コメディ映画

映画【マッシュ】おつまみ【豆腐ステーキ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【マッシュ】です。

ハリウッドの異端児、ロバート・アルトマン監督の

規格外のブラックコメディーです。

この映画はこんな人におススメ!!

●伝説として語り継がれる様な映画を探している人

●不謹慎なユーモアを理解出来る人

●強烈な反骨精神に触れてみたい人

●こんな時だからこそ戦争を笑い飛ばしたい人

タイトルマッシュ
製作国アメリカ
公開日1970年7月10日(日本公開)
上映時間116分
監督ロバート・アルトマン
出演ドナルド・サザーランド、エリオット・グールド、
トム・スケリット、ロバート・デュヴァル、サリー・ケラーマン

しんどい仕事を笑い飛ばしたい時に観る映画

今回は映画史上最大級の問題作【マッシュ】です。

公開当時のアメリカはベトナム戦争の泥沼の真っ只中。

旧態依然とした価値観を壊してくれる様な、新しい映画が期待される時代でした。

テレビディレクター出身のロバート・アルトマン監督は、

この作品で全く新しい映画の在り方を実現します。

ハリウッドスタジオの重役たちの堅い頭を無視し、

即興的で、リズミカルな群像劇を作り上げました。

映画の舞台は1950年代の朝鮮戦争の前線。

戦場の狂気的状況の中、徹底的に悪ふざけに興じる若い軍医達の姿は、

痛烈なブラックユーモアとして観客の度肝を抜きます。

戦争映画の常識を無視し、自由でリアルな人間像を映し出す事で、

強烈な風刺と反骨精神を作品の根幹に埋め込みました。

どんな状況にあろうとユーモアを失わない人間は強い。

しんどい仕事こそ笑い飛ばしながら、遂行する登場人物達の表情は、

実に頼もしく、愛嬌があります。

時代を変えたのは、いつだって狂人だった

この作品が映画史に於いて語り継がれる伝説である理由はいくつか存在します。

しかしその最たる所は、ロバート・アルトマン監督の演出方法にありました。

台詞の殆どがアドリブ。複数人が同時に台詞を言っているシーンすらあります。

出演者も戸惑う程の常識破りのやり方でした。

今では当たり前になったリアリティ(そこで起こっている事をそのまま記録する)を

重視した演出も、当時の保守的な映画界では非常にショッキングでした。

リアルな外科手術のシーン。リアルな会話。リアルな役者達の表情。

ロバート・アルトマン監督の狂気的なまでにリアリティにこだわり抜いた視点が、

映画の歴史を変えてしまったと言えます。

戦争の緊張がもたらす高揚感を、常軌を逸したユーモアで突っ走っていく。

戦場の猥雑とした空気感がそのまま真空パックされた様なリアリティは、

時代の転換期に最も待望されたある種の解放感を体現しているのです。

料理もアドリブ感が大事

今日のおつまみも妻の創作シリーズ。

冷蔵庫の中身を即興演出したアドリブ料理です。

レシピ不要のあるもので何とかする一皿にベテランの技を感じます。

木綿豆腐のステーキに明太子マヨソースを塗り、

チーズをとろけさせて更に青さ海苔を振り掛けます。

意外とさっぱりしていて美味しい。

偉大なる映画の先駆者達

画像引用:IMDb

ロバート・アルトマン監督はこの作品で実力を証明し、

その後世界三大映画祭の最高賞を制覇する程の世界的名匠となります。

常に人間の「素」の部分をフィルムに映し取る事に注視した演出家でした。

決められたルールの中で、決められた台詞を応酬する「劇」としての映画を

壊した先駆者でもありました。

強烈な表現者はいつの時代も異端児として扱われ、賛否に晒されます。

しかし新しい物を生み出す人間には、自然と才能が集まってくる様です。

彼等には何かしらの嗅覚が備わっているのでしょうか。

当時無名だったドナルド・サザーランドやエリオット・グールドが、

余りに常軌を逸した演出法に戸惑いながらもそれに刺激を受け、

結果として素晴らしい演技を刻み付けている様は圧巻です。

当時のアメリカの若者達が抱えていた不安や怒りを、

底抜けのブラックユーモアで吹き飛ばしてしまった作品の影響力は想像を絶します。

反戦というメッセージを大っぴらに描く事の困難な状況において、

偉大なる先駆者達は実に豊かな想像力で我々に教えてくれています。

どんな状況でも、ユーモアを失わない事。

それは不謹慎で、下品で、決して褒められた物では無いかも知れませんが。

人間が自由でかつ滑稽である事の大切さは、時代が経ても変わらないのだと思います。