アクション映画

映画【イングロリアス・バスターズ】おつまみ【チキン南蛮】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【イングロリアス・バスターズ】です。

クエンティン・タランティーノ監督の

ブラックユーモアが炸裂した

戦争アクション映画です。

この映画はこんな人におススメ!!

●痛快なストーリー展開を楽しみたい人

●悪いブラッド・ピットが好きな人

●悪役を目当てに映画を観る人

●命掛けの緊張感を味わいたい人

タイトルイングロリアス・バスターズ
製作国アメリカ、ドイツ
公開日2009年11月20日(日本公開)
上映時間153分
監督クエンティン・タランティーノ
出演ブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツ、
メラニー・ロラン、イーライ・ロス、
マイケル・ファスベンダー、ダイアン・クルーガー

目的の為なら手段は択ばないという時に観る映画

今回はタランティーノ先生の最大ヒット作品のおススメです。

荒唐無稽なストーリーながらも、

力技で一級のエンターテインメント作品にしてしまう、

お馴染みのタランティーノ節を堪能出来る一作になっています。

毎度の事ながら、一体どうしたらこんなストーリーを考え付くのだろうと、

そして大の大人がよくもこんな映画を本気で作ったなという畏敬の念を

感じずにはいられません。

子供のまま大人になってしまったとしか言いようの無い、

ハリウッドきっての変わり者が構想10年以上掛けた労作。

アイデアの宝庫と言える脚本が、フレンチフルコースの様に

次々とテーブルを彩ります。

タランティーノ監督の頭の中は常に人を楽しませる事でいっぱいなのでしょう。

こっちはお腹いっぱいでもう何も入らないと言った所で、

攻撃の手を緩める様な輩ではありません。

口をこじ開け、無理にでもデザートを押し込まなければ気が済まない。

映画の為なら手段を択ばない危険な監督の代表選手です。

覚悟して鑑賞する必要がありますが、

きっとかつてない映画体験が出来るはずです。

その強烈な中毒性にハマってしまえば、

気が付くとフィルモグラフィをなぞる羽目になる事は必至です。

永遠の映画オタク

クエンティン・タランティーノ監督と言えば、

類稀な映画オタクで知られる人物です。

「レザボア・ドッグス」で映画ファンを驚かせ、

「パルプ・フィクション」ではカンヌ国際映画祭を制しています。

その脚本には独特なルーティンがあり、

多言なキャラクターがやけに登場するのですが、

一見ストーリーと関係ない話を永遠語るというのが

お決まりのスタイルになっています。

この時話題にされる事が多いのが映画のネタ。

タランティーノ監督自身の膨大な映画の知識を発揮した、

マイナー映画のトリビアに映画ファンはニヤリとしてしまいます。

その映画愛に溢れたオマージュやパロディには、

映画を通して自身のアイデンティティを築いてきた天才の生き様が表れています。

誰よりも映画を愛し、映画を数多く観てきたんだという熱い想いが、

登場人物達への自己投影という形で強烈な個性を発揮しています。

映画は現実逃避の手段では無く、

現実を変える事の出来る武器であると思い出させてくれます。

文字通りこの作品では映画が世界を変えるのですが、

それはネタバレになるのでクライマックスを観てのお楽しみです。

イングロリアスなおつまみたち

今日のおつまみは【チキン南蛮】です。

ゆで卵と自家製ピクルスを刻み入れた

タルタルソースをたっぷり掛けていただきます。

副菜は「水煮大豆のガーリック炒め」

「小松菜とハムの炒め」「蓮根のバター焼き」です。

豪華食材をこだわりの調味料できらびやかに仕立てたという訳ではありませんが、

妻の創意工夫には本当に関心させられます。

毎夜の晩酌のイングロリアス(栄誉なき)な料理達が、

楽しいひと時を演出してくれます。

映画がナチスをぶっ殺す

画像引用:IMDb

この映画は基本的には不真面目です。

悪ふざけといっても良いかも知れません。

史実には即せず、過剰で過激な娯楽作品です。

不道徳で不謹慎な作品と採られる事もあるでしょう。

ホロコーストや戦争の狂気を鑑みれば、

今作の描写には眉をひそめる人もいるかも知れません。

でもタランティーノ監督のタフなクリエイター魂には、

まず映画をとことん楽しませるアイデアを惜しみなく注ぎ込み、

そこから派生する映画の効能は全て観客に委ねる度量があります。

無責任なのでは無く、そこが凡人には到達出来ないカリスマ性なのです。

裏返せば圧倒的な自信の表れ、作品に対するこれ以上無い責任感とも言えます。

批判を介せず、自分の価値判断に揺るがないクリエイター。

映画史における影響力を紐解けば、

かつてのスタンリー・キューブリックも黒澤明も皆、独裁者的なクリエイターでした。

己の表現の前には一切の妥協も許さない。

スタッフ・キャストの心労は想像に難くありませんが、

結果として傑作を世に残してきた巨匠達には、

共通して常軌を逸した所があった様に思います。

この映画の強烈なキャラクター描写には、

観客を喜ばせる事に前のめり過ぎるタランティーノ監督の

行き過ぎた生き様が投影されています。

永遠の映画少年の渾身の一撃。

たかが映画と甘く見ていると、

噛み痕は生涯消えない事になるでしょう。