画像引用:IMDb
こんにちは!ころっぷです!!
今日の映画は【ザ・バットマン】です。
言わずと知れた、DCコミックのヒーローキャラクターの新シリーズ。
これまでもティム・バートンやクリストファー・ノーランといった、
天才監督達が繰り返し映画化してきた超人気コンテンツです。
今回のリブート作品は兎に角リアルでダーク。
まるでフィルム・ノワールの様な大人のサスペンス作品になっています。
この映画はこんな人におススメ!!
●バットマンが好きな人
●ヒーローアクション映画が好きな人
●ダークな世界観が好きな人
●罪を憎んで人を憎まずな人
タイトル | ザ・バットマン |
製作国 | アメリカ |
公開日 | 2022年3月11日(日本公開) |
上映時間 | 176分 |
監督 | マット・リーブス |
出演 | ロバート・パティンソン、ゾーイ・クラヴィッツ、 ポール・ダノ、ジェフリー・ライト、 ジョン・タトゥーロ、コリン・ファレル |
悪の意味を考えたい時に観る映画
世界一有名なダークヒーロー、バットマン。
1939年にコミックに初登場して以来、
幾度も映画化されている人気コンテンツです。
今回のリブートシリーズの第一作目がこの【ザ・バットマン】で、
バットマン役にはクリストファー・ノーラン監督の【テネット】でも印象的だった、
ロバート・パティンソンが勤めています。
これまでのイメージとは違い、
より人間臭さを感じさせるキャラクター造形。
犯罪都市ゴッサムシティのダークでゴシックな世界観。
全篇ほぼ夜のシーンで展開され、恐ろしくも怪しげなサスペンスフルな雰囲気。
ヒーローアクションを全面に打ち出すというよりかは、
犯罪サスペンス作品、50年代のフィルム・ノワールを思い起こさせる様な、
クールで退廃的な映画になっています。
これは正に探偵映画の様な主人公の暗い内面を吐露する物語。
謎が謎を呼ぶ展開、罠に嵌められピンチに陥る主人公。
クールなヒロインとの恋愛、そして巨悪に勇敢に立ち向かう王道ストーリー。
これぞ永遠の男の子達が観たかった真のバットマン。
血沸き肉躍る、ダークヒーロー活劇なのです。
復讐の物語
![](https://eigahitotsumami.com/wp-content/uploads/2024/03/917009692ed21cfeeacc9c41fcbf6b2587ebf342567572344ab0d3363641f1e8.jpg)
画像引用:IMDb
物語の舞台は勿論、ゴッサムシティ。
マフィアが牛耳る暗黒街には、犯罪と汚職が蔓延し、
街の権力者の手は罪に汚れきっています。
主人公のブルース・ウェインは幼い頃に両親を殺され、
莫大な遺産を相続しますが、街の犯罪を取り締まる私刑人「バットマン」として、
世を忍ぶ活動をしています。
彼を突き動かすのは「復讐心」
両親を殺された恨みがやがて世の中の「悪」そのものを憎悪する様になり、
法で裁けぬ「罪」を罰する事に執着していきます。
自分の人生の全てを犠牲にして、「使命」の為に命を掛けるブルース。
彼には当たり前の「幸せ」は無く、友情も愛情も安らぎも得る事はありません。
このバットマンというヒーローは、とても孤独で暗い宿命を背負った人物なのです。
そして今回のメインヴィラン(悪役)はリドラーという謎の男。
殺人現場に必ずナゾナゾを残していく、劇場型犯罪のサイコパスです。
実はこのリドラーの犯罪動機も世の腐敗を正す為の私刑行為なのです。
恵まれない孤児として育った自分の境遇を恨み、
権力を笠に着て甘い汁を吸う街の権力者達に復讐しているのです。
この主人公と悪役の皮肉な類似性がこの物語の鍵になっています。
共に自分の行動を正義の行為とし、自分の人生を投げ打って「悪」とする者を討つ。
片方はヒーロー、片方は犯罪者として対峙しますが、それは合わせ鏡の両面の様に、
互いの姿が重なり合う様でもあるのです。
「正義」とは見方によって、立場によって如何様にも姿を変えるもの。
それは「悪」にしても同じ事。
我々の価値観や倫理観は普遍では無く、常に足場の悪い主観の上に成り立っているのです。
戦争という名の元においては人殺しが正当化される様に。
「復讐」で仇を討つ事に、根本的な「正義」はあるのか?
バットマンは命懸けの戦いの中、苦悩するのです。
色とりどりの世界
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今日のおつまみは【タコのサラダ】です。
ダークな世界観の映画とは裏腹に色とりどりの煌びやかさ。
蒸しタコが好きなので、たっぷりとのせてみました。
フリルレタス、ミニトマト、ブラックオリーブ。
ドレッシングはシンプルに塩・胡椒にエキストラバージンオリーブオイル。
香り付けの柚子を散らし、シトラス系のマジックソルトも少々振り掛けます。
さっぱりとしていて、グイグイと白ワインが進んでしまいます。
何の為に戦うのか
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画像引用:IMDb
世に数多いるヒーローの中でも、
これだけ人間臭く、複雑なテーマを背負ったキャラクターも中々居ないと思います。
バットマンという悲しいヒーロー像には、常に孤独と苦しみが付き纏います。
それでも街の平和の為に、自分の行為が正しい事なのかを煩悶しながら戦うのです。
それは己の「復讐」の為なのか?
「悪」を恨む心の為なのか?
やがてリドラーと対峙していく中で、そして己の宿命の真実を知っていく中で、
バットマンは悟っていくのです。
「復讐は何も生まない」という事に。
徹底的に破壊されたゴッサムシティ。
リドラーを捕らえても「悪」そのものが途絶える事はありません。
自分の存在は何なのか?
バットマンはこの物語を通じて成長していくのです。
「誰かの為に戦う」「誰かを守れる存在になる」
この映画は、孤独な宿命を背負ったダークヒーローが、
己の使命に目覚めるまでを描いた成長譚なのです。
悪の意味を考えたい時に観る映画。
自分と違う価値観を持った者を力で叩くだけでは戦争はなくなりません。
それは「正義」でも「防衛」でもなく、どこまでいっても「暴力」でしかありません。
本当の力は利己では無く、誰かの為に向けられた時、初めて意味を持つのです。
闇に紛れ、孤独な活躍を続けるバットマンが体現してみせてくれたのは、
何とも人間臭いヒューマンドラマでした。