アクション映画

映画【ベイビー・ドライバー】おつまみ【お刺身】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【ベイビー・ドライバー】です。

スタイリッシュな映像とセンスの良い音楽が魅力のカーアクション作品です。

この映画はこんな人におススメ!!

●痛快なカーアクションを観たい人

●映画のサントラが好きな人

●アメカジが好きな人

●新しいテイストのアクション映画を欲している人

タイトルベイビー・ドライバー
製作国イギリス、アメリカ
公開日2017年8月19日(日本公開)
上映時間113分
監督エドガー・ライト
出演アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ、
ケビン・スペイシー、ジョン・ハム、ジェイミー・フォックス

アクセル全開な気分の時に観る映画

アクション映画のジャンルの一つにカーアクションがありますが、

この作品はそのジャンルの一つの到達点と言える出来栄えであると思います。

車好きの為のカーアクションでは無く、あくまでストーリー上の必然性を保ちつつ、

カーアクションの持つスピード感とハラハラ感を最大限に活かしています。

カーアクションの基本形はチェイス(追跡)ですが、

逃げる為だけに車を走らせるのではなく、様々な用途で車を武器の様に使うという所に

新鮮味があった気がします。

主人公の青年は特に腕っぷしが強い訳でも、悪知恵が働く訳でもありません。

ただ一つ、車の運転技術が圧倒的なのです。

タフな犯罪者でも無ければ、そもそも悪人ですら無い地味な主人公という設定が、

今までのアクション映画には見当たらない存在であると思います。

常にイヤフォンで音楽を聴きながら、冷静沈着に街中をかっ飛ばす主人公の姿が、

スタイリッシュな映像と相まって観客に絶大な興奮を与えます。

まるでミュージッククリップの様に音楽とタイミングを合わせたカットバックで、

テンポよく展開される物語が、実にカッコ良くて引き込まれるのです。

ストーリーに何か目新しい所がある作品では無いのですが、

カーアクションの伝統にリスペクトをしながらも、全く新しいヒーロー像を

作り出した所にエドガー・ライト監督のバランス感覚の鋭さがあると思います。

曲者揃いの犯罪チーム

アクション映画に理屈はいりません。

難しい事抜きに、観客をノらせたら勝ちの世界です。

その点では音楽との融和性は非常に高いと言えます。

リアリティは必要ですが、多少強引な場合でも面白ければアリ。

特にキャラクター造形においてはオーバーな位の方がウケます。

今作にも数々のキワモノキャラが登場し、主人公の前に立ちはだかります。

特にジョン・ハムが演じたバディというキャラクターは印象に残ります。

一見ナイスガイな雰囲気の男なのですが、一度怒りに火が付くと止まらない。

どこまでもしつこく追いかけてくる狂気的な恐ろしさがあるキャラクターなのです。

犯罪チームのボスを演じるのは名優ケビン・スペイシー。

クールなインテリ風で、常に表情を崩さずに威厳を保ちます。

その無表情の裏にそこはかとない狂気を感じさせる演技が、

ケビン・スペイシーの真骨頂とも言える存在感です。

ジェイミー・フォックスが演じたバッツというキャラクターも興味深い人物です。

すぐにキレて人を殺す狂暴な男なのですが、勘が鋭く頭も切れる男なのです。

アクション映画の出来はキャラクター造形に掛かる所が大きいと思います。

この個性豊かな犯罪チームの不協和音が作品に独特の緊張と緩和を与え、

観客を物語に引き込む事に成功しています。

幸せを運ぶドライバー

今日は豪華にお刺身と冷酒。

生きてて良かったと心底思うおつまみです。

やっぱり何だかんだ言ってもお刺身が一番ですよね。

近所のスーパーの中でも鮮魚が一番揃ってる所で奮発しました。

マグロの赤身と中トロ。

真鯛のなめろうだそうです。

海なし県に住んでいますが、現代の物流システムの恩恵で、

美味しいお刺身を頂けるのは本当にありがたいです。

ベイビー・ドライバーならぬトラックドライバーに感謝。

アウトサイダーのサクセスストーリー

画像引用:IMDb

この映画の主人公は幼少期の記憶がトラウマになり、

ある種、社会からドロップアウトした所で生きています。

積極的では無いにしろ、犯罪に加担し裏社会に属してもいます。

このキャラクターの新しい点は、ごく普通の好青年であるのにも関わらず、

強い葛藤を特に犯罪行為に持っていない所。

むしろ自分の得意スキルである運転を活かす事に悪びれない所がある様に見受けられます。

スタイリッシュな映像で何となくクールな存在に映ってしまうのですが、

自分のやっている事の重大さに余り関心の無い現代人の様。

それこそゲームのハイスコアに熱中する子供の様な所が、この主人公像です。

映画の中盤まで特に主人公には足枷も無く、目的もありません。

ダイナーで好きになったヒロインと付き合う事だけがベクトルです。

この悲壮感の無さと、無感覚な雰囲気を纏った主人公が、

特に熱くなる事も叫ぶ事も無く戦う姿が、歴代のアクションヒーローとの

時代の違いを如実に分かつ所だと思います。

むしろこういう感情移入させない様な、

何を考えているかよく分からない人物にこそ

親近感とリアリティを感じるような時代になったという事なのでしょうか。

「ランボー」や「ダイ・ハード」で血だらけで戦っていたかつてのヒーロー達を

ブッチ切りのスピードで置き去りにする新時代の主人公。

このベイビーというキャラクターは何か現代を象徴する様な

アウトサイダーであるのかも知れません。