ドキュメンタリー

映画【リトル・リチャード アイ・アム・エブリシング】おつまみ【海老揚げ春巻き】

画像引用:©2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved

この映画はこんな人におススメ!!

●ロックンロールを愛して止まない人

●クィアについて知識を深めたい人

●自分の方向性に迷っている人

●圧倒的なエネルギーに触れたい人

タイトルリトル・リチャード
アイ・アム・エブリシング
製作国アメリカ
公開日2024年3月1日(日本公開)
上映時間101分
監督リサ・コルテス
出演リトル・リチャード、ミック・ジャガー、
ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズ

自分らしく生きたいと思った時に観る映画

1955年にデビューしたロックンロールの創始者、

リトル・リチャード。

同じ年にデビューしているエルヴィス・プレスリーに比べると

日本での知名度は今一つかも知れませんが、

音楽ファンにとっては言わずもがなのレジェンドアーティストです。

黒人である事、

クイアである事、

あらゆる差別や偏見と戦いながら多くの名曲を残した

稀代のエンターテイナー。

作中でも名だたるアーティスト達が言及していますが、

ミック・ジャガーや、ポール・マッカートニー、

デヴィッド・ボウイやトム・ジョーンズに

多大な影響を与えているそうです。

その歯に衣着せぬ物言いと、

大胆不敵なキャラクターで聴衆を沸かせ、

圧倒的な演奏と歌唱でステージを席巻しました。

どんな逆境にも挫けず、

多くの批判や圧力にも屈せず、

自分らしく自分の信じる道を突き進むその姿には、

現代人が失ってしまった人間としての強さと美しさが溢れています。

分断とコンプライアンスで身動きの取れない現代人にとって、

正に今こそ再評価するべき偉大なる先人。

それがロックンロールを作った男、

リトル・リチャードなのです。

全ての壁を壊した男

画像引用:©2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved

映画であろうが音楽であろうが、

新しいものを生み出す人物は例外なく破壊者でもあります。

それまでの黒人音楽と言えば「ブルース」だった訳ですが、

そこから派生した「ジャズ」とはまた異なり、

白人音楽の「カントリー」の要素を取り入れ、

黒人音楽特有のリズムと、

西洋音楽のメロディを掛け合わせた、

普遍的且つ汎用性の高い音楽がロックミュージックであった訳です。

リトル・リチャードの音楽原体験は教会音楽。

彼の人生と「神」とは切っても切り離せないものでした。

自分がゲイであり、黒人であり、

人と違っているという後ろめたさと、

周りからの好奇の目と戦いながら、

異端である事を怖れず、

自分らしくある事を全身全霊で「是」としたアーティストでした。

権力からの圧力、移ろいやすい聴衆の流行、

金やドラッグにまみれた欺瞞の世界、

そんなショービジネスという虚構の世界に於いて、

これ程までに剥き出しで、正直に曝け出し続けた人物も、

他に居なかったのでは無いでしょうか。

豪快でビックマウスなキャラクターとは裏腹に、

内に不安を抱え込んでいた彼の音楽人生は、

正に波乱万丈の航海であったのだと思います。

ソングライターとして圧倒的な才能を持ち、

パフォーマーとしても絶大な存在感を発揮しながら、

アカデミックな賞からは完全に無視され、

印税まで搾取される始末。

最も偉大な先駆者は、

最も世間から軽んじられた異端者でもあったのです。

おつまみの異端

今日のおつまみは【海老揚げ春巻き】です。

春巻きと言ってもヴィジュアルは春巻きになっていません。

春巻きの皮を細長くカットして、

それを海老に巻き付けて油で揚げました。

カリカリの皮の歯応えと、

中の海老のプリプリさのハーモニーが抜群。

正統派とは違った異端のおつまみ。

しかしこれがまた簡単で美味いのです。

夏のビールのあてに最高のおつまみです!

現代音楽の偉大なる先駆者

画像引用:©2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved

ジョン・レノン曰く、

「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」と。

これ程までに世界中のミュージシャンから尊敬を集めていたのです。

現代音楽のアーティスト達は、

リトル・リチャードから見れば孫世代、ひ孫世代といった感じでしょうが、

そういう意味でも私達の普段聞いている音楽の中にも、

リトル・リチャードは生き続けているのです。

このドキュメンタリー映画は

そんな彼の実像に出来得る限り迫ろうとしています。

偉大なアーティストではありましたが無論彼も人間、

清廉潔白な聖人ではありませんでした。

時にその苛烈な自己顕示欲が他者との軋轢を生み、

世間から叩かれる事も多々ありました。

自分が作り出した「ロックンロール」が、

いつの間にか白人の音楽になってしまい、

グラミーからも無視され続けた事は

本人にとってとても辛い経験であった様です。

人種差別との戦いは終生彼の人生に付き纏い、

またセクシャリティに対する偏見に真向から立ち向かうその姿は、

現代のLGBTQ運動の早過ぎる先駆者であったのです。

ステージ上で正に全身全霊のパフォーマンスで

オーディエンスを鼓舞する彼の姿には、

怒りや悲しみを知る人間特有の哀切を時に感じる事があります。

周りと違うという事実を受け入れ、

それを武器に戦う他に道が無かった。

煌びやかな表舞台の裏に、

想像を絶する苦しみがあった事も映画では示唆しています。

悪魔に魂を売ったブルースのレジェンド、

ロバート・ジョンソンではありませんが、

いつの時代もトップクリエイターには

常人には計り知れない業があるのかも知れません。

自分らしく生きたいと思った時に観る映画。

今の世界情勢は差別や偏見の無い社会を標榜していながら、

分断と排斥が進む昨今です。

これは最も忌むべき流行であると思います。

ロック音楽の黎明期にあらゆる壁を壊し、

人々の常識を打ち破ってきた一人のレジェンドアーティストを、

今こそ再評価する時なのでは無いでしょうか。

あのエネルギッシュなステージングと

チャーミングなキャラクター。

これを機に是非真のキング・オブ・ロックの雄姿を目撃してみて下さい!