コメディ映画

映画【マーウェン】おつまみ【オクラの唐揚げ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【マーウェン】です。

巨匠ロバート・ゼメキス監督の驚異的な映像世界が炸裂。

荒唐無稽なストーリーがいつの間にか普遍性を帯びる、

不思議な力を持った異色作品のおススメです。

この映画はこんな人におススメ!!

●トラウマを抱える人

●自分だけの世界を大事にしている人

●ミニチュア・フィギュアが好きな人

●新たな一歩への勇気が欲しい人

タイトルマーウェン
製作国アメリカ
公開日2019年7月19日(日本公開)
上映時間119分
監督ロバート・ゼメキス
出演スティーヴ・カレル、レスリー・マン、
メリット・ウェヴァー、ジャネール・モネイ
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過去のトラウマから脱却したい時に観る映画

今回の映画は一言でいって奇妙奇天烈です。

シリアスでセンシティブなテーマを扱っている作品ですが、

基本的にユーモアに富み、笑えるシーンが多いのでコメディ映画にジャンル分けします。

監督は【バック・トゥー・ザ・フューチャー】シリーズや【フォレスト・ガンプ】で

有名なロバート・ゼメキス。

ファンタジー描写を用いて現実の世界を生き生きと表現する、

ハリウッドの伝説的名監督です。

主演には【フォックス・キャッチャー】や【ビューティフル・ボーイ】などの作品で、

高い演技力を評価されているスティーヴ・カレル。

もともとコメディアンの彼には風変りなキャラクターは得意分野です。

この作品は実話を元にしています。

過去に集団暴行を受けて記憶障害と精神疾患に苦しむ主人公のマーク。

彼は自宅に精巧なフィギュア用のセットを作り上げ、

第二次世界大戦中のフランスの街という架空の設定で物語を紡いでいます。

これまたリアルなフィギュア人形を操り、

映画を撮影するかの如く様々なシーンを作りあげて写真に収めます。

このフィギュアの劇中劇と、実際のマークの生活が

極自然に地続きで表現される描写が秀逸です。

現実と虚構の世界の垣根を取り払い、

自分の世界に没頭する主人公のマークは、

奇妙で風変りながら愛嬌があり微笑ましい人物として描かれています。

【フォレスト・ガンプ】の主人公とも共通するこのパーソナリティが、

ロバート・ゼメキス監督の描きたい主人公像なのでしょう。

閉ざされた世界で、一人過去のトラウマと対峙するマーク。

そんな彼に訪れる転機と、新たな一歩を踏み出す勇気を描いた、

ユーモアと驚きの映像に満ちた作品になっています。

空想の世界と現実の世界

画像引用:IMDb

映画の主人公マークの作り出す、驚異的に精巧なフィギュアの世界。

そこで繰り広げられる物語は、タフなヒーローと美しい女性達が活躍する、

クラシカルな戦争映画のパロディ的世界。

自分の人生に降り掛かった暴力に対する、必死の抵抗とも取れる空想の世界です。

空想に浸る行為は、とかく現実逃避とも受け取られがちですが、

本人にとっては自身のアイデンティティを保つ上で、

必要不可欠な抵抗でもあります。

特に過去に酷い経験をした者にとっては、

それは他人の想像も及ばない程の切実さがある事と思います。

またそこは人間の剥き出しの個性、無垢な発想力が内在する世界でもあります。

現実の世界との折り合いに難儀する主人公にとって、

空想の世界こそが自分自身の尊厳を保てる唯一の場所になっているのです。

人間誰しも空想の世界を持っていると思います。

マークの様な精巧で緻密なプロットを持った世界では無くても、

自分が自分らしくあれる場所。自分の理想の世界。

言うなれば秘密の花園です。

映画という虚構の世界にあって、誰の心にも存在する空想の場所を描く事は、

ごく自然で説得力のある事の様に感じます。

監督のロバート・ゼメキスもこの空想の世界に浸り続けてきたのだと思います。

虚構が嘘の作り物だからと言って無意味な物ではありません。

むしろ現実の世界を変えて来たのは常に虚構の力であったとも言えます。

人が空想する力を持つ事の素晴らしさとユーモラスさを表現するのに、

これ程適した物語は中々無いと思ったりするのです。

料理の空想力

今日のおつまみは【オクラの唐揚げ】です。

最近流行っているらしいのですが、

これが中々イケるのです。

唐揚げと言えば鶏という固定概念は崩れ去りますね。

ネットレシピは本当に簡単で意外な組み合わせがあって面白い。

料理も空想力が大切なんですね。

サクサクとした軽い食感で箸が止まりません。

現実を変える新たな一歩

画像引用:IMDb

この映画は実際に白人至上主義者によるヘイトクライムを受けた男性を

モデルにした作品です。

現実の世界は信じ難い暴力に満ちています。

如何なる理由があろうと、暴力は決して許される事ではありません。

しかしこの世界ではあらゆる場所で、

価値観や宗教観や倫理観の相違の対処に暴力が使われています。

一方が一方を打ちのめし、屈服させても物事の解決にはなりません。

一方の声が絶え、もう一方の声が増すだけです。

現実を変える力を持つのは暴力では無く、空想の力にあります。

言い換えれば想像力。

それは自分の考えだけでは無く、相手の考えを理解しようとする努力。

映画の主人公マークが声を無くし、空想の世界で戦う日々を通して得た力も、

この想像する力だったのでは無いでしょうか。

現実と向き合い、新たな一歩を踏み出す力となり得たのは、

人間の想像力が持つ癒しの力。

閉ざされた世界で自分自身と向き合ってきたからこそ、

相手を理解する想像力を身に付けられたのだと思います。

空想万歳です。

過去のトラウマから脱却したい時に観る映画。

辛い経験は時に自分の成長に繋がる事もあります。

振り返ればそんな事もあったと笑える様になるかも知れません。

空想の力を止めずに、暴力の誘惑を跳ね除ける事の重要性を説いた、

風変りでファンタジック、そして独特のユーモアに笑える作品として

今回はおススメさせていただきました。