画像引用:© 1978 The Last Waltz Productions, Inc. All Rights Reserved.
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【ラスト・ワルツ】です。
1978年公開のアメリカのドキュメンタリー映画。
カナダ出身のロックバンド、ザ・バンドのラストコンサートを収めた作品です。
1968年にデビューしたザ・バンドが
その活動の終焉を迎えた1976年11月25日。
サンフランシスコのホールに集結した伝説的ミュージシャン達とのセッション。
その情熱的なステージの合間にメンバー達のインタビューを挟み、
この伝説的ロックバンドの偉業を後世に残したのは、
あのマーティン・スコセッシ監督。
音楽ファン必見の奇跡の一夜が迫力の映像で蘇ります!
この映画はこんな人におススメ!!
●ザ・バンドの音楽が好きな人
●ロック史の伝説を目撃したい人
●最高の演奏に酔いしれたい人
●伝説の終焉を見届けたい人
| タイトル | ラスト・ワルツ |
| 製作国 | アメリカ |
| 公開日 | 1978年7月29日(日本公開) |
| 上映時間 | 117分 |
| 監督 | マーティン・スコセッシ |
| 出演 | ザ・バンド、ボブ・ディラン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、エリック・クラプトン、リンゴ・スター、ロン・ウッド |
一夜の奇跡を目撃したい時に観る映画
皆様は「ザ・バンド」というバンドをご存知でしょうか?
50代以上の洋楽ファンの間では伝説的な存在なのですが、
まず現代の若者達には知られていないでしょう。
彼等はカナダとアメリカ出身の5人組のロックバンドで、
ボブ・ディランのバックバンドを経て1968年にアルバムデビューを果たします。
時は激動の60年代後期。
泥沼化していたベトナム戦争に対するカウンターカルチャーから、
ビートルズやビーチボーイズの音楽にもドラッグの影響が色濃く表れた時代です。
ロックやカントリー、フォークやR&Bなどの幅広い音楽的なルーツを持つ彼等は、
ソングライティング能力も然ることながら、
特にその演奏技術が多くのリスナーの支持を集め、
プロのミュージシャン達からも尊敬を集める、
所謂ミュージシャンズ・ミュージシャンとしても有名なバンドなのです。
そんな彼等が長い活動期間の果てに、
遂に最後の公演としてステージに立ったのが、
この「ラスト・ワルツ」と銘打った1976年11月25日のコンサートだったのです。
そしてこの歴史的ショーの記録映画を任されたのが、
1976年公開の【タクシードライバー】で
カンヌ国際映画祭のパルムドールを獲ったばかりのマーティン・スコセッシ監督。
35mmフィルムカメラによる臨場感溢れる映像は、
曲のリズムに合わせた完璧な編集がなされ、
ステージ上のミュージシャン達の一挙手一投足を余すことなく映し出し、
長らくコンサートフィルムの教科書として後世に多大な影響を与えました。
プロのミュージシャン達の阿吽の呼吸。
奇跡的な超豪華ゲストミュージシャン達との白熱のセッション。
一つの時代の終焉と、
また新たな時代の幕開けを高らかに歌い上げた奇跡の一夜。
正に音楽ファン必見の伝説のドキュメンタリー作品です!!
有終の美

画像引用:© 1978 The Last Waltz Productions, Inc. All Rights Reserved.
バンドの解散には実に様々なドラマがあります。
音楽性の違いが理由だったり、金銭面で揉めたり、
ただ単純に仲が悪くなったり。
「ザ・バンド」の解散理由の一つはライブに対するメンバー間での意見の相違でした。
バンドリーダーでリードギター担当のロビー・ロバートソンが
本作中のインタビューでも語っていますが、
16年間にも渡ってライブバンドとしてツアー三昧の生活をしてきて、
心身ともに疲れ果てた彼はライブ活動を辞めてレコーディング活動に
集中したいという意見を出しました。
これはビートルズが1966年のサンフランシスコ公演を最後に、
ライブ活動を辞めて作品作りに全精力を注いだ事例と似たものでした。
しかし「ザ・バンド」のロビー以外のメンバーはこれに反対の立場を取りました。
特にドラムスのリヴォン・ヘルムとは険悪なムードがあったと言います。
しかしどんなバンドでも長く苦楽を共にすれば、
意見の相違や価値観のズレは生じて当たり前なもの。
逆にそんな状態であってもこれだけの息の合った演奏を披露してしまう所に、
このバンドの凄まじさがある様に思います。
まだミュージックビデオなんてものが無かった様な時代に、
ミュージシャン達の演奏をこれ程までに美しく、
躍動感たっぷりに表現したスコセッシの演出も、
この偉大なライブバンドの実力を世に遺す大きな力となっています。
35mmフィルムの美しい映像で彼等の演奏が何度も蘇る有難さ。
メンバー全員が鬼籍に入ってしまった今となっては、
この作品の価値は何物にも代え難いものがあります。
おつまみのセッション

今日のおつまみは【鱈のハーブ焼き】です。
この季節は魚が旨く感じますね。
ミックスハーブと塩コショウでシンプルに焼き上げた鱈。
フワフワの身とカリッと焦げ目が入った表面の舌触りが絶品でした。
旬のキノコのソテーとマッシュポテトを付け合せに。
これは白ワインが進んでしまいますね。
奇跡の一夜

画像引用:© 1978 The Last Waltz Productions, Inc. All Rights Reserved.
今作の見所の一つは、
何と言っても伝説的なミュージシャン達との豪華なセッションです。
「ザ・バンド」を世に出した盟友のボブ・ディランをはじめ、
ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、ヴァン・モリソン。
ニール・ダイアモンド、マディ・ウォーターズにドクター・ジョン。
エリック・クラプトンやロン・ウッドやリンゴ・スターまで。
正に60年代、70年代を代表する大物ミュージシャン達の奇跡の共演です。
このメンバーを見ただけでも彼等が如何に愛されたバンドだったかが分かります。
卓越した演奏技術と熱のこもった歌声で観衆を魅了する彼等の、
バンドとしてまだまだ衰える事の無いパフォーマンスが
これでもかと続く幸福感。
インタビューシーンを含めて映画は2時間足らずですが、
当日の実際のライブは4時間以上もあったそうです。
やっているバンドも、それを観ている観客も相当な体力ですね。
この日を最後に「ザ・バンド」は解散状態となりますが、
実はその後確執があったロビー・ロバートソン以外のメンバーで
1983年に再結成を果たしています。
版権や契約の面でメンバー間にゴタゴタがあった事は事実。
この「ラスト・ワルツ」というコンサート自体、
ロビー・ロバートソンが強引に「解散」を既成事実にして決めてしまった
イベントでもありました。
しかしそんなこんなの事情も時を経て今その演奏を観返してみると、
遠い夢の様に感じてしまったりもするのですが。
やっぱりいい音楽はいつ聞いてもいいものです。
一夜の奇跡を目撃したい時に観る映画。
皆さんも好きなミュージシャン、推しのアイドルなど、
人生の一時を彩ってくれた存在というのがあるかと思います。
その青春の存在がこういった美しい映像で残されていたら
やっぱり嬉しいですよね。
わたくしころっぷも全然後追いの世代ですが、
今回改めて「ザ・バンド」の素晴らしい演奏に感激しました。
新たな音楽との出会いを求めている様な方も、
60年代、70年代の音楽にハマってみるのもおススメ致します。



