画像引用:©2022Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【プチ・ニコラ パリがくれた幸せ】です。
2022年公開のフランスのアニメーション作品。
1959年にフランスの新聞に連載が開始され、
以後国民的児童書として愛され続けてきた「プチ・ニコラ」シリーズ。
この作品の生みの親である作家のルネ・ゴシニと、
イラストレーターのジャン・ジャック・サンペの
友情と創作の日々を描いた物語です。
淡い色彩の世界観が愛らしく、
表現の自由と幸福感に包まれる作品です!
この映画はこんな人におススメ!!
●美しいアニメーションが観たい人
●パリの雰囲気を味わいたい人
●子供の頃の気持ちを思い出したい人
●物を作る喜びに触れたい人
| タイトル | プチ・ニコラ パリがくれた幸せ |
| 製作国 | フランス |
| 公開日 | 2023年6月9日(日本公開) |
| 上映時間 | 86分 |
| 監督 | アマンディーヌ・フルドン、 バンジャマン・マスブル |
| 出演 | アラン・シャバ、ローラン・ラフィット、 シモン・ファリ |
子供の心で世界を観たいと思った時に観る映画
フランスでは国民的児童書として知られる「プチ・ニコラ」。
日本で言えば「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」といった所でしょうか。
作家のルネ・ゴシニとイラストレーターのジャン・ジャック・サンペが
生み出した悪戯好きで元気いっぱいの二コラ。
日常の中に潜む冒険心と、
幸せな幼少期の日々をユーモアとペーソスたっぷりに描いた、
如何にもフランスらしいお洒落な雰囲気の作品です。
その世界観をそのままに、
淡い水彩画の様な色彩と白の余白が印象的な絵で表現し、
「プチ・二コラ」の物語とそれを生み出した二人の作家の友情の物語を、
ファンタジック且つノスタルジックに描いた映画になっています。
自分達の決して幸福では無かった幼少期の思い出を、
作家達は二コラの冒険の日々に希望を託しながら描いていきます。
芸術とは自らの幼少期を追体験する行為でもある訳です。
そこにこうであって欲しかったという淡い希望を添え、
これからの若い世代の幸せを祈る様な行為として。
カンヌ国際映画祭からアニメーション部門として独立した、
世界最大級のアニメーション映画祭である、
アヌシー国際アニメーション映画祭に於いて最高賞を受賞した今作。
単なる子供向けのアニメというよりは、
大人達が嘗ての幼少時代を懐かしむ様な作風になっています。
スタジオジブリの作品で大人になった私達にとっても、
どこか懐かしくて心温まる作品になっています。
キャンバスに滲み出す思い出

画像引用:©2022Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2
今作では「プチ・二コラ」の作品世界が、
短い挿話として実に豊かに時代を彩っていきます。
二人の作者の半生のここかしこに、
フランスの全ての少年の象徴として二コラの冒険が差し入れられる訳です。
まるで夢の世界が押し広がっていくかの様に、
真っ白なキャンバスに水彩絵の具が滲みながら広がっていきます。
「絵」の力と「言葉」の力とが、
人生の悲しみや苦しみを優しく包み込んで温かいものに変えていく。
そんな夢の様な行為がこの作品では視覚的に体験出来るのです。
自分達が作り出したキャラクターである二コラと、
楽しく会話しながら描かれていく物語の世界。
空想や夢想の大いなる力、
それが辛辣な現実さえも凌駕し得る事を、
この映画は力強く表現しているのです。
更にこの映画の素晴らしい点として、
原作者のサンペ本人がグラフィック・クリエイターとして参加し、
ゴシニの娘であるアンヌが脚本と脚色を担当しているのです。
原作へのリスペクトと愛情が溢れた製作体制の元、
今作がアヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞を受賞したのを
見届けてからジャン・ジャック・サンペは89歳でこの世を去りました。
当初はドキュメンタリー作品として企画されたこの映画が、
「プチ・二コラ」という類稀な作品の魅力をこういった形で
世界中に伝える事が出来たのは、
偏に原作への愛によるものであったのだと思います。
国民的おつまみ

今日のおつまみは【牛肉といんげんの炒め物】です。
何だかんだ言っても牛肉はやっぱり美味い。
それもお気に入りの焼肉のたれでざっと炒めたのが、
簡単シンプルで美味かったりしますよね。
これぞ国民的おつまみという感じです。
付け合わせのいんげんは実家で両親が収穫したもの。
新鮮な畑の味がしました。
これからの季節は夏バテ対策にも肉食!
友情が世界を変えていく

画像引用:©2022Onyx Films – Bidibul Productions – Rectangle Productions – Chapter 2
日本の漫画に於いても、
ストーリーと作画の分業が常識になって久しいですが、
異なる個性を持ったアーティスト同士が、
一つの物語の中で共作していくという行為は、
決して容易な事ではありません。
やはり余程相性の良い相手とでは無いと、
中々上手くいかない部分もあるのでは無いでしょうか。
作家のルネ・ゴシニは比較的物静かで示唆に富んだ個性を持った作家。
対する作画担当のジャン・ジャック・サンペは陽気な性格で、
音楽に造詣が深く単純な線で驚く様な感情を表現出来る天才肌のイラストレーター。
二人は互いの才能を認め合っていて、
その表現に全体的な信頼を寄せ、更に相手のアイデアを素直に喜べる。
つまりは作風的にも、性格的にも相性抜群の、
仕事の上だけでは無い親友であったからこそ、
この「プチ・二コラ」の愉快で温かい作風が誕生したのでしょう。
これは芸術の世界に於いては一つの奇跡であると言えます。
互いに才能を持って居ながらも上手くいかない組み合せも無数に存在します。
彼等は互いに挫折や苦労を経験していて、
創作行為に対して貪欲であり、
真摯であった点が共通していたのでは無いでしょうか。
二人で生み出した二コラというキャラクターに、
決して恵まれた幼少期を過ごしてきた訳では無い二人が、
託した明るい少年時代の幻影には、
こんな世界であって欲しいという切な願いと祈りが込められており、
それが作品に独特の幸福感をもたらしているだと思います。
これも私達日本人が、
日曜日の夕方に「サザエさん」を観て、
平和で楽しい週末を過ごして安心を得ている事と、
同じなのかも知れません。
子供の心で世界を観たいと思った時に観る映画。
言うまでも無く私達大人の全てが例外無く、
嘗ては幼い子供だった訳です。
あの頃見ていた筈の途方も無く広かった世界の景色を、
二コラの目を通して追体験する。
偉大な二人のクリエイターが望んでいた事が、
またこうして多くの「プチ・二コラ」を知らなった人達に広がっていく事は
本当に素晴らしい事だと思います。
また大好きだった漫画や、アニメや、児童書や、絵本を、
こっそりと見直してみたくなる様な映画でした。



