アニメーション映画

映画【耳をすませば】おつまみ【ズッキーニのフライ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【耳をすませば】です。

1995年に公開されたスタジオジブリの長編アニメーション作品。

将来への夢と不安に揺れる少女と少年の淡い恋。

日常を丹念に描き、全ての観客に感情移入を促す、

珠玉の物語にきっと心奪われる事でしょう。

この映画はこんな人におススメ!!

●青春の甘酸っぱさを感じたい人

●大きな夢を持っている人

●スタジオジブリの作品が好きな人

●何かに打ち込んでみたいと思う人

タイトル耳をすませば
製作国日本
公開日1995年7月15日
上映時間111分
監督近藤喜文
出演本名陽子、高橋一生、
立花隆、室井滋、露口茂、小林桂樹
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あの頃の気持ちを思い出したい時に観る映画

さあ、恐れ多くも今回はスタジオジブリの作品のおススメです。

言わずと知れた世界に誇るアニメーションスタジオですが、

宮崎駿監督と高畑勲監督という両巨匠の存在が余りに大きすぎて、

中々後を引き継ぐ演出家が育たなかったという歴史もありました。

そんな中1995年に公開されたこの【耳をすませば】という作品は、

数々のジブリ作品で天才的な作画を認められていた、

近藤喜文監督の満を持しての監督デビューとなったのでした。

柊あおいの漫画を原作に、自ら脚本と製作を買って出たのは宮崎駿監督。

かつて高畑監督と同時期に映画制作に入っていた時に、

近藤監督を作画スタッフとして取り合いになり揉めたというエピソードは有名な話ですが、

それほどまでに圧倒的な才能を持ったアニメーターであったという事です。

近藤監督は残念ながらこの【耳をすませば】を唯一の監督作品として、

1998年に病気で逝去してしまいました。

日本のアニメーションの発展に多大な功績を遺した近藤監督の、

豊かな感性と瑞々しい演出が詰まった今作。

幼い頃の、あの多感な時期の感覚が自然と蘇ってくる様な、

素晴らしい作品になっています。

世界の壁が取り払われる

画像引用:IMDb

主人公の月島雫は読書好きの女の子。

東京郊外の団地に両親と姉の4人で暮らす至って普通の中学生です。

漠然とした将来に希望と不安を抱え、

自分のやりたい事を上手く捉える事の出来ない多感な年頃。

この誰しも覚えがある様な感覚を、

近藤監督は日常生活を丹念に描く事で、観客に緩やかな感情移入を促していきます。

細密に描かれた街の風景やそこで暮らす人々のディティールが、

否が応にも私達を物語の世界へと自然に誘ってくれるのです。

極端な程に坂の多い高低差が強調された街のロケーション。

遠くに都心がうっすらと見える距離感。

変わりやすい夏の天気と、学校という空間の閉塞感。

一つ一つの描写が積み上げていくリアリティーが、

観客の心に自然な形で浸透したタイミングを見計らって物語は転調します。

まるで【不思議の国のアリス】の様に一匹の猫を追い掛けて迷い込んだ住宅地の一角。

そこは現実の世界との狭間の様な不思議な場所。

所狭しと並んだ古道具が多言に物語を語り出す様なアンティークショップでした。

空想の世界に夢中だった少女は、この店で出会った老人や少年の影響で、

自分の世界の壁を取り払う為に物語を書き出します。

自分と同じ年の少年が、ヴァイオリン職人になるという大きな夢を追う姿が、

雫に自分のやりたかった事を思い出させてくれたのです。

想像の世界は現実から逃げ込む場所では無く、

自分を変える力を持っている事に気が付いたのかも知れません。

主人公の好奇心と出会いを真っ直ぐに受け止める感受性が、

物語を大きく動かし、ワクワクする様な高揚感を観る者に共有させてくれます。

一足早い、夏野菜のアレンジメニュー

今日のおつまみは【ズッキーニのフライ】です。

とてもシンプルなメニューですが、おつまみにもおかずにもなる便利な一品。

輪切りにしたズッキーニに塩・胡椒で下味を付け、よく水分を取っておきます。

卵黄をくぐらせてパン粉をまんべんなく纏わせたら、

油で揚げるのでは無く、オーブントースターでこんがり焼き上げます。

余計な油を吸わずに、カラッと仕上がってくれてヘルシーでもあります。

ソースはマヨネーズを牛乳で溶いたもの。

どんなお酒にも合うお手軽レシピです。

素材の魅力を真っ直ぐに受け止めた、

爽やかな映画にぴったりの一皿でした。

遠い夜明けと世界の祝福

画像引用:IMDb

自分の思いを込めて初めて書いた物語。

上手く行かない現実との狭間で、足掻く様に紡いだ世界。

不安に押し潰されそうで、焦る気持ちが雫の心を毛羽立たせます。

そんな雫が書き上げた未熟とも言える物語に、世界はあたたかい祝福を捧げます。

近藤監督の少年少女へのエールは、

映画という枠組みを超えて我々への祝福としても響き渡ります。

何かに夢中になる若い者への無条件の肯定。

静かな、でも確かな励ましと応援。

まるで無限の様に感じた暗い不安のトンネルの出口には、

まるで世界の夜明けの様な景色が待っていました。

大人になるという事は何かを失って何かを得るという様な、

ギブアンドテイクであると言えるのかも知れません。

ですが、それまで如何に多くの物を貰ってきていたかを知り、

これからは与えられる様になろうとする事でもあるのだと思います。

この映画の豊かな感情表現には、

観客一人一人が磨き上げるべき原石が散りばめられています。

きっと観る人の年代や環境によって、感情移入する対象も様々でしょう。

でもこの映画には必ず自分を投影出来るキャラクターが存在していると思います。

そんな映画は実は本当に稀です。

あの頃の気持ちを思い出したい時に観る映画。

日本が世界に誇るアニメーションの歴史。

その中でも、この【耳をすませば】という作品には

特別な魔法が掛かっています。

いつ観ても、何度観ても心が大きく動かされます。

近藤喜文監督が世界に遺してくれた祝福。

語り継ぐべき名作だと思います。