画像引用:IMDb
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【コーダ あいのうた】です。
聾者の家族の中で唯一、聴者である主人公の少女。
綺麗事ばかりでは無い現実を突き付けて尚、
希望を感じさせる爽やかな感動作。
想いを伝えるという事の大切さを教えてくれる物語です。
この映画はこんな人におススメ!!
●障害者の生活に向き合いたい人
●家族と夢との板挟みにある人
●自分の殻を破りたい人
●旅立ちの時な人
タイトル | コーダ あいのうた |
製作国 | アメリカ、フランス、カナダ |
公開日 | 2022年1月21日(日本公開) |
上映時間 | 111分 |
監督 | シアン・ヘダー |
出演 | エミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、 ダニエル・デュラント、マーリー・マトリン |
自分の行くべき道を選ぶ時に観る映画
この作品は聴力障害を扱ってはいますが、
それをテーマにした教育的観点からの映画ではありません。
普遍的な「家族」が抱える問題と、「社会」が抱える問題に直面した主人公が、
勇気と希望を持って進んでいく成長物語です。
社会が抱える問題に対する怒りや主張を声高に描くのでは無く、
「家族」の姿を丁寧に捉えた所に魅力がある脚本だったと思います。
2014年のフランス映画【エール!】のリメイク作品ですが、
舞台や設定が変わると、大分作品の雰囲気も変わります。
アメリカ映画らしい分かりやすい表現になっていて、
撮影やロケーションが美しく、ユーモラスな描写も多いので、
エンターテインメント感が増していると感じます。
第94回アカデミー賞で見事に作品賞を受賞していますが、
難しいテーマを重くなり過ぎない様に描いたバランス感覚が、
高く評価された所でもあると思います。
「家族」の絆や「音楽」の素晴らしさ、
そして勇気を持って想いを伝える事の難しさと大切さを描いた、
感動の作品になっています。
自分の声を伝える事
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画像引用:IMDb
主人公のルビーは「家族」で唯一の聴者なので、
幼い頃から皆の通訳として生きてきました。
誰かの想いを誰かに伝える道具として、自分を使ってきた人間なのです。
そんな彼女は自分自身の想いを誰かに伝える事に戸惑いを持つ様になっています。
「家族」の間では「手話」によって何でも言いたい事を言い交わすのですが、
学校のコミュニティの中では自信を持てずにいます。
障害に対する心無い好奇の目も、田舎の街にはあります。
彼女の引っ込み思案な部分は、長い蓄積が重く覆い被さる様なものでした。
そんなルビーを変えたのが「歌う」という行為でした。
そもそも「歌」とは声を聞かせるという事の中に、
想いを伝えるという行為が含有されてます。
普段から「手話」で正確かつ迅速に想いを伝えてきたルビーにとって、
表現力というものの切実さは人並み以上のものだったのです。
その声は多くの人を魅了し、惹きつけるものでした。
しかしそれを「家族」だけが聞く事が出来ないというのが、
この物語の深い部分なのです。
映画で印象的だったのは、主人公のルビーが学校の合唱部の発表会で歌うシーン。
「家族」も観に来ていますが、当然その歌声は届きません。
しかし静寂の中、周りの聴衆がルビーの歌声に感動している様子を見て、
その歌声の素晴らしさに気が付くのです。
このシーンで我々は、
人の想いという物がこんな方法と形で伝えられる事もあるのだという事に気付かされます。
それは「手話」でも「歌」でも、伝えたいという切実な想いがあって為されるのです。
ワイルドな一皿
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今日のおつまみは【鶏と茄子の山賊焼き】です。
ヘルシーな鶏肉と肉厚にカットした茄子を、
甘辛い山賊焼きのタレで焼き上げた一皿です。
食欲を刺激するおつまみはお酒をグイグイと進めます。
休日前の晩酌は一番の幸せですね。
今日は焼酎ハイボールでえいがひとつまみ。
そろそろ秋の気配ですが、益々食欲倍増の日々です。
明日への架け橋
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画像引用:IMDb
「歌う」事に目覚め音楽の道に進みたいという夢を持ったルビー。
しかし彼女は「家族」の為に通訳として稼業を手伝う事との間で、
自分の行くべき道を思い悩みます。
「家族」と「社会」の架け橋として生きてきた事。
これからの「家族」にとっても自分の存在が必要不可欠である事は、
当の本人が一番よく分かっている事なのです。
しかし、ルビーの「歌」の力に気が付いた父親は、
娘に夢を追う事を求めます。
これは「家族」が主人公のルビーから自立する物語でもあったのです。
幼い頃から聴者のルビーに頼り、無理を強いてきた事への罪悪感。
不当な労働環境がより「家族」を逼迫させる中、
ルビーの聞こえない歌声が「家族」の想いも変えました。
「家族」は団結し、難しい状況を打破する為に新たな試みに出ます。
ルビーが必死に伝えた想いが明日への架け橋になっていきます。
自分の行くべき道を選ぶ時に観る映画。
この作品で聾者の「家族」を演じるのは実際に耳の不自由な俳優達でした。
「手話」のやり取りや、彼等の生活にある不自由さのリアリティは、
彼等にしか表現出来ない「想い」が込められた演技だからだと思います。
「家族」を想うその気持ちに「言葉」はいらないのかも知れません。
少女の力強い「歌声」と、温かい「家族」の物語は、
私達に静かな生きる希望を与えてくれます。