画像引用:©1954 TOHO CO. , LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【七人の侍】です。
遂にこの映画をひとつまみする日が来ました!
黒澤明監督の代表作にして日本映画でおそらく最も有名な作品。
一流のキャスト・スタッフの映画魂が集結した奇跡の一作です。
迫力の戦闘シーン、完璧な構図、見事な脚本。
言い出したらキリが無い魅力が詰まった歴史的傑作です!!
この映画はこんな人におススメ!!
●時代劇が好きな人
●映画技術の粋を体験したい人
●世界の黒澤の凄さを目撃したい人
●伝説の映画を体感したい人
タイトル | 七人の侍 |
製作国 | 日本 |
公開日 | 1954年4月26日 |
上映時間 | 207分 |
監督 | 黒澤明 |
出演 | 三船敏郎、志村喬、木村功、 加東大介、宮口精二、千秋実、稲葉義男 |
男の生き様に痺れたい時に観る映画
余りにも有名で語り尽くされた感のある今作ですが、
やはり名画というものは何度観てもその素晴らしさが古びれる事はありません。
アクション映画としてこれ程までにダイナミックで躍動感溢れる作品も無いでしょう。
その展開の面白さも群を抜いています。
観客を常にワクワクさせる仕掛けに溢れていて緊張と緩和の手本の様な脚本です。
魅力溢れる登場人物達の関係性が見事な構図になっていて、
長尺に関わらず引き込まれ続けてしまいます。
世界中の映画監督達に強い影響を与え、
尊敬を集めた名監督。
スティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカス、
フランシス・F・コッポラやマーティン・スコセッシなどのハリウッドの巨匠達が、
黒澤監督を師と崇めている事は余りにも有名な話です。
その黒澤監督の全30本の監督作品の中でも、
この【七人の侍】はエンターテイメント作品として最高傑作であると思います。
「義」の為に命を賭して戦う誇り高き侍達。
その男の生き様に痺れる事間違い無しの作品です。
徹底的にリアルな映像。
拭き荒む風に晒された七人の侍達の姿は、
まるで本物の侍であるかの様な存在感で迫ってきます。
公開から70年という年月が経ちましたが、
この作品は常に新しい発見と驚きを与えてくれます。
全人類必見の映画であると断言します。
時代を越えたヒューマニズム
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物語は戦国の乱世を舞台にしています。
と言っても国盗り物の様な大きな話では無く、
山間の小さな村落における名の無き戦いを描いています。
山賊の如き野武士集団の略奪に怯える村の百姓達は、
侍を雇ってこの野武士を撃退しようと立ち上がります。
町で侍をスカウトしようとしますが中々上手くいかない。
そんな時途方に暮れていた村の代表者達の前に突如現れたのが、
志村喬演じる初老の侍、島田勘兵衛でした。
この勘兵衛のキャラクター造形がまず素晴らしいのです。
冷静沈着で底知れぬ佇まいをしていながら、
反面お道化た様な人を無条件で安心させてしまう様な懐の広さを併せ持つ。
戦略に優れ勿論剣の腕も立つ。
世間に通じ人生の粋も甘いも知り尽くした練達者。
まさにリーダーに相応しい最高の人物なんです。
その勘兵衛の人徳に惹かれ集まってくるメンバーもまた、
個性派揃いで魅力的なキャラクターばかり。
それが一人また一人と仲間として増えていく前半の展開が本当にワクワクし、
まるでロールプレイングゲームの様な充実感を持たせてくれるのです。
彼等七人の侍はそれぞれにバックボーンを抱えた曲者達なのですが、
名誉とも褒章とも無縁な百姓達の為の戦いに命を掛けて取り組むのです。
その「義」の心、人道主義が時を越えて普遍的な感動を与えてくれます。
身分の差を越えて同じ人として関わり合う様が、
凡百の時代劇の形式ばった描写とは雲泥の差のリアリティを与えてくれるのです。
登場人物をきちんと人間として描く事に徹底し、
更にその舞台を完璧に作り上げる事で圧倒的な没入感を観客に与えてくれるのです。
さっぱりと肉を食らう
今日のおつまみは【牛肉の豆苗巻き】です。
まるで戦に敗れた野武士の屍の様に皿に並んでおりますが。
たっぷりの大根下ろしでさっぱりといただけば、
最高のおつまみでございます。
歳を重ねてきますと、
こってりとした食べ物もいいですがやっぱりこういった
さっぱりと食べられる物が嬉しく感じたりしますね。
胃腸の調子を整えるのに大根下ろしは最適なのだそうです。
えいがひとつまみも体が資本ですので。
圧倒的な映画の力
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黒澤映画の魅力は多岐に渡りとても語り尽くせるものではありませんが、
その大きな要素の一つに「構図」の見事さがあります。
上の写真を見ても分かる様に本当に美しい構図で人物を配置するのです。
全カットが溜息が出る様な完璧で効果的な「構図」で構成されています。
手前の画面の中心となる人物から話の筋とは全く関係の無い奥にいる背景人物に至るまで、
縦の構図の中に見事に配置され、それぞれの動きが有機的に融合するカットの数々。
流麗なカメラワークが計算し尽くされたワンカットの中で、
観客の頭の中で簡潔に状況を説明してくれます。
我々はただそれを傍観しているだけで、
全知全能の「神の視点」を手に入れる事が出来るのです。
更に感情移入を大いに助長する迫力満点の音楽。
名立たる名優達の躍動感たっぷりの演技。
無駄の無い的確な台詞が観客を強烈に惹き込み、
映画の主題に一歩ずつ確実に近付けてくれます。
まさに黒澤監督の魔術によって我々は最高の映画体験が出来るのです。
男の生き様に痺れたい時に観る映画。
地位や名誉の為では無く、
ただ己の誇りの為に戦う七人の侍。
生きる意味を見失った現代人に強烈な一撃を与えてくれるエンターテイメント。
現代の私利私欲に塗れた公人達に、
ほんの僅かでも彼等の様な志があればと思ったりしてしまいます。
人間の底力、生命力をまざまざと見せつけてくれる映画です。
映画ってこんなに凄い物なんだと、
目から鱗を何枚も落としてくれる事間違い無しです!
是非ご自身の目で確かめてみて下さいませ!!