画像引用:IMDb
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【リメンバー・ミー】です。
ピクサー・スタジオの19作品目の長編アニメーション映画。
メキシコが舞台の家族の絆をテーマにした冒険物語です。
伝統的なマリアッチ音楽を取り上げた賑やかで心に染みる感動の物語。
ディズニー王国の多様性を感じられる一作です。
この映画はこんな人におススメ!!
●音楽の力を感じたい人
●家族の絆を実感したい人
●死後の世界に興味がある人
●純粋な冒険心を満たしたい人
タイトル | リメンバー・ミー |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2018年3月16日(日本公開) |
上映時間 | 105分 |
監督 | リー・アンクリッチ |
出演 | アンソニー・ゴンザレス、ガエル・ガルシア・ベルナル、 ベンジャミン・ブラット、 |
死者を偲ぶ事の大切さを学びたい時に観る映画
今回はピクサー・スタジオ制作のアニメーション映画のおススメです。
1995年公開の【トイ・ストーリー】から圧倒的なクオリティで
数々の大ヒットCGアニメーション作品を制作してきたスタジオの、
19作品目の長編映画です。
ありとあらゆる世界観と題材を網羅してきた同スタジオの今回のテーマは
「死者の世界」。
メキシコに伝わる「死者の日」を祝う風習をモチーフに、
先祖代々の家族の絆と、音楽に夢を見る少年の物語が
ダイナミックな冒険活劇として描かれています。
驚くほどに細密に描かれたCGアニメーションの美しさと、
キャラクター達の豊かな表情や動き。
日本の盆にも通じる先祖を敬う風習の尊さや、
家族の絆をストレートに感じられるストーリテーリングが実に感動的な作品です。
極彩色の煌びやかな「死者の世界」。
陽気な音楽に包まれたその世界観が、
マリアッチに象徴されるメキシコらしく実に楽しい雰囲気です。
所変われば品替わると言いますが、
メキシコという国の「死」への価値観が私達に多くの示唆を教えてくれる、
味わい深い作品になっています。
ディズニーアニメの常識を打ち破る作品
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/10/cef04082e6fbccbcfc6748eed1502c73.jpg)
画像引用:IMDb
世界中の民話や御伽噺を作品にしてきたディズニーですが、
今作はその中でも特に風変りで尖った設定を持っていると言えます。
政治的にもアメリカにとっては微妙な立場にある「メキシコ」を舞台に、
死者(ガイコツ)達がメインキャラクターを占める異文化を全面に打ち出したストーリー。
ディズニーらしい道徳的な物語ではあるのですが、
どこか異教的な世界を描いているのはディズニー作品としては異例なのかも知れません。
物語はギターと音楽をこよなく愛する少年ミゲルが、
ひょんな事から生きたまま黄泉の国へ行ってしまうというという展開。
そこで自分の家族のルーツにまつわる隠された真実を暴き、
音楽の力で自分の未来を切り開いていくというストーリー。
この世ならざる地での幼い主人公の通過儀礼という図式は、
宮崎駿監督の【千と千尋の神隠し】からもインスピレーションを受けているそうです。
テーマのド真ん中に「死」を置いて、
異文化の風習や死生観に言及した物語作りという時点で、
ディズニー作品としては異端の作品と言えると思います。
かと言って重苦しい作品でも無く、
特に音楽を大きなキーにしているので、
主人公の歌唱シーンやガイコツ達の群舞のシーンは
見ていてとても楽しいものになっています。
最先端のCG技術で世界を驚かせてきたピクサー・スタジオの、
作品作りの根底にある新しいものへの挑戦というマインドが、
この作品にも特別な魔法を掛けています。
奇跡のソース
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今日のおつまみは【海老とジャガイモのアンチョビオリーブ炒め】です。
近所のTSUTAYAに「リメンバー・ミー」のDVDを借りに出掛けて、
ふとセルフレジの背後の棚に値引きシールを貼られた小瓶があるのが目に入りました。
それはアンチョビやオリーブの実が細かく刻まれオリーブオイル付けにされた、
見るからに良い予感しかしないソース。
元値500円が何と100円になっている!
速攻ゲットして海老やジャガイモや鶏ササミなどのソテーに絡めました。
予感的中の絶品。
日頃の旨いものレーダーが役に立ってご満悦の夜でした。
メメント・モリ
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2023/10/229023258118049_650.jpg)
画像引用:IMDb
「自分がいつか必ず死ぬことを忘れるな」という意味のラテン語「メメント・モリ」。
これは裏を返せば「生きているうちに精一杯楽しめ」という意味でもあります。
限りある命を全うする為、「死」は「生」にとって締め切りの様な役割も持っています。
勿論、それがいつどんな形で訪れるのかは知る由も無い事なので、
「今日」という日の掛けがえの無さがより実感出来るのです。
この映画が私達に教えてくれるもう一つの事が「死者を偲ぶ」事の大切さです。
「人間は二度死ぬ」という言葉があります。
一度目は肉体の死で、二度目の死は人々に忘れられた時に訪れるそうです。
これは古今東西の様々な人物の言葉や作品に散見するものですが、
この映画でも祭壇に遺影写真が無い死者は
「死者の日」に黄泉の国から帰ってこられなかったり、
人々の記憶から忘れ去られてしまった死者はあの世でも存在が消えてしまったりします。
「命」というものが数え切れない人々のリレーによって成されてきた事を思えば、
「死者を偲ぶ」という事は私達の「命」そのものに対する感謝の心であると言えます。
メキシコの「死者の日」の祝祭には、人間の命に対する荘厳な肯定と、
人生を心から楽しむ事の力強さを私達に教えてくれます。
死者を偲ぶ事の大切さを学びたい時に観る映画。
「偲ぶ」とはもう喪ってしまった人や、失くしてしまった物に対して、
思いを馳せ、語らったり、感謝したりする行為です。
哀悼とは形だけでは無く、その存在に対する慈しみの気持ちを表現する事。
それは歌ったり、踊ったり、笑ったり、泣いたりする行為そのものなのです。
この映画の主人公の少年は大好きな音楽を思いっきり表現したいという欲求から、
不思議な冒険に旅立ちますが、
その家族への「愛情」と祖先への「敬愛」がふたつの世界の垣根を取り払い、
奇跡を起こすという希望に満ちた物語に昇華していくのです。
「死」を思い「生」を全うする深い業に言及した作品として、
この映画は子供から大人にまで多くの事を教えてくれると思います。