SF映画

映画【メッセージ】おつまみ【イチボステーキ】

画像引用:IMDb

こんにちは!ころっぷです!!

今日の映画は【メッセージ】です。

奥深いテーマを描いた本格SF作品。

突如地球に現れた12の宇宙船。

彼等が人類に突き付けたメッセージとは?

壮大な物語が絶大な余韻を残します。

この映画はこんな人におススメ!!

●難解なSF作品に挑戦したい人

●静謐な映像美を堪能したい人

●人生の何たるかを考えたい人

●言葉に敏感でいたい人

タイトルメッセージ
製作国アメリカ
公開日2017年5月19日(日本公開)
上映時間116分
監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、
フォレスト・ウィテカー、マイケル・スタールバーグ
created by Rinker
¥1,650 (2024/11/21 18:51:10時点 楽天市場調べ-詳細)

難解なテーマに挑戦したい時に観る映画

今回は中々に手強い相手です。

テッド・チャンのネビュラ賞を受賞したSF短編小説を原作に、

クールな映像美で難解なテーマに挑んだ本格SF映画です。

正直、初見で全てを理解するのは難しいかも知れませんが、

ネタバレしてしまうと、これまた作品の風味を損ない兼ねないので、

細心の注意を払っての考察になります。

所謂SF映画の王道とも言える地球外生命体とのコンタクトを扱っているのですが、

それが意味する所のベクトルがこれまでのSF作品とは一線を画しています。

映像的なインパクトも勿論ある映画なのですが、

派手な演出に興奮するという様な類の作品ではありません。

この作品の鑑賞後に残るのは寧ろ静かな余韻。

生きる事の本質的な意味について、考えさせる様な内容になっています。

誰かと共有する前に、一人でじっくりと顧みたくなる映画。

自分の生き方や、これからの未来を、

改めて思索する良いきっかけになる様な映画体験になるかと思います。

原初的SF作品

SFとはサイエンス・フィクションの略語です。

その定義は余りに広域に渡り、かつ時代と共に変容してきた事もあり、

具体的にこれがSF作品であるという事を示すのは困難です。

聖書や古事記でさえSFであると解釈する人もいる事を鑑みても、

SFの基準は人それぞれと言わざるを得ない所です。

人間は未知なる物や、不思議な物に対する好奇心を常に持っています。

その対象が何であれ、想像力を刺激してくれる物に飢えているのです。

「知」という人類の進化に欠かす事の出来ない原初的欲求を、

SF作品はあらゆる形を取って補完してくれます。

この作品も物語として目の前で起きる事象を追うエンターテイメント要素の裏側に、

人生に対する深い考察を促す暗喩的メッセージが表現されています。

それは「人は死を前提に生きる」という永遠の命題です。

生まれた者は必ず死ぬ。得れば失い、運命は平等では無いという事。

それを知っていながら、厭世に陥らずに人生を送る事の困難について。

死が全てを奪ってしまうのに、どうして苦しみを伴いながら生きるのか。

映画の主人公の言語学者の女性は、地球外生命体とのコミュニケーションにより、

この人類の命題の前にその身を晒す事になります。

「失う事が分かっていながら、得ようとする」

儚い結末であったとしても、その経験の過程の中にある生きる喜びを感じたい。

それは誰しもが持つ、人間の根源的な欲求なのかも知れません。

膨大な生命の循環の中の、ほんの一瞬のちっぽけなワンピースに過ぎないとしても、

その人の人生は確実に他の何かと繋がっていて、二つと同じものは無い。

それは至極当たり前な事ですが、重要なメッセージの様な気がします。

根源的食欲

今日のおつまみは【イチボステーキ】です。

いつもより奮発して、ちょっと贅沢なお肉を頂きました。

本格的な食欲の秋到来で、我が家のエンゲル係数も激上がりです。

我が家のステーキはシンプルに塩・胡椒を振った肉を鉄板で焼き、

ワサビ醤油で食べるというスタイルです。

15年選手のル・クルーゼのグリルパンが活躍してくれました。

難解なSF映画に頭を悩ませつつも、

根源的な食欲の前には誰もあがなえません。

言葉が世界を作っている

画像引用:IMDb

この映画の他のSF作品と大きく異なる点の一つが、

地球外生命体と言語を介してコミュニケーションを得るという事です。

これには人類の歴史に対するアンチテーゼとして、

互いを理解する事の重要性を説くという意味もあります。

しかし更に根源的な意味として、

言葉が世界を作っているという事の現れなのだと思います。

互いの言葉を理解する事で、世界の認識そのものの違いを理解する。

まして地球外生命体の言葉ともなれば、

我々の想像を絶する概念を持っていても不思議ではありません。

主人公の言語学者は彼等の言語の中に、高次元な「知」のパワーを知る事になります。

世界の概念がひっくり返ってしまう程の力を「言葉」が持っているのです。

新約聖書の「ヨハネによる福音書」の有名な冒頭部に

「初めに、言葉があった」とあります。

神は言葉によって世界を作ったのだと説いています。

我々が普段何気なく使っている言葉には、

世界を作る力が根源的にあると考える事が出来ます。

それは宗教や世界情勢といった大きな意味では無くても、

自分の人生を作っているのが自分の言葉であると認識する事で、

周りの世界の見え方が少し違ってくるかも知れないですね。

難解なテーマに挑戦したい時に観る映画。

今回は本当に一筋縄では行かない難解な映画でした。

肝心な部分のネタバレには触れずに考察するのは結構しんどかったですが、

本当に素晴らしい作品です。

じっくりと自分の言葉に置き換えながら、

映画の世界を再構築していって欲しいと思います。