アニメーション映画

映画【ズートピア】おつまみ【キャロットラペ】

画像引用:©2016 Disney. All Rights Reserved.

この映画はこんな人におススメ!!

●ディズニーアニメのファンの人

●動物キャラが好きな人

●多様性について考えたい人

●自分らしく生きたい人

タイトルズートピア
製作国アメリカ
公開日2016年4月23日(日本公開)
上映時間108分
監督バイロン・ハワード、リッチ・ムーア
出演ジェニファー・グッドウィン、ジェイソン・ベイトマン、イドリス・エルバ、J・K・シモンズ
created by Rinker
¥3,520 (2025/06/13 22:33:13時点 楽天市場調べ-詳細)

自分の可能性を信じたい時に観る映画

1952年、世界初の長編アニメーション映画【白雪姫】から数えて、

ディズニーの長編アニメーション作品の55作品目にあたる【ズートピア】。

長い歴史の中で子供達に夢と希望を与え、

大人達にも童心の心を思い出させ、

弛まぬ技術革新を続けてきたディズニーアニメーションの、

正に王道とも言うべきエンターテイメント精神満載の映画になっています。

フルCGのアニメーションが当たり前の時代となり、

ちょっとやそっとでは驚かなくなってしまった観客の心を掴むのは、

並大抵の事では無いのだと思います。

勿論ディズニーと言えど興行成績が振るわなかったり、

評価が低い作品もありました。

しかしどんな時代の変化にも柔軟に対応し、

常に新しい表現に第一線で挑戦し続けてきたのもまたディズニースタジオでした。

彼等の作る映画の根底に流れるテーマは、

夢を信じて自分らしく生きる事です。

まるで自己啓発の宣伝文句の様に聞こえてしまいますが、

世界の中心にこう言ったド正論がある事で、

表現の多様性はある意味担保されているという側面もあったりします。

世界中のあらゆる民間伝承や宗教の経典の様に、

教訓と啓示があり、勧善懲悪と道徳が含まれる物語。

そこへ現代的なテーマを加味したプロット作りは、

世界中の才能をかき集めるディズニースタジオだからこそ可能な、

多様性とユーモアと新しい価値観に溢れています。

これまでもこれからも、

世界中の子供達に夢と希望を与える、

ディズニーの底力を存分に感じられる作品になっています。

ヒーローから等身大の主人公へ

画像引用:©2016 Disney. All Rights Reserved.

物語の舞台は多種多様な動物達が、

それぞれの特色を活かし社会に貢献しながら共存する世界。

それは一見平和で完璧な世界に見えます。

主人公はウサギのジュディ。

彼女は子供の頃から正義感が強く積極的な性格の持ち主で、

ウサギらしく人参を育てて生きていく人生を拒み、

都会に出て警察官になる夢を持っています。

動物達の世界にも分相応という既成事実があり、

種間差別、さらに根源的なヒエラルキーが根強く存在します。

それは恰も人間社会に於ける貧富格差や人種差別の様に。

夢や理想を持っていても常識や現実に圧し潰され、

機会すら与えられない社会である事も人間のそれと同じ様です。

しかしジュディは諦めずに、

ウサギである事の特性を活かし、

見事に夢を叶えウサギ初の警察官になるのです。

最初から恵まれたヒーローでは無く、

我々と同じ等身大の存在。

超能力も出生の秘密もありませんが、

努力と根性で道を切り開く主人公に、

私達はいつの間にか感情移入し応援してしまうのです。

昔話の白雪姫やピノキオの時代から、

随分と主人公像も変化してきましたが、

時代のコンプライアンスもあるでしょうが、

一貫して自分を信じて道を切り開いていく辺りが、

現代的な主人公像であり、

ディズニーの王道精神という所なのでは無いでしょうか。

人参パワー

今日のおつまみは【キャロットラペ】です。

我が家の副菜の定番です。

簡単手軽に作れて栄養も満点。

勿論お酒にも合います。

細切りにしたたっぷりの人参を塩揉みし、

オリーブオイルとレモン汁のドレッシングに漬けるだけ。

ドライレーズンを添えると更に本格的になります。

夕飯にあともう一品欲しいなんて時の便利な常備菜。

ズートピアの世界観ともピッタリの一皿でした。

多様性の社会の中で自分らしく生きるという事

画像引用:©2016 Disney. All Rights Reserved.

今作が一連のディズニー作品と一線を画すのは、

現代社会のあらゆる問題に言及したテーマ性では無いでしょうか。

動物の世界に置き換えられていますが、

女性の社会的地位の向上や職業上に於ける男女差別の問題。

人種による機会喪失、或いは露骨な差別の問題。

田舎と都市部の生活水準の格差、教育水準の格差。

ルッキズムの問題、宗教・信条・生活スタイルへの偏見。

挙げればキリが無い程に社会問題を物語に組み込んでいるのです。

そして主人公であるウサギのジュディがそれらの偏見や差別を正していくのかと思いきや、

意外とジュディ自身も自分で気が付かない内にこれらの考えを持っていたりして、

その辺りの主人公だからと言って完璧で清廉潔白な訳では無い所も、

観客の感情移入を促す重要な設定だったりするのです。

反対に嫌われ者のキツネのニックの方が、

偏見や差別の意識も無く、

自由な考えでどんな状況にも対応出来る能力があったりして、

互いに足りない部分を補う様にして次第に息の合ったバディになっていく、

主人公の二人のキャラクターが秀逸なのです。

それぞれの個性を大事にする事。

一人一人の考えを尊重する事。

違いを論うのでは無く、類似点を見出す事。

主人公の成長が作品のテーマを自然と体現していく展開で、

事件の捜査が進む事で本当の社会の問題点が浮き彫りになっていく。

実に無駄の無い優れた脚本です。

観客である子供達に頭ごなしに正論の説法をするのでは無く、

自分で考えて気付かせる物語になっているのです。

自分の可能性を信じたい時に観る映画。

この作品はどんな事でも信じていれば夢は叶うと、

子供達に言っているのではありません。

自分の信じている事だけが正しいのでは無く、

人を信じる事で自分も変われるのだという事を描いているのです。

それが全ての人に本当は存在している可能性なのでは無いでしょうか。

自分らしく生きる為に相手の事も尊重する。

それが多様性という事なのだとこの作品から教えて貰った様な気がします。