にある、ある種の不自然さに疑問を感じ、
自然が生み出す水の音や風の音に意味や理論を超えた音の面白さを見出す。
正にあらゆる音楽に精通し、
その道を究めたプロフェッショナルにしか分からない世界です。
批判や無理解を恐れず、勇気を持って前に進んだ者にしか見えない景色が、
そこにはある様な気がします。
自分の命をどう使うか。
残された時間で何を遺すか。
社会問題や環境問題に向き合いながら、
坂本龍一は更に途方も無く大きな物を相手に鍵盤に向かっていきます。
その姿はまるで子供の頃に憧れたスーパーヒーローの様な、
頼もしささえ感じます。
イエロー・マジック・オープンサンド
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG20230330182304-1024x768.jpg)
今日のおつまみは【キーマ・オープンサンド】です。
妻の創作シリーズの軽食おつまみ。
イングリッシュ・マフィンの上の具材は、
カレースパイスでキーマ風に仕立てた挽肉とホウレン草。
ボーリューム満点ですが、スパイスの香りが食欲を刺激してあっと言う間に完食。
五感を刺激する食への飽くなき探求心は、
日々の晩酌に豊かな彩りを加えてくれます。
消えない音・永遠性
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/04/sakamoto.jpg)
画像引用:IMDb
2011年の震災で津波の被害を受けた一台のピアノ。
調律は勿論、ピアノとしての機能も半壊しているそのピアノの音を、
坂本龍一はとても美しいと言います。
人間の都合で不自然な形に作り上げられた楽器が、
震災という自然の力で、本来の音色を出している様に感じたと語ります。
我々の声も、楽器の音色も、
空気を震わせながら次第にしぼんでいき、やがて消えます。
音という物の原理であり宿命ですが、
自然の音と重なり合って一つのなった音色には、
この世のあらゆる音に成り代わって存在し続ける。
永遠に響く音になり得るのではないかという微かな希望。
坂本龍一が表現しようとしていた音楽には、
そんな不可能を可能にしてしまえる様な、強い想いが込められている様な気がします。
人の儚い一生の中で、
どんな景色を見るかは本人の探求心次第です。
世界中を旅する事も、心の中を探求する事も、
好奇心に蓋をしなかった者だけが見る事の出来る景色なのでしょう。
飽くなき追及心を学びたい時に観る映画。
音楽家・坂本龍一がその人生を掛けて作り上げた名曲の数々は、
世界中の音と重なり合って決して消えない音楽になるでしょう。
偉大な先人達が次々にいなくなってしまいますが、
彼等が遺した物から我々は学ばなければなりません。
それは自然の力から得た人類の財産とも言えるはずです。