画像引用：IMDb
こんにちは！ころっぷです！！
今日の映画は【ファミリー・ツリー】です。
ハワイのオアフ島を舞台にした家族の物語。
皮肉に満ちた人生の葛藤を、
ユーモラスな脚本と素晴らしい演技で描いた、
笑って泣ける作品です。
この映画はこんな人におススメ！！
●美しいハワイの大自然が観たい人
●仕事一筋の人生を考え直したい人
●大切な人を失った人
●家族の絆を感じたい人
| タイトル | ファミリー・ツリー |
| 製作国 | アメリカ |
| 公開日 | ２０１２年５月１８日（日本公開） |
| 上映時間 | １１５分 |
| 監督 | アレクサンダー・ペイン |
| 出演 | ジョージ・クルーニー、シェイリーン・ウッドリー、 ボー・ブリッジス、ジュディ・グリア、マシュー・リラード |
人生を見つめ直したい時に観る映画
今回の映画は深い余韻と共に味わい深い作品になっています。
仕事一筋で生きて来た主人公・マットが突如人生の大きな岐路に立たされます。
妻がボート事故により昏睡状態に陥り、更にその妻の不倫が発覚。
難しい年頃の長女と破天荒な次女とのコミュニケーションに悩み、
更に更に先祖伝来の広大な土地の売却のプレッシャーにも苛まれる。
正に踏んだり蹴ったりの中年男の悲哀と滑稽を、
ジョージ・クルーニーが茶目っ気たっぷりに演じています。
普段はクールでダンディなイメージのジョージ・クルーニーが、
何とも格好が付かないオヤジっぷり全開なのが実に秀逸。
【サイドウェイ】や【ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅】などの作品で、
絶大な評価を集めるアレクサンダー・ペイン監督の見事な脚本。
キャラクターの人物像をエピソードの中でごく自然に生き生きと表現する
手腕には、アカデミー脚色賞２度受賞も納得です。
ドタバタと奔走するマットとその家族の姿を、
雄大なハワイの景色の中に優しく傍観するような視点。
人生の悲喜劇性をじっくりと観客の心に染み通らせる素晴らしいドラマになっています。
ずっと見過ごしてきたもの
主人公のマット・キングは弁護士として確かなキャリアを形成し、
確固たる社会的地位にいる人物でした。
人生を自身の手でコントロールしてきたという自負をプライドにしている人間です。
しかし人生とは気まぐれに牙を向けるものでもあります。
瓦礫の山が崩れ掛かってくる様に、マットの生活は一変してしまいます。
どうして？何故？という疑問の気持ちと、
自分に降り掛かる困難に怒りを抑えるのがやっとの状況になってしまいます。
自分の思い通りにいかない事に怒りの感情を持つ事は仕方の無い事かも知れません。
ですがマットがずっと見て見ぬ振りをしてきた事のツケが、
徒党を組んで襲ってきたに過ぎないとも言えるのではないでしょうか。
妻との関係。娘たちとの関係。自分のルーツや人生の意味について。
彼は決して悪い人間ではないですが、自分のスタイルに固執して
必死になるという事を忘れていたのかも知れません。
豊かな生活と社会的地位が自分のアイデンティティであると勘違いしてしまったのです。
足元にずっとあったはずのリアルな生活に強制的に向き合わされた主人公。
その苦悩と葛藤がシリアスながらも滑稽で笑えてしまうのが、
この映画が観る者の心を打つ最大の要素になっています。
心を満たすもの
今日のおつまみは【ガーリック・シュリンプ】です。
先にも言った通りに妻は海老が大好物なのですが、
これもシンプルながらお酒の進むメニューです。
映画の舞台がハワイなのでやっぱり海の物が食べたくなります。
自然が育んだ命を頂く事は、体だけでなく心も満たしてくれます。
感謝の気持ちを忘れずに、
これからもえいがひとつまみを楽しんでいきたいと思います。
雨降っても地固まらず
画像引用：IMDb
この映画の原題は【The Descendants】子孫たちという意味です。
主人公のマットはカメハメハ大王の直系の子孫にあたり、
カウアイ島の広大な土地の受託者でもあります。
先祖から受け継いだものをどうやって次の世代に引き継ぐのか。
そんなテーマが家族の物語に絶妙に絡んできたりもします。
時に残酷な人生も、大きな時間の流れから見れば些細な一瞬です。
心の葛藤に七転八倒するマットや家族達の姿も、
数十年すれば土に帰するという当たり前の事が、
何だか崇高で気持ちの良い事に思えてくる様な作品なのです。
それはハワイの雄大な景色とそこに流れる豊かな時間がそう感じさせるのかも知れません。
舞台の利を最大限に活かしたとも言えるでしょう。
観ているこちらもいつの間にかハワイの風を頬に感じて、
人生の意味について大きな視点を得たりなんかしています。
過ちを赦す事。後悔する事。言えなかった事。
人が人生で成し得なかった事が累積して土地は踏み固められていくのかも知れません。
人生を見つめ直したい時に観る映画。
笑って、泣いて、考えさせる素晴らしい作品です。
いつかハワイに行ってみたいとまんまと思ってしまいました。
